凶悪のレビュー・感想・評価
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現実に人間の皮を被った悪魔は居るんだな…
面白いけど、素直に面白いと言いたくないので、★マイナス1。須藤と先生役、ピエールとリリーさんの演技が自然過ぎて凄い。実話を基に…と言うのが恐ろしい。尼崎の事件もそうだが、私たちの知らないところでは、常識ではない事が当たり前のように起こっているのでは?もしかしたら、自分も巻き込まれる事だって有り得るのでは?と観終わってからが恐ろしい。
上映中は、生きている世界、彼らと思考が違い過ぎて「怖い話の映画」でしかないんだけど。私には。
劇中でもコントのようみえてしまったシーンもあった。(焼却炉に入らないってとこ)それも、「怖い話の映画」という感覚からだろうな。
引き込まれるし面白いです。実話と考えてしまうと面白いと言いたくないですが、観て損したと思う事は無い。
須藤の女はどうなったんだろう。あの人も捕まったのでしょうか?
あの人も捕まって欲しい。
リリー•フランキー良い!
リリー•フランキーとピエール瀧がすごい。犯罪者サイドがとても良かった。怖いけれど、もう少し見ていたい、そんな雰囲気。
比べて、記者サイドが弱く写ってしまうのは、可哀想な気もした。
テンポも良いし、面白い映画だったけれど、これが事実を元にしたフィクションだという事を忘れてはならないと、今は感じている…。
凶悪
前半の圧倒的な暴力的描写にドキドキ
そして廃墟のような汚れた家の、恐ろしい物語の始まりを覗く
山田くん、彼の演技、力み過ぎかな? りりぃさんほど力ぬけてないよ
でもでも彼の目力は、演技を超えて、心に刺さりました。
あと、脇を固める役者さん達、すばらしい
白石和子さん 吉村鬼婆実子さん おじい様たち・・・
瀧さんは、刑務所入りした後、もう少しおなか減量して、リアル感出してほしかった残念。 監督様ありがとう。
これは予想以上に凶悪で面白い!
私は、通常主人公が悪人や、犯罪者という設定のドラマは嫌いなのだ。
だがしかし、この作品は文句無く面白かった!
この作品では山田孝之演じる主人公のジャーナリスト自身は決して悪人ではないのだが、事件と関わる中で、彼自身が家庭と仕事との板挟みになり、公私共に追い詰められていく。その過程で、彼の気持ちに変化が生れる。
その変化こそが、この悪人達に付け込まれるような、可能性をはらんだ、誰にでも起こり得るかも知れない危険な香りがする。
そんな同質感を持たせながらドラマが進行して行く面白さに魅かれた。
山田孝之は未だ若い俳優だけれども、彼は多才なキャラをこれまで演じて来た非常に巧い俳優だと思う。この映画のラストも、ぞっとする位、このジャーナリストの心の闇、心情が出ていて良かった。
そして何と言っても、この映画では最高に超不気味で良い芝居が冴えていたのが、先生と呼ばれる、悪徳ブローカーを演じたリリー・フランキーだ。
つい先ごろ公開された「父になる」では、彼は人の良い、人情派の電気屋の親父さんを演じていたが、この映画では、偶然にも、人の良い電気屋の親父に保険金をかけて、自殺に追い込ませると言う逆転の役処には驚かされた。
この小心者の先生と言う人物が、次々とピエール瀧演じる須藤と言うヤクザ者を利用して、殺人をさせていく辺りの、背筋の寒くなるような展開から一瞬も目が離せなかった。
そしてジャーナリズムの持つ正義の意味についても考えさせられたし、個人の正義感や、良心を持続させる境界とは何か?何が人を犯罪へと駆り立てるのか?などなど、人間の心の闇について色々想いを巡らせられる作品だ。
本当に人間の心の中に芽生える憎しみは、初めはちょっとした些細な出来事から、生れるのかも知れない。そしてその小さな憎しみの気持ちが殺意へと変化するのは、そんなに大きな劇的な変化を必要とせずに自然とやって来るのかもしれない。正に誰でも、凶悪になる可能性が有る恐さを感じさせる所にこの作品の面白さが有る。
夏前に公開された「二流小説家」では、いかにも精神を病んだ犯人の犯行の動機の、その異常さに驚嘆したが、この作品では、人の善悪を隔てるボーダーラインの危うさに有り、実は、通常高いと思って信じているそのハードルも案外楽々と凡人でも越えてしまう瞬間がある。そんな恐さが、ミステリー要素の全く無い本作が、心の闇と言う人間の心のミステリアスな真実に踏み込んだ面白さが最高だった。この映画の終映後は、それぞれのキャラクターを通して、人間の善悪、人の心の不思議な力を思わずはいられない!
