ビフォア・ミッドナイトのレビュー・感想・評価
全36件中、1~20件目を表示
恋人のその先を描いた物語
「ビフォア」シリーズ三作目。
こちらは公開当時のレビューが残っていたので、それを載せる事にしました。
1995年公開の「ビフォア・サンライズ」、それから9年後の2004年公開の「ビフォア・サンセット」、更にその9年後の2013年公開の本作「ビフォア・ミッドナイト」。
「サンセット」の公開時でさえ続編が出た事にとても驚いたのですが、今回の「ミッドナイト」の発表には感動さえ覚えました。絶対もう続編はないだろうと思っていたので。
このシリーズはいわゆるロマンスムービーですが、一般的なロマンスとはあきらかに一線を画します。
初めて観た時は、その作品作りにとても衝撃を受けたのを覚えています。 いたずらに涙をさそう演出や心情を煽る音楽等は一切無く、ただ二人の会話のみで物語が進んで行くんですね。
そのありえない位のシンプルな作りなのに、実に豊かな作品に仕上がっているんです。
また、流れが自然な為あまり気にならないのですが、カメラが5分以上パンすらしない中で進める会話には本当に驚きました。
しかもそれらが連続で繋がり一つの作品になっているのですからすごいものです。
そのある意味映画らしく無い演出ですが、実際の出会いや気持のふれ合いとかってこんな感じなのかなって感じました。
そしてこのシリーズ、自分的に珍しい点があります。 私は映画を観る際確実に字幕派なのですが、この作品に限っては吹き替えも必ず観ます。
イーサン・ホークとジュリー・デルピーの演技が素晴らしいように、宮本充さんと岡本麻弥さんの掛け合いが実に素晴らしいのです。
もし機会があれば是非一度吹き替えも観て頂きたい、声優さんて本当凄いですよ。
そうして18年越しのこの三作目。
今作も変わらず同じ作りでとても安心しました。
大体時間とともに作風も変わってしまったりするものですから、これは本当に嬉しかったです。
何だか古い友人に久しぶりに会ったみたいな感じなんですよ。
また前回に続き三人で脚本を仕上げているのですが、これが本当に良くできていますね。見事ですよ。
ただ今回、今迄二人だけで回っていた物語が少しだけ他の人も入って進行します。
でもそれはずっと観てきた人達には解る位自然で、むしろ二人の過ごした年月を感じられるようでした。
そして会話、特に哲学的な内容がすごい増えた気がします。
そんな物語も、後半からは二人だけの時間が今迄以上に色濃く映されていました。
そしてラスト。 いつもの事なのですがこの作品のEDは物語の終わりではなく、その先の続きを必ず感じさせるんです。
また9年後、もしかしたらこの二人の物語は再び描かれるのかもしれません。
そんな事さえ感じさせる、恋人のその先を描いた素敵な物語でした。
ロマンスの先
言わずと知れた大傑作である Before Sunrise と Before Sunset の続編という事で、蛇足だったら嫌だなーと正直不安だったんだけどそんな心配は不要でした。
期待していたものを見せてくれたし期待以上のものも見せてくれました。
期待していたものとはもちろんこのシリーズ最大の魅力である主演二人の丁々発止のやりとり。
そして期待以上のものとはファンタジー(ロマンス)とリアルの境界です。
前作よりも更に心と体と時間というテーマを掘り下げていたので、この作品を補助線にする事で前の2作品の味わいも変わってきそうです。
前作のラストシーンは今まで観た全ての映画のラストシーンの中で一番好きなんですが(似た様なものとしては『ゲーム』のラストシーンとか)本作のラストはそれに匹敵する程好きです。
シークエンスが1作目の冒頭と対になっているというだけでもシビれるのに、ラストシーンのセリーヌの心の動きがリアル過ぎて息を呑みました。
ああいう言葉では言い表せないものを表現した場面に出会えた時に映画って良いなーとつくづく思います。
あのシーンが分かる人(おそらく既婚者)とガッツリ語り合いたいです。
三作目が好きな人は結婚に向いていると思う。
自分の人生で最も心に残る恋愛がそうだったように、リアルでロマンチックで魅力的でうるさくてなぜか心に残る。
音楽とギリシャが、この三作目の二人の雰囲気をよく作っていた。
しかし今日この作品を観たのが、夢であってほしい。
明日この作品を観たら、歳を重ねた二人がギリシャで再会し、大人な会話の駆け引きでロマンスを感じさせたまま、しっとりと終わってほしい。
恋愛はいつも一作目か二作目で終え、いい思い出として宝箱にしまってある臆病な自分でも、ときどき物語の続きに期待して、三作目を観たくなる。
それをまさにこの映画が観せてくれているようだった。
おそらく
一作目が好きな人は恋愛が向いていて、
二作目が好きな人は不倫に向いていて、
三作目が好きな人は結婚に向いていると思う。
3日で三部作見終えた
お客様に勧められてサンライズを見て面白かったから全部見た。
サンライズの可愛らしいセリーヌもどんどんめんどくさい女になっていったなぁ。
