「賛否分かれる映画だからこそ、良い映画。」風立ちぬ アルビノかじかさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否分かれる映画だからこそ、良い映画。
久々の宮崎監督自身の映画。今までの映画とは違い、監督自身のやりたい事をやった感がある映画の印象を受けました。そう言った意味で、今までのようなエンターテイメント性は薄くはなりつつも、地味ながらも得体の知れぬ底力を感じさせる作品になっています。
ぼ~~っと見てわかりやすく楽しめる作品ではないので小さい子供や客層は選びますが、生産者及びクリエイター系の仕事に携わっている人達には評判がすこぶる良い作品だと思います。
生きるのが大変だった時代だけに、いつどうなるのかわからない。覚悟を決めて生きることを決意した人々は、何とも人間らしく、強く美しく「生きて」いる。
そんな素晴らしい作品でした。
個人的には涙は流さなかったのですが、むしろ劇場を出てからボディーブローの様に、かなり!!キました。創作物を見てこんな気持ちになったのは何十年ぶりか!?
涙は一時の感情で流すものであり、流したあとはスッキリして忘れるものだと自分は思うのですが、「風立ちぬ」は感情よりずっと奥にある、魂を撫でられ、それがピリピリとずっと残るような映画でした。
太い映画でした。おそらくもう一度見にゆくと思います。次は涙を流してしまいそうです。
庵野さんの声ですが、これしかねえだろ!というくらいハマり役と思いました。
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