山田孝之の演技力
山田孝之×ピエール瀧のやり取りが素晴らしかったです。
特に山田孝之はドラマや映画で幅広い役をこなしますが彼が今1番勢いのある俳優さんだと改めて実感するとが出来ました。
日を増す毎にヒゲを伸ばし、髪の毛をボサボサにしたり、また時にはヒゲを剃ったり。外見だけではなくその演技力は素晴らしいものがありました。
この映画は実話を元にしているとのことで本当にあった事件なのかと思うとゾッとします。特に劇中でもありました(詳しくはネタバレになるので伏せます)が山田さんが警察の人に叫ぶシーン。
今の日本には様々な未解決事件があります。その警察の無能さに対して叫ぶ声が凄く響きました。
個人的には同じく警察の無能さを世間に示した「桶川ストーカー殺人事件」も映画化してもらい、同じ記者役を山田孝之にやって頂きたい。
なぜなら、そのような事件を風化させてはいけない。
そこらへんの俳優さんがやると実際におられる被害者の遺族や関係者に余計な哀しみを背負わせることになってしまう。
しかし、山田孝之ならそれすらも許せる演技力がある。そう思っています。
昔、白夜行や世界の中心で愛をさけぶ等多くのドラマで主演していた頃から今や映画がメインとなってしまった山田孝之さんですが、彼の演技力こそ本当に役者が伝えなければいけないモノが隠されているのだと思います。
最後に、長くなりましたがこの映画もそれくらい長いです。恐らく2時間15分くらい。良い意味でですが。
この作品は是非劇場で見てもらいたい。
以上です。
出会ってはいけなかった悪魔が二人
須藤と先生、出会ってはいけなかった悪魔が二人。
ワイドショー的に知っていた事件ですが、殺してなお平気な顔でズルズル続く尊厳の冒とくを突きつけられると本当に恐かったです。
闇に魅入られたかのように取材にのめり込む記者・藤井によって見えてくる凶行。無表情を装いながら揺れる藤井の感情、山田孝之が見事でした。
家族のエピソードはちょっと緊張をそがれる感じもしました。悪魔達は恐いが魅力的で、彼等との対決だけで充分見応えがありました。
ピエール瀧とリリー・フランキーが違うタイプの悪魔を熱演、恐ろしかったです。
どっちも恐いけど、私はピエール滝演じる須藤の、元々地獄の住人みたいな腹のすえっぷりが恐かったです。
物証はほとんどなく、告発者は悪魔の片割れ。こんな事件の裁判員になっちゃったらどうしよう、どうしよう…。
うっかり寝る前に頭に浮かんで、眠れなくなってしまったよ。
ちょっと長い
丁寧なストーリー展開です。
殺害シーンは、内容からくどいシーンになっても不思議ではないのですが、そこはちゃんとくどくないように編集されています。
推理小説の知的展開を望まれる方には、お勧め出来ません。
知性は感じられません。
驚くほど単純な発想で殺人を実行して行きます。
ですが、実際の殺人事件も本当はこの作品のような展開ではないでしょうか。
努力せずに金になる、気に食わないから・・などなど、新聞を読むと何時も感じている殺人の理由を映像化したように思えます。
あなたの周辺の人間が、殺人者に変質するのは、こんなに簡単な事なんですよ・・・と訴えているのかもしれません。
ですが、少々長く感じられ、後15分ほどカット出来る編集にしてくれればより作品が締まったような気がします。
主人公が、力が入りすぎているようで、抜き=絶望の演技が欲しいところです。
脱力感が、深い絶望を表すのではないでしょうか?
