武士の献立のレビュー・感想・評価
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料理よりも古狸
タイトルが「武士の献立」でしたので、さぞ美味しそうな料理が登場するのだろうなと期待して鑑賞したのですが、正直料理・献立に関しては今一歩の印象でしたね。
いや、料理自体は素晴らしかったのですが、食欲が思いのほかそそられずで・・・。
料理と言うよりかは、私的には言わば展示品、美術品のようにしか感じれませんでした。
でも、この時代がこんなにも食に精通した時代だったこと自体にはかなり驚かされましたよ。
この時代のお偉方は、むしろ今の時代のお偉方よりも良い物を食べていたのでは?
庶民の食事も含めて、意外と当時からグルメに関しては結構進んでいたんだなと、そこに関してはとにかく感心させられた次第です。
ただまあ私的には、この映画は献立云々よりも、夫婦の絆が構築されて行く様子の素晴らしさに思いっきり心惹かれましたね。
ベタと言えばベタですが、ツボどころはきっちり押さえていたと思いました。
それにしても上戸彩を古狸呼ばわりとは、高良健吾包丁侍も何とも贅沢な・・・。
バツイチだろうが年上だろうが勝気な性格だろうが、上戸彩に料理を教えてもらいつつ夫婦生活を営めるなら、私なら何の躊躇もなく刀なんか投げ捨てますけどね・・・って、そう言う軽いノリの話じゃなかったらからこそ一つの映画として見応えを感じたんですけどね。
まあ料理や主題歌等不満な点もありはしましたが、シリアスな加賀騒動の様子も交えたことにより、展開にも起伏があってより物語に深みが感じられ、とてもいい作品に仕上がっていたと思いました。
音楽はお膳立て。
加賀藩に実在した"包丁侍"舟木伝内親子をモチーフに、
背景に有名な加賀騒動を加えて描いた笑いと感動の物語。
監督は釣りバカシリーズの朝原雄三とあって、構成が巧い。
遺されたレシピ集を元にこの物語を描いたそうだが、
時代物というより現代家族に通じる結婚・後継者問題などが
描かれてとても興味深い。
年上女房に年下夫、やる気のない男性と気が強く賢い女性、
あぁ実に現代的(爆)
冒頭で料理の腕を伝内に見染められ、舟木家の次男・安信に
嫁いだ春だったが、この安信という男が本当にいただけない。
こんな男に(しかも二度目の春さん)嫁ぐとは、春も可哀想に…
なんて思っていたのだが、後に舟木家・後継者問題の真実が
語られた時、まぁ~確かに気に入らない仕事にふてくされて
いるのはどうかと思いながらも、兄の死で剣の道が閉ざされ、
縁談すら諦めざるを得なくなった安信の苦悩が伝わってきた。
あの「英国王のスピーチ」と同じような突然の災難(失礼)に
渋々ながら嫌でも従わなければならない、そういうお家の物語
なのである。春が仕えたお貞の方も同じような道ならぬ運命で、
好きな人と添えぬ人生の辛さを春が体感させられるのである。
(春が安信のどこに惹かれるかはお楽しみに…)
あの半沢直樹でも良妻を演じた上戸彩、今回も才女の内助。
やる気のない夫をしっかりと包丁侍の道へと導いていく。
この時代に夫に楯つくなんぞあり得ない行動になるだろうが、
料理が素材の本質を引き出す仕事という意味でも、春が夫の
本質(料理の才能)をグイグイ引き出していった功績は大きい。
古狸とののしられ、愛されなくても懸命に尽くす妻の心意気。
私にはこんなことはできないぞ~と思いながら羨望の眼差しv
というわけで脚本などはアレンジだろうが、
後半で振舞われる料理の数々はレシピ通りに再現されたそうだ。
もの凄い数の膳、膳、膳…の品揃えに驚いた。食べられるの?