しかしこの役者さんたちこの長台詞よく言えるわ。
正直全部終えてみると、なんとも感想が難しい…。
お客様になんて言おうか迷う。
圧巻の人生論議‼️
2回目の鑑賞(吹替版)で納得🈵
1作目のビフォアサンライズは、ロマンチックな恋愛映画で、私のお気に入り映画です(^^ゞ
2作目のビフォアサンセットは、その続編で、奇跡的な出会いをしてまた会う約束をしながら出会えずにいた二人が、たまたま出会ってその後の状況を語り合うという設定で、意味深な終わり方をしてますね😊
3作目の本作は、不倫関係の熟年男女が、夫婦、親子、別居している未成年の子をめぐる様々な問題を、互いに手出しすることなく、延々と赤裸々に理詰めで語り合い続けているのに圧倒されました😱
このビフォアシリーズ三部作は、どれもたった1日の映画で、ほとんど全てが会話だけで成り立っています😋
そして、この本作は、字幕版ではついていけないくらい、ボリューム満載で、とても早口の会話なので、1回目の鑑賞の時は、半分くらいしか理解できてなかったと思います😥
ところが、今回は、吹替版で鑑賞したところ、恋愛論、夫婦論、人生論、さらには近未来論など、とても奥深い哲学的な議論がされていて、リズミカルなテンポのいい会話に魅了させられました🙆
ジェシーとセリーヌの会話も、どちらが正しいとか間違っているというのではなく、どちらも間違ったことを言っていないし、誰もが経験するかもしれない問題なので、とても興味深い会話に引き込まれていきました💦
そして何よりも感動したのは、ラストシーンのジェシーの語りかけですかね😂
あの最悪の状況で、あんな風に語りかけることができたら、私も含め世の夫婦もどれだけ救われるだろうかと…🙆
本物の愛にたどり着く、真夜中までの数時間。
2020年6月11日
映画 #ビフォア・ミッドナイト (2013年)鑑賞
#ビフォア・サンライズ恋人までの距離(ディスタンス)とその9年後の再会を描いた##ビフォア・サンセット のコンビ、#イーサン・ホーク&#ジュリー・デルピー、監督の #リチャード・リンクレイター の映画
ラストの終わらせ方が無理がある
Richard Linklater
今日の作品は、”6才のボクが、大人になるまで。”で大きな話題となった、リチャード・リンクレイター監督の作品をご紹介。
見た後に知ったんですが、この作品は、1995年の作品”恋人までの距離 (Before Sunrise)” と2004年”ビフォア・サンセット”の続編だったんですね。(笑)
知らずに見ましたが、それでも楽しめたというところが、今日の話題です!
この映画は、題名通り、ある夜の前日を描いた作品です。ほとんど全てのシーンが会話シーンで、キャラクターが会話を進めることで、ストーリーが進んでいきます。
この作品にもいわゆる、決まった三幕構成のようなものは存在しますが、それ以上に”THE映画”というような、カメラワークや演出は行われないのが特徴です。
長回しで、定点だったり、キャラクターと並走していたりするカメラの位置は、キャラクターを正面から捉え、2ショットが基本です。OTSをあえて用いず、2ショットで進めて行くことで、我々視聴者が、どちらの表情を見るのか選ぶことができます。
映画ないの時間設定は1日。さらには、シーンの数は10個以下。ショートフィルムのような構成で、長編映画を作り上げています。そこを彩るのは、素晴らしい脚本と、俳優たちの演技。
この手法は、前作2作品でも用いられているようですが、ここには現実と超現実の間みたいなものを描く力があるように感じました。
特に私の印象に残ったのは、家族揃っての食事のシーン。日本ではお正月やお盆によく見る光景ですが、これがなんとも生々しい。それなのに、メインのキャラクター二人(ジェシーとセリーヌ)の生活を囲むように会話が進んで行く。
視聴者は、ジェシーかセリーヌのどちらかの感情、もしくはそれを見ている第三者としてその会話を見ることになります。その会話のクリティカルさが映画でした。
ただ単に、世間話をしているわけではなく、ジェシーとセリーヌが抱えている問題を時には間接的に、時には直接的に、違う国籍の見方から、違う世代の見方から、その問題を掘り下げて行くかのように会話が展開し、一見前に進んでいないようなストーリーですが、その会話の中でも、キャラクターが作り上げられ、さらにはストーリーが確実に前に進んでいるのがわかります。
そして最後のホテルで、それらが二人の間に天秤にかけられ、誰もが経験したことのある、言い合いに発展していきます。
この映画は、もちろん会話がなければ成り立たない映画ではありますが、それと同じぐらい映像がないと成り立たない映画でもあります。
トーキー映画発明以降、映画は音が50%をしめるようになりましたが、今後も映像と音のどちらも50%を超えることはないのではないでしょうか。このバランスが崩れると、過去に戻るか、駄作になるのかどちらなのかと思います。
前作2作も見て見たいなと思いました。
前2作を鑑賞しなきゃダメかな~。 単なるありきたりな夫婦喧嘩につき...
