GODZILLA ゴジラ : インタビュー
アーロン・テイラー=ジョンソンが明かす「GODZILLA」で涙したシーン
日本が世界に誇る「ゴジラ」のハリウッド映画版を製作するに際し、ギャレス・エドワーズ監督は実力派俳優を結集することを決意する。主演に抜てきされたのは、「キックアス」シリーズで知られるイギリスの若手俳優アーロン・テイラー=ジョンソン。数あるオファーの中から、どのような理由で「GODZILLA」への出演を決意したのか。今後、マーベル映画でヒーローを演じることが決まっているテイラー=ジョンソンに、ニューヨークで取材した。(取材・文/小西未来)
――とてもエモーショナルな作品で、感動しました。
「ありがとう。この映画を見た誰もが感動的な場面を覚えてくれていて、本当に素敵なことだと思う。ギャレス(・エドワーズ監督)っていうのは、クレイジーで狂気に満ちたスペクタクルをどんどん描くのではなく、ときどきあえて間をつくって、繊細な瞬間を描くんだ」。
――あなたの演じるキャラクターは勇敢な決断をしますが、あなた自身はどうですか?
「どうだろうなあ。役者という仕事では、たまに大胆な決断や選択をしなくてはならないときがある。実は、この映画に出演することを決めたのも、最初は戸惑いがあったんだけど、結果的には最良の選択になったと思っているんだ。作品の仕上がりに満足しているし、撮影そのものがとても楽しかった。単なるモンスター映画ではなく、エモーショナルな瞬間がきちんと描かれている。実は、最初の15分ほどで、ブライアン(・クランストン)とジュリエット(・ビノシュ)の場面を見ていたら、涙がこみ上げてきたんだ。このジャンルの映画で、これほどの感動を体験することになるとは思わなかったよ」
――出演を決めたのは、エドワーズ監督に説得されたからですか?
「うん。最初の打ち合わせで、ゴジラは自然のバランスを体現していると教えてくれたんだ。(敵役として登場する)MUTOは、人類の破壊的な性格を体現している。一方、ゴジラは世界のバランスを保つために登場するんだ。現代社会を見てみても、これはとても美しいメタファーだと思う。最初の『ゴジラ』が作られた1954年において、日本は第二次世界大戦から立ち直ろうとしていた。復興のシンボルとなる存在を必要としていたんだろうね。だから、ゴジラにはとても重要な意味が込められている。それから、たくさんの続編が作られていくうちに、街を破壊する恐竜や巨大な爬虫類のようになってしまったこともあったけどね。ギャレスは、この作品でゴジラに新たな命と重要性を吹き込むことに成功したと思う」
――演じるうえで苦労したのはどの点ですか?
「(自分を)アメリカ海軍の人間だと観客の人に信じてもらえるようにすることだね。立ち居振る舞いだけで、軍人的な雰囲気や過去を感じさせるということ。これは本当に難しかった。アメリカの軍人なんて、僕にとってみればNFLのアメリカンフットボール選手と同じくらいに難しいよ。僕が慣れているキャラクターとは、あまりにもかけ離れているんだ。僕としてはたっぷりとトレーニングを積んで、がむしゃらにやるしかなかった。それらしく見えていればいいんだけどね」