私がお手伝いしましょうか?(食べる方で)なんて思ったほどだ。
いや~お見事。あんな美食が当時から振舞われていたなんて。
春が夫に対してとる行動は様々あったが、やはり最後は大感動。
相手の気持ちを一番に考えて行動する(身を退く)ことで、春が
どれほど安信を想っているかが伝わり、安信の本意が示された。
二人揃った笑顔を初めて見て、やっと心が安堵した。
今では疎遠になりつつある「嫁」の役割が丁寧に解説された作品。
(しかしあのエンディングテーマは酷い、なんてチャラいんだよ)
上戸彩と高良君のコンビが微笑ましい
結婚っていいですね(^-^)
高校1年生の女子ひとりで観に行きましたが、周りのお客さんは中高年の方が多かったです。
強気だが夫想いな妻が、無口だが優しい武士の夫を立派な包丁侍に!というストーリー。
初めの方は…高良健吾演じる安信の性格が余りにもぶっきらぼうすぎて、ちょっとだけイライラしました(⌒-⌒; )
でも、安信は、無口でも優しくて一生懸命な人でしたね(^-^)♡
ハッピーエンドで、心温まる話です♪
これから二人で幸せな未来を作っていくのだろうなあ、と期待したくなる終わり方!
高校生ながら「結婚っていいなぁ」と思いました。笑
時代劇なのにちょっとキュンとしました!♡
オススメです!
ただ、主題歌がちょっと…
かなり微妙ですし、合ってないので残念(T_T)
エンディングはどうにかならんのか
思ったより良かったのだけど・・・
アイドルを使った割には、悪くない
時代は加賀騒動の頃。加賀藩前田家に使えた料理人の船木家を舞台に、刀の代わりに包丁で殿様に使えた“包丁侍”の姿を描く。
正直最初は、「上戸彩と高良健吾かぁ。このキャストでの時代劇はなぁ・・・」と、若干否定的な視点で考えていたのですが、見終わったらその考えは一変させられていました。あ、いや、やっぱりその二人は時代劇には、中々厳しい感じがするのは否定できませんが、物語が意外に良かったです。感動とまでは言いませんが、かなり物語に引きこまれましたね。いい話だと思いました。
番宣と言うか、映画の告知で、「ご賞味あれ」とか言うキーワードで宣伝していましたが、まぁ、そのキーワードはちょっと言い過ぎかな。確かに、食べ物のシーンは多いですが、「そこまで言うほどかな?」と私は思いました。そういう意味ではむしろ、『大統領の料理人』の方が、食べ物を食べたくなりました。もうちょっと料理にフィーチャーしても良かったと思います。
この作品で描かれている重要なテーマは、夫婦愛ですかね。最初は、反発もしていた春と安信の夫婦ですが、最後には落ち着く所に落ち着きます。心が温かくなりました。
良かった。
いい奥さん…
男目線と女目線でイメージが異なるかも
いいお話でした。
派手さはないけど、感動できるよいストーリーです。
剣術という夢を捨て、国のため家のために生きようとするさまは今の時代でも共感できるものだと思います。
ただ、夢ってのはなかなか捨てきれないもんなんですよね。
誰しもが心の中で折り合いをつけて気持ちを折り返す瞬間ってものがあるんだな、と自分に置き換えて考えてしまいました。
・・・というのは、たぶん夫目線での感想。
これを妻目線・主婦目線で見ていくと違う何かが見えてくるんだろうと思います。
残念ながら私は「夫」なので「何か」は見えませんでしたが。
男目線・女目線で感じ方が違うので、ある意味2度楽しめるかもしれませんね。
満足感はあるので是非観る事をお勧めします。
ただ、前述の「夫」目線からすると物語の一貫したテーマというものがイマイチ見えてこないんですよね。
必ずしも「一貫したテーマ」が必要というわけではないので、これはこれでいいんですが。
あと、エンドロールで流れるCHARAの曲は全く意味不明。
余韻に浸らせてもらえないので、エンドロールは観る必要なしです。
というかエンドロール観るなら耳塞いで観てください。
余談ですが、鹿賀丈史が料理テーマの映画に出ると嫌でも「料理の鉄人」を彷彿してしまうので、どうなんだろう。ネタかなぁ。
余韻が…。
兄の突然の死によって、親の敷かれたレールを歩まなければならなくなった次男。それを支える奥さんが主人公。
前半はほんわかモードですが、途中から歴史が絡んだシリアスモードで「包丁侍」からちょっと脱線。ですが最後はフランス料理のフルコースにも負けない最高のおもてなしが。
鍵になる夫の初恋相手の成海璃子の存在感がやけに薄い。上戸彩の奥さん役もイメージにないのでまあまあかな。宮川一朗太は良かったけど。
エンドロールで流れるCHARAの曲があまりにも場違いでしらけてしまった。
あなたの何気ない日々も、きっと未だ見ぬ誰か未来の人の役に立つのかも?
