「活き活きと描かれたかぐや姫」かぐや姫の物語 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
活き活きと描かれたかぐや姫
本来の竹取物語は第三者の視点で書かれていますが、この映画はタイトルの通りかぐや姫の視点で描かれています。
おじいさんとおばあさんに囲まれ愛され、すくすくと育っていくかぐや姫。
成長と共に自我が芽生え、他の子供たちと同じように笑い、悩み、時には涙して。
登場人物は皆、非常に人間くさく、自然と感情移入することができました。
パワーをもらえるいい映画であると思います。
内容は基本的に竹取物語を沿って作られています。
ほっこりと和む場面もあれば、涙してしまう場面もありました。
淡々と始まり、そろそろ流れに飽きてきてしまう一歩手前で猛烈に盛り上げており、観客に飽きさせない演出力はさすがだと言わずにはいられません。
ジブリといえば宮崎駿さんですが、やはり監督が変われば映像も演出も変わるもの。
ジブリだから、というよりは一つの映画として頭を空っぽにしていったほうが楽しめるかと思います。
あえて余白を残した画面や色数の少なさは淡白のように思えましたが、実際見終わったあとではとてもいい選択肢だと言えます。
動きに合わせてさらさらと動く筆の線は見ていて面白く、描きすぎない表現が想像をさそい、古きよき日本を感じました。
たしかに、小さいお子様には少し難しい内容かもしれません。
複雑な人の心を描いているからです。
試写会でこの映画を拝見しましたが、やはりジブリ、お子様の姿が目立ちました。
終わって会場を眺めてみると涙している子を多々みかけました。
たとえ完全に理解できずとも、何か受け取るものはあるのかもしれませんね。
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