風立ちぬのレビュー・感想・評価
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苦しい時代を生き抜こうとする男
主題歌でタイトルだけは知ってはいたが、内容まではわからなかったので、テレビ放送の録画で鑑賞。
飛行機を設計する夢を見ていた二郎の日常と成長を描いており、様々な困難を乗り越えていく姿に感動した。
どんなに苦しくても自分なりに頑張って前向きに生きていくことの大切さが伝わってきた興味深い内容でした。
夢と現実が交錯する興味深い構成でした。
注意してみていなければ、それぞれのシーンが現実なのか夢なのか、区別が付かなくなるところでした。そんな中、当時の時代背景が事細かく描かれ、そこで展開される恋愛模様もまた、この時代独特の純真さが溢れていて、切なくなるほど羨ましい限りでした。ちょっと評判の良くない意見も聞いたのですが、庵野秀明氏のアフレコは嫌味の無いとても純朴な演技で、なかなかどうして悪くなかったと思います。聞いた話、特撮好きで自らウルトラマンを演じた同氏のことですから、大空に憧れる青年役にやり甲斐を感じられたのではないでしょうか。
あと、「オネアミスの翼」と内容的に共通する話だったと思います。「開発費の何分の1かを減らすだけで貧しい人々に温かい食事を」などというセリフを思い出しました。あの映画と同じく、やはり軍事費で無ければお金を出して貰えない、やる気が出ないということなのか。やれやれ、人間というのは困った生き物ですねw
学生時代によく読んだ純愛小説を思いだした
中盤までは正直睡魔を抑えるのが大変だった。
菜穂子との再会から「爽やかな純愛小説路線」がはじまり、昔のピュアな心を懐かしみながら堪能することができた。
しかし、やはり純愛にはサナトリウムはつきものやね。
庵野秀明の声は「淡々とした技術者」をよく表現できていて良かったのではと思う。
何を一番に見せたかったのかイマイチ分からない
アニメーションの完成度は文句なしですが、最近のジブリ作品同様、肝心のストーリー展開や人物描写に関しては焦点がバラけていると言うか、何を一番に見せたかったのかイマイチ分からないものになっています。
そもそも、主人公である堀越二郎氏が「戦闘機・ゼロ戦の設計者」であるという事を知った上で観に来るジブリファンがどれだけいるのでしょうか?そして知らない人に対して堀越氏の半生と偉業をどう伝えたかったのか?その辺が見えないので、単に宮崎駿氏が描きたかったものをツギハギしているだけの自己満足で終わっているように思えます。
他の人の指摘にもあるように、この作品は戦前〜戦中の飛行機開発の苦労を描きたいのか、少年の頃の夢を叶える情熱とサクセスストーリーを描きたいのか、ふたりの悲恋を描きたいのか、震災や戦争により疲弊していく日本の歴史の悲劇を描きたいのか、それぞれ焦点がバラけてまとまりが無く、どれも中途半端な扱いで描き切れていません。
結局、肝心の「ゼロ戦」を制作する過程や戦争の描写はほとんど描かれないまま終了。戦争に突入して行く当時の緊迫した時代背景の変化をきちんと踏まえたうえで、堀越氏の大好きな飛行機を作れる喜びや、その飛行機が戦争に使われる事の苦悩などを描かないと、こちらに訴えかけるものが無いように思えます。
ジブリ作品で一番好き
限られた時間をどう生きるかを考えさせられる大人向きジブリ作品。関東大震災や世界大戦という時代背景と結核という病気や大気自然療法など知ってるかどうかで作品の理解度にかなり影響してくるので皆が楽しめるジブリ作品とは立ち位置が違うけど、夢を実現させる直向さとアニメ映画史上最高に美しい嫁入りシーンなど何度見ても涙腺が破壊されます。賛否両論ある主人公声優問題も庵野氏で本当に良かったと思えてきます。本当に素晴らしい作品をありがとうございます
堀越二郎氏を誤解させる映画
