劇場公開日 2013年7月20日

「ビミョウ」風立ちぬ kiwiさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5ビミョウ

2013年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

メッセージが「生きねば」なのに、主人公が苦労して生き抜こうとしている緊迫感が全くない映画。

美しい飛行機を作りたい、という夢を追い続ける姿勢は素晴らしいが、夢を持つことさえ許されぬまま死んでいった若者たちが大勢いた時代。飛行機の美しさに魅せられてばかりいる主人公の姿は能天気にさえ思えてくる。

ヒロインもどこが魅力的なのかわからない。愛情表現が妙に欧米的。あの時代の日本女性ならば、働く夫の背中を黙って見つめていたはず。仕事中の夫に、手を握り続けるよう懇願する姿にむしろ白けた。

全体的に説得力がない作品。

kiwi
さんのコメント
2013年7月29日

大正から昭和の初期は、ある意味現代よりリベラルな層が存在したことは確かです。
大正デモクラシーという風潮の中”平塚らいてう””与謝野晶子”に代表されるような女性活動家がいたことも事実です。
菜穂子のような上流階級(軽井沢に避暑に出かけ、サナトリウムは八ヶ岳)には、前述のような当時としては自由な気質を持った女性が多かったことは歴史上の事実としてご認識なされたほうがよろしいかと思います。
したがって、その心理的な葛藤に関しての論議は別の場所に譲るとしても、あの行動自体は何ら不自然ではないように感じられます。

鷹