「"好き"をひとつに」風立ちぬ ЯКさんの映画レビュー(感想・評価)
"好き"をひとつに
とてつもない虚無感に映画の後かられて…どこも寄らずに帰宅した。
宮崎監督が何を表現したかったかをじっくり向き合って考えたかったから…。
宣伝期間もすぎ、結局のところ客寄せに至ってしまったタバコ騒動とか引退なんやかや。
そういうのが嫌で、
今時期にようやく観に行きました。
私は、多分ジブリの中では一番衝撃を受けた作品かもしれない。
似た飛行機映画の『紅の豚』では、ここまで入り込んだ衝撃は受けずとも…当時は小学生ながら4回も観に行くくらい好きな作品でしたが(笑)
何より紅の豚ではあまりはっきり描かれなかった恋愛描写。
私は宮崎監督にいつも『恋愛描写が足りないな』とつくづく諦めていたんです。
だからこそ、今作の至る所で愛し合う素敵な描写をまっすぐに描いてくれたことが何より嬉しかった!
今までのジブリでは、男女どちらかの想いばかりを描写しがちで、あまり両者の想いが伝わりにくいスタンツだったのが、
今作では出会いから、再会〜結婚から看病…別れ、すべてに2人の視点からの相手を思いひた走る描写がすごくよかった…
だからこそ 駆け落ちみたいに2人で最後暮らすシーンは印象的で…
キスや抱き合うシーンなんて
まず今までの宮崎作品では見られなかっただけに…かなり衝撃と、若干同様しちゃいましたが…
でもだからこそ
戦火であっても潔く、夢と仕事に打ち込む事が出来るのと
私達、観る側も単なる飛行機大好きなヲタク映画ではないんだと安心して見れるわけで(笑)
でもさすが宮崎さん。
やっぱり機械は精密過大に描写してますね(笑)
軽井沢の自然豊かな風景も素敵でした。
…そんないろんな『好きなもの』に濃縮された作品だなぁって。
とにかく私は
この作品を映画化に踏み切らせてくれた鈴木さん、
そして幻想的で奇々怪々な描写だけではない現実的な『美』を表現してくれた宮崎さんに
心から感謝したいと思います。
そして宮崎さん、
お疲れ様です。
あとはゆっくり余生を満喫してほしいものです。。
ジブリに幸あらんことを…