劇場公開日 2013年7月20日

「宮崎駿という芸術家」風立ちぬ にづきさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0宮崎駿という芸術家

2013年9月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

一度しか観ていませんが、とても素晴らしい映画だと思いました。
自分が芸術に関わっているからでしょうか、カプローニが語る言葉がとても心に残ります。

「想像的人生の持ち時間は10年だ。
芸術家も設計家も同じだ。君の10年を力を尽くして生きなさい」

宮崎駿という偉大な芸術家は、一番これを理解しているのでしょう。
彼がこれまでに何度も引退をほのめかしています。

「君の10年はどうだったかね。」

この言葉を聞いた時に何故か涙がでました。

ああ、これで宮崎駿は芸術の世界を去ってしまうんだな。
本当に最後と決めていたのでしょう。
映画が全体を通して哀愁に満ちていて、今までになく抽象的です。

そんなに万人にウケるように作ってもいないし、高評価を得ようともしていないし、ストーリーを重視してもいない。
ただ、自分の思うままに、美しく人間を描いた、宮崎駿という1人の芸術家の遺書、そんな作品だと思います。

にづき