劇場公開日 2013年7月20日

「夢は果てなく、美は儚く」風立ちぬ セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0夢は果てなく、美は儚く

2021年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

一度観た事がありますが、何となくモヤモヤして好きになれない作品でした。
戦争の事とか、病に伏した妻の事とか色々素っ飛ばしてマイペースに夢を見続ける主人公に感情移入出来なかったのだと思います。

初鑑賞から数年経ったので、感じ方も変わっているのでは?と思い、先日金曜ロードショーでやっていたのを観たのですが、あまり印象は変わりませんでした。
あの時代に、飛行機に情熱を注ぐ事に対する悩みや葛藤が伝わってこなくて、彼の心理が読めず、まるで彼自身がファンタジーのようで、何を伝えようとしているのかわかりづらかったです。

彼が夢を見ている影で必死に生きようとする菜穂子の切なさは伝わってきました。
想いを寄せていた人と再会し、恋に落ちて、病と闘う決心をするけれど、自分はもう長くないのだと悟る。残りわずかな命を好きな人のそばで生きたいけれど、衰えていく姿は見せたくなくて...儚くも美しい彼女の覚悟や愛情、強さが心に残りました。

◆追記
他の方のレビューを読ませて頂くと、様々な感想があり面白かったです。監督の想いとか、時代背景とか、モデルとなった人物や小説の事とか、私は何の知識も無く観たので大変勉強になりました。この映画に限った事ではありませんが、自分の心や知識の中に何があるかによって見方が変わってくるのだなと改めて思いました。

セロファン