劇場公開日 2014年1月18日

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「男と女の関係に夜が訪れても…」ビフォア・ミッドナイト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0男と女の関係に夜が訪れても…

2016年8月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

幸せ

電車の中で出会った男女の束の間の恋「恋人までの距離」、
9年ぶりの再会「ビフォア・サンセット」、
監督リチャード・リンクレイター、主演イーサン・ホーク、ジュリー・デルピーによる18年越しのラブストーリーの第3作。

結ばれ、双子の娘にも恵まれたジェシーとセリーヌ。
長年このシリーズを見ていれば、理想の形になったと言えよう。
…が、こんな筈じゃなかった!
あんなに運命的な恋に落ちた二人に溝が出来始めるなんて…。
お互い激しく惹かれ合いながらも、くっつきそうでくっつかない、微妙な距離感が魅力だった。
それ故、1作目が一番好き。(ついでに、ジュリー・デルピーも可愛かった!)

しかし、本シリーズは男と女の関係を見つめ続けた、さながら“ドキュメント”でもあるのだ。
どんなに運命的でも、一緒に暮らし始めて分かる、諸々の本音や不満。
それでも愛し合っている。
変化していく男女の機微を見事に掬い上げる。

そして言うまでもなく、会話に魅了される。
ユーモラスでウィットに富み、知的で時にシビア。
一つ一つの会話シーンの長さは、ほぼほぼ10分、それ以上も。
飽きさせず、このやり取りをずっと眺めていたくなるのは、リンクレイターの抜群のセンス。
18年の間に3度も演じ続けてきたイーサン・ホークとジュリー・デルピーの掛け合いには文句の付けようも無い。
舞台となるギリシャの海辺の町の風景が堪らなく美しい。

些細な口喧嘩は次第に口論に。
それは言わば、男女間の“真夜中”。
が、どんなに夜が深まっても、必ず朝が来る。
夜が明ければ…

近大