前2作を鑑賞しなきゃダメかな~。
単なるありきたりな夫婦喧嘩につき合わされましたが凸(-”-#) 。
2014.7.25
素晴らしいけど登場人物に共感はできない
Beforeシリーズの更に続編。また9年後に撮影。どちらも歳とったねーって感じ。前作のあと、どうなったの?あぁ、今そんな感じの関係なの…と会話から答え合わせしていくのがじれったくも楽しい。しかしヨーロッパの人は口を開けば哲学かセックスの話しかしないのだろうか。
最終章?
追っかけで前2作を観て、出来るだけ情報を入れないようにして本作を観た。
前作のラストからふたりの関係はどうなったのかなーと思ったけど、「なるほど、そうきたか!」って感じ。
前2作のようなロマンチックさはないけど、遡って前作・前々作のシーンが、本作に繋がってくる脚本が凄いと思った。
二人でなら素敵な人生
『ビフォア・サンライズ』、『ビフォア・サンセット』に続く本作まで、主人公の二人は真剣だが酷く傷つくというよりは、無邪気な探求心や好奇心により、人生や愛を語り合う。対照的に日本人にとって、人生や愛は辛く、儚い。それは文化の違いで良いも悪いもないが、私達大人には、若い世代に厳然と、人生や愛は得難く何より大切なものだと語る責任がある。
やはり恋愛映画の金字塔
100分程の映画でイーサン・ホークとジュリー・デルピーが喋りっぱなしなのは1作目から変わらず、音楽もほとんど使われていない。しかしながら、ユーモアあふれ美しい二人の会話に圧倒される。リチャード・リンクレーター監督、ジュリー・デルピー、イーサン・ホークとキャストが3作通して変わってないのがとても良い。やはり、ラブロマンス映画といったらビフォアシリーズ。
もうマンネリ
この3部作を立て続けに観たのがいけなかったのか、構成がマンネリ化している印象が拭えず、前2作で受けたようなトキメキ感は無かった。
また、ジュリー・デルピーが裸体を露わにしてくれるというサービス?ショットがある訳だが、彼女の劣化が激し過ぎ、あまり関心が惹かれない。
このシリーズの肝であるカンバセーションの粋な内容も、どこにでもいそうな疲れた中年夫婦のものにしか聞こえず、気持ちが萎える。ということもあり、最後の狙い過ぎのタイムマシンのくだりも寒い感じだけがただただ残る。もう9年後はやらない方がいいと思う。
1、2作目を観ないで3作目を観たのが失敗 最後らへんで少しこのシリ...
1、2作目を観ないで3作目を観たのが失敗
最後らへんで少しこのシリーズの面白さが見えた気がしたが全体的に夫婦喧嘩で終わったとしか、、
面白いはずが…
1,2のファンで念願叶ってようやく今作を観ました。
前作同様に現在の自分に重なる部分もあり、共感できるはずなのに…。
なぜか、他人の夫婦喧嘩を見てるだけの印象になってしまいました。
前作に感じた「そうそう!」「めっちゃわかる!!」とならないのはなぜだろう。。。
ただ、最後の終わり方は前作同様素晴らしかったのでその分評価もプラスしました。
男と女の関係に夜が訪れても…
電車の中で出会った男女の束の間の恋「恋人までの距離」、
9年ぶりの再会「ビフォア・サンセット」、
監督リチャード・リンクレイター、主演イーサン・ホーク、ジュリー・デルピーによる18年越しのラブストーリーの第3作。
結ばれ、双子の娘にも恵まれたジェシーとセリーヌ。
長年このシリーズを見ていれば、理想の形になったと言えよう。
…が、こんな筈じゃなかった!
あんなに運命的な恋に落ちた二人に溝が出来始めるなんて…。
お互い激しく惹かれ合いながらも、くっつきそうでくっつかない、微妙な距離感が魅力だった。
それ故、1作目が一番好き。(ついでに、ジュリー・デルピーも可愛かった!)
しかし、本シリーズは男と女の関係を見つめ続けた、さながら“ドキュメント”でもあるのだ。
どんなに運命的でも、一緒に暮らし始めて分かる、諸々の本音や不満。
それでも愛し合っている。
変化していく男女の機微を見事に掬い上げる。
そして言うまでもなく、会話に魅了される。
ユーモラスでウィットに富み、知的で時にシビア。
一つ一つの会話シーンの長さは、ほぼほぼ10分、それ以上も。
飽きさせず、このやり取りをずっと眺めていたくなるのは、リンクレイターの抜群のセンス。
18年の間に3度も演じ続けてきたイーサン・ホークとジュリー・デルピーの掛け合いには文句の付けようも無い。
舞台となるギリシャの海辺の町の風景が堪らなく美しい。
些細な口喧嘩は次第に口論に。
それは言わば、男女間の“真夜中”。
が、どんなに夜が深まっても、必ず朝が来る。
夜が明ければ…
サンセットが一番好き
会話のみで成り立つ三部作の最終章としては、作り方が気に食わなかった。前二作に比べBGMだけのシーンやふたり以外のキャラクターのシーンが目立って、そこは貫いてほしかった。とはいえ三作ともよくできた素晴らしいシリーズだと思う。
全36件中、1~20件目を表示