25年目の弦楽四重奏

劇場公開日:

25年目の弦楽四重奏

解説

フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリストファー・ウォーケンらオスカー俳優の共演で、ベートーベンの隠れた名曲をテーマに繰り広げられる人間ドラマ。ダニエル、ロバート、レイチェル、ピーターの4人は、弦楽四重奏団を結成して25周年を迎えようとしていた。しかし、チェリストのピーターがパーキンソン病を患っていることが発覚。ピーターは引退を申し出、残されたメンバーは動揺する。そのことをきっかけに憤りや嫉妬、ライバル意識、それぞれの家庭の問題など、それまでに抑えられていた感情や葛藤があふれ出し、完璧なはずのカルテットに不協和音が鳴り響くが……。音楽はデビッド・リンチ作品でおなじみのアンジェロ・バダラメンティ。

2012年製作/106分/R15+/アメリカ
原題:A Late Quartet
配給:角川書店
劇場公開日:2013年7月6日

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(C)A Late Quartet LLC 2012

映画レビュー

2.5老人は知っている いつ自分が死ぬのかを

2023年6月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

1.0カルテットの良さは伝わらない気が…

2022年11月14日
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カメレオン

3.5人間関係とアンサンブル

2021年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 第二ヴァイオリンのロバート(ホフマン)とヴィオラのジュリエット(キーナー)は夫婦。第一ヴァイオリンのダニエル(マーク・イヴァニール)は彼らの娘アレクサンドラ(イモージェン・ブーツ)の教師をも受け持つことになったが、やがて二人は年齢差がある恋に落ちる。そして存続問題を話し合ううちにロバートとジュリエットは険悪な状態となり、ロバートのちょっとした浮気により夫婦の仲は裂かれてしまう。

 長年築いてきたアンサンブルの崩壊する瞬間。40代の3人と60代の1人。病気による発端ではあったが、あと1年は活動できたであろう4人であったが、いかにも個人的な人間関係で崩れていく様子が上手く描かれていた。

 冒頭と最後に登場するコンサートシーンはそれぞれの思いが表情豊か。速いパッセージにはついていけないと、ピーターが途中で演奏を止め、後任のニナ・リーが加入するというクライマックスの展開では感慨深いところなど無いのだが、今後どうなるかも期待できない・・・シューベルトが晩年にこの曲を聞きたいと言ったとか、そんなエピソードしか伝わってこないのだ(笑)。

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kossy

5.0終活

2020年3月30日
Androidアプリから投稿

終活。
自分への幕引きと、後進への伝達。

両親と、その両親の仲人役の老チェリスト、そしてエキセントリックな独身男。

ほぼこのメンバーだけで進む四重奏団 +娘の日記です。

【メンバーチェンジの悲哀】
一人がパーキンソンで脱退する。その突然の事態によって、ハーモニーも人間関係もボロボロになる様が映画の全容。
メンバーそれぞれのうろたえが、投げやりではなく、引き裂かれる者たちのそれぞれの思いと痛みの共有のステージとして見事に描かれていました。

そういえば、
毎年ドラフト会議で高校生ルーキーがプロの球団に入って行きますよね。
あの光景を見ていると、華々しく入団する若者の影で紛れもなく押し出されて去っていく選手が同数いるはずなのだと、自分が歳をとって気が付きました。

バンドのメンバー交代劇しかり、脱退と再編成を繰り返してバンドは歴史を紡ぎます。
オーケストラ団員にも、定年に至らずとも「全体の意向にそぐわない」という理由や、演奏技量の低下に依る身内からの肩たたきはあるはず。
スーちゃんは外されてミキちゃんがセンターに。
全世界の悲鳴の中 解散したのはビートルズ。

室内楽の場合はどうなのだろう?
音楽家の引き際は誰かが決めてくれる?
「定年制」でなくて力が尽きたとき引退・肩たたきが決まるのか。
・・本人が一番辛い決断をするわけで、本当にこれは残酷な瞬間です。

【ベートーベン】
チェリストピーターの人生に重ねて、死の半年前に書かれたというベートーベンの#131が全編に流れます。
この曲を聴きながらの臨終を望んたシューベルトのエピソードも劇中語られます。
そしてもう一つ気がつくのは、このベートーベンの冒頭のレントのフーガは紛れもなく最晩年のバッハの残した「フーガの技法」へのオマージュであろうこと。

世を去った恩師パブロ・カザルスの教えも老翁ピーターから学生たちにしっかりと伝えられました。

・・かくして、自らの終わりを見つめつつ“譲り葉”として後進に音楽を託していく彼ら。音楽家としての生の全うと、彼らのプライドを見させてもらいました。

見どころ、聴きどころの充満した映画でした。

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LPをかけるピーター、悲しみにくれる目の光が絶品。

私に残された幸せよ
戻っておくれ愛するひとよ
木立の中に夜が沈み
光り輝く君が私を照らす
不安で高鳴るふたりの心
されど希望が天高く舞い上がる

メゾソプラノのアンネ・ゾフィー・フォン・オッター本人が、ミリアム役で、コルンゴルトの『死の都』の最も有名なアリア「マリエッタの歌」を滔々と歌います。
⇒第一大戦が終わって、傷つき荒廃したヨーロッパで人びとの心奥に受け入れられたオペラです。

亡き妻のレコードを聴く傷心のピーター。あの悲しみと失意の表情は、幾度録画を再生しても僕の頬を濡らしました。

ピーターの手にアレクサンドラが手を重ねて、柔らかい笑顔で師を労ったのが慰めでしたね。

「譲り葉」となった教師と、中堅の親世代のジレンマ。そして次代を担う教え子に至る、芸術を伝達するドラマ。
いい映画でした。

ああいう講義を、僕も受けてみたい。

中・高と吹奏楽部、その後は孤独なパイプオルガン弾きの きりんのレポートでした。

(3回鑑賞)

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きりん
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