劇場公開日 2013年5月18日

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「権力者が唱えると怖い「うま~くい~く」」きっと、うまくいく KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5権力者が唱えると怖い「うま~くい~く」

2022年3月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

大晦日にTV放映があり録画していたが、
正直なところ、キネマ旬報でも第24位
(但し、読者選出第7位)との評価だったし、
年齢と共に徐々に長い作品には抵抗が
出て来ていて、観賞を躊躇していた。
しかし、本当に観て良かった、
観ない選択をしなくて良かった、
との鑑賞になった。
無論、心配された長尺も
全く気にならなかった。

私にとってのインド映画と言えば、
サタジット・レイ監督の「大地のうた」
のような死生観溢れる社会啓発ものか、
「ムトゥ踊るマハラジャ」のような
娯楽ものかのイメージがあるが、
この作品は両方の要素を併せ持つ
内容だった。

そして、ここまで心を温かくしてくれた作品
も久しぶりだったかもしれない。

普通ここまで大上段に
正しい生き方や理想論を展開させられたら、
どこか胡散臭くなり現実離れするものだが、
脚本なのか編集なのか、
ウィットを上手く散りばめて
見事良作に仕上げた印象だ。
二人の劣等生が親友の導きで
真の人生選択を得られた時は、
観てる私も嬉しくなり涙が溢れた。

色々な意味合いでの社会啓発性も感じたが、
臨機応変に掃除機を改造しての
赤ちゃん吸入器製作のエピソードは、
現代の商業化された資本主義的生産システム
へのアンチテーゼにも感じた。

娯楽性満載の伝統的インド映画の体裁を
維持しつつも、
国境を越えた
人生における普遍的な理想論を展開させる
監督の器量には大変恐れ入った。

ところで、この映画の邦題名に使われる
「うま~くい~く」の言葉は、
我々が人生の困難時に
唱えているうちは良いが、
隣国への侵攻を指示した某軍事大国の大統領
の決断の呪文になっていなかっただろうか、
と考えると恐ろしい言葉でもある。

KENZO一級建築士事務所
りかさんのコメント
2023年11月11日

すみません、レビューしていませんので。

りか
りかさんのコメント
2023年11月11日

言葉は、如何様にも使えますから。平和な時ところに使わないと。あの出産シーンは、漫画の上をいってましたね😄

りか