「武士の献立」と言う題名を聞いて、この映画はもしかしたら、今は亡き森田監督の「武士の家計簿」の二番煎じの様な作品かと、勝手に予測していましたが、とんでもありません、この作品は、もっと骨太なホンモノの時代劇の香りがちゃんとする真面目な時代劇でした。
三谷監督の「清須会議」も森田監督の「武士の家計簿」や「椿三十郎」そして「天地明察」などの作品は、確かに衣装は着物でかつらを付けている。
だから格好は確かに時代劇であっても、単なるコスプレ作品であって、江戸と言うその時代に生きていた人々の人物像が伝わってこない作品ばかりで、リアルでない。
それに、そんな演出をするなら、何故現代劇にしないのか?観ているこちらが、迷うよね。
そんな毛色の時代劇が、現在では普通の時代劇になっていて、まるで平成の今の世の中に生れ、暮している人のマインドとどこも殆んど変化の無いようなキャラクターが描かれる事が多い。それなら、一層の事「ちょんまげプリン」みたいな作品にしたら面白いのだが、そうはいかないらしいね。
さて話を本作に戻して、この「武士の献立」を観ていると確かに、江戸侍なら、こんな考え方をして生きていたかも知れないと言う思い当たるシーンが幾度となく描かれている。
しかし、侍と言う武家社会の有り様も、今日のビジネスマン社会に共通する点が多数有るので、決して他人事では無く、しっかり腑に落ちて納得が出来る感動があるよね。
男の仕事や、将来についての夢、そして初恋の思い出、家族を護る事等々、日常の私達の生活の中の多くの問題と共通するものばかり。
今も昔も、変わらず人間は懸命に生きて来て、そんな先人達の葛藤の末に、汗と苦労の末に成し遂げた、仕事の結果が、今日の世界に誇れる日本食文化の礎を築いたのだね、知らなかったなあ、凄い事だよなぁ~、
加賀の包丁侍達の日々研鑽を積んだ、長い努力の結果が有る一つの伝統料理と言う食文化を形成したと言う感動の物語。
私達が日頃何気なく観聴きし、当たり前に食するリシピや、習慣や、風習など、さりげなく受け継がれている事柄にも、やはり先人達の知恵や苦労の後が忍ばれると言う事は大きな感動だ。
同様に私達が、今何かを成す為に、日々研鑽をしている、その事が、何時の日か、未来を生きる人々の役にたつ事が出来るものを残す事になるのかも知れない。
何だか、明日に希望を託して、今日と言う日を精一杯生きる力が生れて来るような、勇気が貰えた映画でした。試写会会場では、映画終了後拍手も上がりました。
高良健吾もかなり頑張って若侍の意地を魅せてくれました。そして健気な内女の功をしっかり魅せてくれる古狸を上戸彩熱演し、西田敏行や、夏川結衣が脇を固めています。
緒方直人の芝居が観られるのも、何だか久し振りで、懐かしいく楽しい。
でもこの映画考えてみれば、朝原雄三監督作品だ。朝原監督と言えば、釣りバカシリーズのもうベテラン監督だもの、面白くて、人情物を撮らせたら本当に良い映画になるよね。
この監督のデビュー作の「時の輝き」も難病物だけれども、単なるお涙頂戴映画では無くて、良く出来た作品で、私は好きで、3回も観た思い出があります。
朝原監督は、人情物の大船松竹映画、撮影所最期の監督さんと言う事になるのかな?
山田監督の基でばっちり学んだ、今では、数少ない撮影所付きの邦画界ではお宝の中堅監督の朝原監督作品は、やはり安心2重丸の良質作品だ!
お嫁さん候補ナンバーワンです(*^_^*)
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