「きちんと「怪獣」な新ハリウッド版!」GODZILLA ゴジラ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
きちんと「怪獣」な新ハリウッド版!
モンスター・ヴァース第1作。
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
ノベライズは未読です。
当時、「ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」から10年ぶりに公開されるゴジラ映画として大変楽しみにしていました。
2014年はゴジラ誕生60周年の記念すべき年にも関わらず、日本純正の新作が公開されないことが寂しかったです。
2年後に待望の日本製である「シン・ゴジラ」が公開されたことで、その雪辱は晴らされたと勝手に思っています(笑)。
今回のハリウッド版ゴジラ、「怪獣」として描かれていたことが嬉しい。さすがギャレス・エドワーズ監督、分かってらっしゃる。幼い頃から怪獣映画を観て育っただけのことはある。
怪獣を台風などの自然災害と同じように捉え、それが引き起こすパニックをリアルに描き出していた点はディザスター・ムービーのようで、ゴジラ映画としては斬新な描写でした。
ゴジラの全身が露わになった瞬間感激に体が震えました。10年ぶりに再会したゴジラは問答無用でカッコ良かった。咆哮に全身が包まれた瞬間、止めどない涙が溢れました。
ですが、デザインに少々不満な点が。正面から見るとそうでもないですが、横から見るとブヨブヨだなと思いました。まるで「アメイジング・スパイダーマン」のリザードみたい。
ゴジラと2体のムートーのサンフランシスコでの最終決戦はVFXを駆使した映像が大迫力でした。ミニチュア特撮では出せない臨場感があったことを認めざるを得ません。
演出意図かCG予算の関係か、怪獣の出し惜しみに焦らされました。それがいざ本格的な登場時の高揚に繋がっていると考えると心憎いですが、それにしてもくどかったです。
ここで若干の苦言を。1954年に行われた核実験はゴジラを倒すためのものだったと云う設定に落胆しました。ゴジラは戦争や核兵器への怒りから生まれた存在なのに…
このように改悪して、己の行いを正当化するのは違うのではないか。自国批判に抵抗があるのは理解出来ますが、ゴジラの根本を定義する内容なだけに、踏襲して欲しかったです。
[余談]
ジャンジラと云う地名はどこから発想したのか、由来が分かりません。と言いつつ日本リスペクトは素直に嬉しい。違和感もありましたが、ハリウッド映画のよくある変な日本描写に比べたら、かなり実際に近い描き方でした。
[以降の鑑賞記録]
2014/08/10:OSシネマズミント神戸(吹替)
2015/02/25:DVD(字幕)
2015/09/25:金曜ロードSHOW!
2016/06/15:Blu-ray(字幕)
2016/07/29:金曜ロードSHOW!
2019/05/28:Blu-ray(字幕)
2020/05/02:WOWOWシネマ(字幕)
2020/06/20:土曜プレミアム
2021/05/11:Amazon Prime Video(字幕)
2021/05/18:Ultra HD Blu-ray(字幕)
2021/06/26:テレビ大阪「シネマスペシャル」
※修正(2024/01/01)
ホントに核実験の件の改変は納得いかなかったです。エメリッヒ版では、フランスの核実験でゴジラ(という名前のトカゲ(笑))が誕生したことになっていましたねぇ…。自国を悪く言うわけにはいかない、ということでしょうか?
1本目はピンでいって欲しかったですが、そもそも怪獣バトル映画のシリーズ化がコンセプトだから、仕方ないですね。
だとすると、メインの一本勝負だけでは物足りなかったですね。
前哨戦でストーリーを作るのがプロレスの常套なのに。
で、もしピンだったら、やはりゴジラの出自にスポットをあてざるを得かったはずです。
そうすると核実験のあんな子供騙しは通用しかったかもしれません。
そこにスポットがあたらないようにサラリと流してますね。
でも、日本人の目はごまかせないぞ❗と。
コメントありがとうございます。
怪獣対決が少なかったのは確かに不満が残りました…。
「キング・オブ・モンスターズ」では怪獣バトルロイヤルが繰り広げられそうで、今から興奮が止まりません!
確かに、焦らすだけ焦らしといて、最期は口移しゲロ攻撃であっさり終わりという怪獣プロレスの少なさに少々ガッカリでした。
そのあたりは「キング·オブ·モンスターズ」に期待しましょう!