風立ちぬのレビュー・感想・評価
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呪われてたんだな・・・
ドイツも日本も破裂。飛行機を飛ばす夢を追い続けながらも、実際には機関銃を搭載した戦闘機作りという矛盾。だが純粋さゆえに戦争への嫌悪感を持ちながら戦争へ加担していた堀越二郎という設定だ。軽井沢での休養から帰ってきたら、特高から狙われてることが判明するが、戦争反対を唱えてもいないのに何故?と、当時の日本が狂いだしたことを揶揄していたのだろうか。意味深な部分でもあります。
菜緒子とのロマンス部分は堀辰雄の『風立ちぬ』から。飛行機設計のパートよりも印象に残る薄幸の女性だった。結核が不治の病であった戦前の時代だから、その儚い命には純愛を感じさせてはくれる。
どことなく兵器や戦闘シーンなどが多い宮崎作品であるが、宮崎駿自身は憲法改正反対論者で反戦主義。実話として戦争に加担した形となった堀越二郎ではあったが、ゼロ戦が一機も帰って来なかったことを自虐的に皮肉を込めて語っている。宮崎自身の作品をも投影したかのような嫌戦感を思わせる台詞だった。言ってみれば、“反戦映画”という単純なレッテルを嫌った作者が、「反戦のつもりでも戦争に加担してしまうことがあるんだよ」というメッセージを送ってるんじゃないかという気もする。その点ではちょっと不思議な作品。
宮崎駿監督、ありがとうございます。
私の心の中の、今まで意識していなかったところに触れてきて、涙をあふれさせます。
ジブリ作品は大好きでどの作品も何度も観てきました。しかし、嗚咽するほど涙を流して観たのは「風立ちぬ」がはじめてです。
なぜそんなに涙がこぼれてしまうのか。
それは、この物語が他人事ではないからです。
といっても、私はエンジニアでもなく、戦争経験者でもなく、病気でもありません。戦争のない平和な時代に生まれ、小学生のときから自分専用の携帯電話でインターネットをしている世代です。「風立ちぬ」に出てくる人々とは、自分を取り巻く環境が全くと言っていいほど異なっています。
しかし、この物語が描いていることは他人事とは思えないのです。
どの時代にも、夢をもち、何かに没頭して想いをかたちにし、大切な人を時間の許す限り愛し、涙を流し、懸命に生きる人々がいたんだと。そして自分も、そのように生きたい。
健康でも病気でも、どんな性別でも、
どんな仕事をしていても、誰を愛していても、
時間は有限で、みんな日々を懸命に生きねばならない。
そして懸命に生きても、すべて美しくおさまることもない。心血を注いで、光を当てた部分があれば、その影となる部分もある。光とも影ともとれない部分もある。ときには、そういった光りではない部分に苦しむ、しかしそれでも生きなければいけない。
そうやって生きなければならないのは、二郎だけではなく、この世界中の人すべてであり、私もしかり。他人事ではない。
このようなことを私は感じました。
私はふつうに生活しているだけでは
このようなことに気づけませんでした。
このようなことを考えさせてくれた宮崎駿監督に感謝します。
あくまで私見です。
「美しい」
戦争のために造ったわけではないだろうに
個人的には一言で、好き嫌いって判断しづらかった。
こういう人達が居たことを忘れないための映画かなと。
空を飛びたい、でも飛行士には成れない。
ならば、設計士になろう。
すぐに時代に追い越されない飛行機を作りたい。
そういう純粋さだけでは、お金はでない。
世界を観て歩けない。
戦争があるから、資金が出て、飛行機を造れた。
本当は機関銃など積みたくはないが。
矛盾だらけの世の中でも、夢を追った人々は、
まさに夢中になってモノづくりをしてきたんだ。
戦争=死と、モノづくり=生と、相反するものだけど
表裏一体で近代化してきたのかもしれない。
庵野サンの棒読みが辛いw
ジブリの青春アニメですね。
【火垂るの墓】
【おもひでぽろぽろ】
【耳をすませば】
上記のリアリティのあるジブリ作品が好きな方にはウケるかもです。
【となりのトトロ】
【魔女の宅急便】
【もののけ姫】
【千と千尋の神隠し】
上記のファンタジー要素のあるジブリ作品が好きな人には、つまらないかも。
私は後者側なので、つまらなかったですね・・(´・ω・`)
宮崎駿監督の飛行機好きによる自己満作品って印象。
その証拠に主人公の二郎って、なんか自己中に見えます。
自分の好きな事だけ追いかけてて妹は放ったらかしだし
妻に対する愛情も薄いように感じます。
二郎は「美しいものが好き」なだけ。飛行機も妻の見た目も・・。
それに庵野サンの棒読みが気になって物語に入り込めなかった。。
力を尽くして生きる。
宮崎駿の最高傑作。ただただ美しいものを作りたかった。美しいものを見たかった。
宮崎駿といえば、すべての長編アニメーションが、誰かしらの最高傑作になり得る作品ばかりを世に送っている。自分の中で、その頂上に立つのがこの「風立ちぬ」
宮崎駿の言う「堪ふる限りの力を尽くして生きなさい」という言葉が映画では「君の10年を力を尽くして生きなさい」に変わっていた。宮崎駿が、生きてきた人生を堀越二郎に投影して描いていたのではないだろうか。
戦闘機を作るお金があれば、何百人もの子どもを救える。それでも、当時の日本は坂の上の雲を目指し、投資した。戦争は嫌いだが、戦闘機は好きという矛盾。
周りの人から、人間じゃないと思われ続けても、スタッフを怒鳴り散らしてでも、とことん納得のいく作品作りに邁進した宮崎駿に重なる。
風が吹いていれば、生きなくてはいけない。持ち得る10年をどう生きる?という問いかけが、現代に生きる我々には強く重く深く刻まれる。
最後の試験飛行の意味は、何だったんだろう。成功して、遠くの山をじっと見つめる二郎。あの瞬間、菜穂子は亡くなったのだろうが、風がやんだようにも感じた。風がやんだ。力の限り生きなくてよくなったのだ。
堀越二郎の生き方。最後の煉獄のシーン、敗戦の日本。美しいものを作りたかっただけなのに、人を殺し、戦争の道具になった。そして風はやんだ。だからこそ、最後の菜穂子の言葉「あなた生きて」は響くのだ。
生き抜いた。何も残らなかった。それでも、二郎は生きなくてはならないのだから。
アニメーション論
音と声が許せない。
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