作中に描かれるゼロ戦設計者の堀越二郎氏は、零式艦上戦闘機を設計するにあたって血を吐くほどの努力をされたと聞いています。その動機は、かつて自らが軍国少年だったと自嘲気味に語る宮崎駿氏が本作で描いた「美しい飛行機を作りたい」というようなファンタジックなものであるはずはなく、日本海軍の高すぎる要求性能に応えるべくまさに「戦争に勝つために作り上げた戦闘機」に他なりません。
私は本作の批評本ともいえる小川榮太郎氏の「永遠の0と日本人」を読みました。
宮崎氏の映画は代表作の一つの「風の谷のナウシカ」のように、「現代文明を否定しながらも現代文明をバックボーンにしてしか語れない」という重大な欠点を持つと小川氏は指摘しており、「風立ちぬ」も同種の事実誤認に基づく部分が見られると厳しい指摘をしていましたが、正にその通りだと感じました。
戦争とは凄絶なものです。繰り返してはならないと思うのであればこそ、その悲惨さに迫らなくてどうするのだ、と感じています。
宮崎氏はこの映画で「あの戦争のおかしさを描きたかった」と言っていましたが、そんな正面突破はどこにもなく、「勝つための兵器づくり→美しい飛行機づくり」と趣旨をまるですり替えてファンタジーにしてしまったのは大いに失望しました。
宮崎氏が本当に日本国を憂う人なのであれば、このような作品の作り方は逆にできなかったでしょう。残念な映画の一つです。
テーマソングに泣かされた。 芸術的なシーンのオンパレード。 魅力的...
テーマソングに泣かされた。
芸術的なシーンのオンパレード。
魅力的な登場人物達を観ていたい、聴いていたい、そんな素晴らしい作品。
観るほどに好きになる。
タバコよりワシの感動を返してくれ
誰の同意も得られないけど…終劇すぐの私は、この作品を「君のおかげで何とか人間でいられました。」と書いてある、宮崎駿から自分の妻へ贈ったラブレターのように感じてしまった。涙が止まらず座席を立てずにいる私に「タバコ吸うかね普通(笑)」とパートナーが語りかけ、私の夢は醒めた。ティッシュを投げつけ拾わずに退席、パートナーがなにか言うのを無視して同じ階の共用イスに座りガラス越しの空を眺めていた。その時頭に浮かんだ言葉は「タバコ吸いてぇ」でした(嘘)…空を見ながら、煉獄で二郎を待ち続けた菜穂子が羨ましくもあり、自分にはあの若さはもうないんだと馬鹿なパートナーがやって来るまでの時間で妄想していました。駿さんの奥様とこの映画について少し話してみたくなりました。
菜穂子の命を貰い二郎が完成させた飛行機は「九六式艦上戦闘機」二郎曰く自身会心の作だったとの事です。「風立ちぬ」もやはり宮崎駿監督の会心の作であり、おそらく宮崎駿ベストの完璧な映画です。菜穂子の「生きて」という声に対して、その時々で異なった感想を持つ不思議な映画です。
庵野秀明の幻惑ボイスをディスる野暮な方もいますけど、エヴァQのあと鬱症状が強くなり、会社へ行けなくなった庵野を鈴木Pとパヤオが声のオーディションに強制参加させ、「風立ちぬ」に関わることで心が回復していったという逸話があります。お前らこの逸話でご飯三杯行けない奴はアニメファンじゃねーんだよ。バーカ。という映画です。
話は変わりますが、「九六式艦上戦闘機」の後継機があの「零式艦上戦闘機」であります。ジブリ「風立ちぬ」の後続作品があの「かぐや姫の物語」です。「ゼロ戦」も「かぐや姫」も空前絶後の大傑作ですが、その後の破滅を呼び込んでしまいました。エンジンの脆弱性=日本語使用人口の少なさと思い至ってしまい、気分が暗くなり生きるのが辛い。終わり。
面白かった
君はどう生きるかを見て初めて視聴
面白かった.本当に.
激動の時代,矛盾だらけの世界,それでも生き続けた二郎の半生を描いている.
この作品に明確な落ちはないがそれでも二郎のひたむきさを通してこの作品の伝えたいこと描きたいことがひしひしと伝わった
良作品
作品とを比較するのは好きではないが
おそらく君はどう生きるか とこの作品の伝えたいことは同じだと思う.
