「カラックス、、惜しい」ホーリー・モーターズ トモさんの映画レビュー(感想・評価)
カラックス、、惜しい
クリックして本文を読む
いくつかのキャラクターを持った虚構の人生と、それを演じる男の現実が交錯する。しかしその境を見分けることが徐々に難しくなってくる。まるで「重なり合う舞台」のような人生観が提示されていたように思う。
それぞれのシーンはとても洗練されていて、見る者を飽きさせない。
しかし、何しろ物語性とエモーションが不足しているが故に、映画の全体に存在感が希薄という印象は拭えない。
カラックスは「デジタルは確かに映像と近いものを生み出しているが、それは映像ではなく単なるフローだ」と語っている。また「映画には映像と映像の間に闇が必要で、そこに原始的な映画の美がある」とも語っている。
この主張が先鋭化されてできたのがこの映画なのだろうか、、。
確かに闇はあった。美もあった。映像は断片的に記憶に残ったが、映画として心には残らなかった。
カラックス惜しい。これではポンヌフは超えられない。
コメントする