言の葉の庭のレビュー・感想・評価
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繊細な感性に嫉妬してしまいました。
一学年に一人かふたりくらいいませんでしたか?
さすがに靴職人目指している人はめったにいませんが、
同学年の仲間とは一定の距離を置いた付き合いで、かといって別に仲が悪いわけではなく、ただ、同学年の友達とは馴染まない別の世界を持っている人。本人は育った環境のせいか、持って生まれた資質なのかわかりませんが、自分としては普通に振舞っているだけなのに、何故か周囲からは一目置かれるというか、理解されないような人。
周りの人からはオトナっぽく見えるので、しっかりした強い人に思われがちですが、実はすごく繊細で傷つきやすく、なぜ、自分のことが理解されないのだろう、と常に人知れず、孤独感を抱いている人。
私自身はごく普通のコドモな子どもだったので、そのような繊細な心理は分かりようもないのですが、この作品はそんな硝子の少年たちにとってはきっと深く共感できる物語りのような気がします。
少なくともいわゆる等身大の少年として素直に共感できる人の方が少ないのかな、と思いました。
自分がもし、10代や20代でこの作品をみたら、違う世界に到達している同世代の若者の存在に対して嫉妬していたと思います。
雨の日には公園へ
ズルイがサイコー!ってか、花澤香菜サイコー!
この映画はズルイ!こんなキラキラした瞬間だけをパッケージングしたら、そりゃあ良い作品になるよ!でも、こんな作品を衒いもなく作り、しかも押し付けがましくない絶妙なバランスになっているのは、間違いなく新海誠監督の為せる技なんだと思う。
ピアノ曲で話を省略していくあたりも「ズルイ」とは思う。が、そこに妙な余韻が残ったりして、作品に深みを出している。「秒速…」でも似たような事をしていたし、新海誠監督の作家性みたいなもんなんだろうね。
DVDで観たんだけど、映像特典が素晴らしいね。特にインタビューがサイコー!新海誠監督の作品造りへのアプローチの仕方や色使い、キャラクター付けとブラッシュアップ、監督の足フェチ説、入野自由の役造りの為のキャラ分析、そして花澤香菜!インタビューの全てが面白い!更にインタビューを見た後で本編を見直すと、また違った映画に見えてくるし、より面白くなる。
ただ、私が花澤香菜の声が好きだから、それに引っ張られてるっていうのは、ある。
なんて雑な映画だ
背景の美麗さを取れば何も残らないどころか、マイナス要素ばかりが目につく。
とにかく全体的に雑。ストーリーの是非は置いておいても(これも個人的には無駄な設定ばかり、キャラクターの性質や行動も極端すぎて感情移入もできず全然面白くはなかったが)演出、カット、展開や台詞回しすべてに安っぽさを感じる。カメラワークにも意図を感じられず適当ぶっこいてるようにすら見え(なんかサブカル系の写真好きが撮った生活空間を切り取った系の謎めいた写真作品みたいなカットが多かった)、キャラクターの演技が大根役者風に映る。大学2年生が撮影した自主制作の短編映画もどきを観ている気分になる…。
監督の思う「なんとなくこういう構図かっこいいだろ?」というオナニーめいた妄想があって、それを描くためにアニメをつくってるような印象を受ける。気持ち悪い。
せっかくしっとりした情緒のある背景が描けるのだから、台詞の量とムダ設定を半分に削ぎ落として、多くを語らずキャラクターの表情の機微や演出で魅せる作品になっていたら、きっと佳作になれたかもしれないのに。
なかなかこんな駄作には巡り会えない。そういった点では貴重なアニメ映画。
純文学
実はこの作品は2回目の鑑賞になります。
1回目のときと変わらない印象だったので、書いてみます。
僕自身は泣く、ということはありませんでした。しかし、手足の先までむず痒くなるような、毛細血管の先まで温かい血が通っていくような、そんな陽光に当たったような感覚に陥りました。不器用な2人が、意図的に情念のたけをぶつけて金網を乗り越えるのではなく、自己と彼との距離を丁寧に測りながら、しかし確かな深くにある自らの気持ちと向き合いながら、雨を契機として少しずつ踏みこんでいく描写は、雨と色彩を供なって脳髄に働きかけてきました。一つ一つの情景描写は、2人の心象とその距離感を如実に反映していて、眼底に染み込んでいきました。
僕が読んだ小説でいえば、吉行大兄の「驟雨」を思い出します。
この作品は純文学的だと思ったので、感想もそれっぽく書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
乱筆乱文失礼いたしました。
雨がちょっと好きになる
まっすぐ歩く勇気をもらえます。
人とは違う道、特殊な夢をもつ高校生が、
夢と現実の間で悩み、現実との壁を作る時、
訳あり風の大人の女性と出会う。
大人になっても逃げる。
上手く歩けなくなる。
人はいくつになっても弱さを持つもの。
夢が叶ってからも、ずっと悩み続けるもの。
完璧じゃない女性との出会いが、
彼が作り出した現実との壁を壊していく。
大人も子どもも、弱さをもつものだから、
どんな時でも心に寄り添ってくれる人が必要と、
そう訴えかけてくる映画でした。
現実味のない設定では、ありますが、
無理やりのハッピーエンドで終わらず、
身の丈に合った恋愛の表現がさらに好感度大でした。
夢に対しての、勉強に対して、
仕事でも、人間関係でも何にでも、
悩みを持つ時、逃げ出したくて仕方なくなる時、見て欲しい映画です。
まっすぐ歩く勇気をもらえます。
美しい雨
雨のシーンが素敵
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