その上でこの作品のほうがメッセージ性という意味で高等と感じる
この作品にはそれを語るだけの根拠が随所にある
マニアと夢を共有できるか
これまでのジブリ作品とは別物です。
堀越二郎という人物の半生を描いてるものなので。
人生にはかっちりと
起承転結があるわけじゃない。
だからストーリーがイマイチ、とか
むしろ当然のことです。
ハナから制作側の方向性が違うのです。
問題の堀越二郎。
彼はマニアです。オタクでクリエイターです。
すぐに空想の世界へ軽く飛び越えていってしまう。
飛行機よりなによりそれは早く、
憧れの人とも空想はつながってしまう。
私はその空想などがとても良くて感動したのですが、
実感としてよくわからない、て人も多いだろうとは
思います。
飛行機は戦争の道具だから責任うんぬんというのは
関係ないでしょう。
たとえば人が刺される凶器に使われるのだから
包丁を作るな、とは言わないでしょう。
映画の中でもはっきり説明はしないけど、
理想としては、
美しい飛行機を作って
自分が飛行機を好きだとかきれいだとか感じるのを
他の人にも共有してもらって、
皆が乗るなら素敵だな、と
憧れの人との共有空想で表してます。
後半の恋愛面はむしろ要らないかも?とも思ったけど・・。
美しいと連呼するのは
数学者が数式を「美しい」と表現するのを同じ感覚なのでしょう。
でも一般人から見れば変人。
変人に理解示せるならこの映画好きな気がします。
これが『風立ちぬ』か・・・
『君たちはどう生きるか』を観て、中々面白かったので、そう言えば宮崎さんの前作(監督第12作目)を観ていなかったと思って借りてきました。出だしの躍動感やファンタジー感は宮崎ジブリでしたが、話が進むにつれて「これ、ジブリでやる必要ないんじゃね?」と思ってしまいました。
確かに良い映画だとは思うし、夢のシーンとかは楽しいけど、でも、私が宮﨑ジブリに求めている映画ではなかったですね。
ま、『君たちはどう生きるか』を観ることが出来たし、恐らくあれが最後の作品だろうから、めでたし、めでたし、って感じですね。
久しぶりに「風立ちぬ」を見た。 菜穂子が出て来ただけで涙が止まらな...
久しぶりに「風立ちぬ」を見た。
菜穂子が出て来ただけで涙が止まらない。
この映画は2本が1本になっている。
リアリティーのある飛行機設計と、リアリティーのない菜穂子とのラブロマンス。菜穂子は映画の中でも実在している感じがしない。どちらが主軸だと聞かれたら、主軸なんてそもそも無いのである。
この映画で気付いた特徴が、一度目は決して泣けるシーンではないが、ストーリーを知った2回目以降は号泣してしまうシーンがある。そんな映画は無いのではないかな?
作品は「ゴッドファーザー」の様な描き方である。
ビトーからマイケルにドンを譲るシーンは割愛してある。普通の映画なら有り得ない事である。「風立ちぬ」もストーリー上、大切なシーンはほぼ割愛されている。だからあらすじが言い難い作品である。つまりゴッドファーザーも風立ちぬも、あらすじの中に作品のテーマは無いのである。それが、まとまった簡潔な作品であるが、実は非常に難解で、底の底までの理解は、こちらの知性が問われるのである。
人気は無いが宮崎駿の最高傑作だと思う。
ナウシカでカルチャーショックを受けて、最後の作品が最高傑作だなんて幸せである。
零戦の設計者
ジブリには珍しい事実に基づく話で、零戦を設計した設計者の半生です。
ロマンス部分は少なめですが、そのロマンス部分が、とてもロマンチックで、きっと心を射抜かれるでしょう(笑)
オシャレでロマンチックで、女の人が好きそう(笑)
時代は1920年代がメインで、関東大震災にも触れてます。
チャイナと戦争…満州国つくった…
ってセリフがあったり、反戦的なメッセージも少し感じた。
面白かった。
大人向け。
オススメです。
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