なんの感動もないけど
いい映画だと思いました。
この映画は事件を追うにつれて山田孝之やピエール瀧、リリーフランキーの心情の変化を見る映画じゃないかなと思います。
そしてその心情の変化を圧倒的な演技力で表現してくれるためおもしろい。
山田孝之とピエール瀧の面会の場面では、前半は笑っていた山田孝之も後半は殺意があるような目つきでピエール瀧を睨むところや法廷での場面、それとともに山田孝之の家庭内をリアルに描き山田孝之が墜ちてく様を感じとることができると思います。
そしてリリーフランキーとの面会も印象的。
いろいろと見所があるけれど、すべてにおいてこの映画はなんかリアルで怖かったです。
人間の恐ろしさをまともに浴びせてくる
コメディからシリアスドラマ、善人から悪役まで器用にこなす山田孝之はともかくとして、ピエール瀧とリリー・フランキーがここまでやってくれるとは。
この作品は、この3人の成りきり演技と、時系列を巧みに組み立てた編集の上手さに尽きる。
取材が仕事とはいえ、そんなに深追いして大丈夫なのか気が気でなくなる記者の藤井。
自分に着いてくる者には優しいが、疑い深く、人を信じ切れないヤクザの須藤。
小心者のくせに、心の奥にどす黒いものを持つ“先生”。
この3人がトグロを巻くと、人間の恐ろしさをまともに浴びせてくる。
世の中にはとんでもなく悪い奴がいることは確かだが、ここまでストレートに描いた作品は初めてではないか。どこかで自制するものだが、作品そのものが凶悪者のように自制を投げ捨てている。凄い映画を撮ったものだ。
撮影の合間、あの3人がいったいどんな顔で過ごしていたのか見たくなる。
普通人 板子いちまい 犯罪者
今まで見た映画で一番怖ろしい映画でした ピエールさん勿論最悪に恐い
リリーさん心底恐い でも本当に怖ろしいのは電気屋の家族落ちていくくだり
土建屋の親父 皆私たち普通の市民ですよね 幸いわたしの家も山田孝之の
家庭と同じく呆けた親を施設に入れれたけど 本当に持て余した時電気屋に
なる可能性も~ 団塊の世代もその家族も他人事ではない
白石監督若いのによくこんな映画撮ったね
まじめで固い視点で描く異常な事件。
見ながら、やっぱり園子温や北野武は才能があったんだ、と思わざる得なかった。
何を楽しみに観に行ったかと思えば、やっぱり恐怖とそれを超えた笑い、どっちにしろ強い刺激が欲しかったんだけど、初めて見た白石監督は真面目でいい人なんだろうな、と思った。
極悪非道過ぎて笑えてくるようなニュアンスの狙いは外していた。だけでなく、恐怖も感じなかった。記者の背後のドラマは凡庸過ぎて更に不発。狙って成功してないのはなんでだろう。
その前に、雑誌記者が死刑囚と会って回想における事件に突入していくまでが既に退屈。記者の背後としての“家庭の事情”もたいした同情を感じない。事実がどうかはしらないけど、描写が凡庸で緊張感がない。“事実”というのが枷になってるのか、フィクションとしては突き抜けてないし、リアリティドラマとしては装置も見せ方も芝居も驚きがない。ドラマとしては巻き込まれた記者視点で、それこそ「ほんとにあった呪いのビデオ」みたいに見せていったほうが、「怖く」はなったと思うけど、商業映画としてこういったキャストを配しているのなら、やはりフィクションとして突き抜けたかった。いいキャスティングがもったいない。
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