凶悪のレビュー・感想・評価
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犯罪パートと記者パートのギャップ
2005年に雑誌『新潮45』が報じた「上申書殺人事件」をベースに、その取材過程を含めたノンフィクションのルポルタージュ原作をクライムサスペンスとして映画化。
殺人事件で死刑をまぬがれない状況にある受刑者が、別の3つの殺人事件を告発するという、前代未聞の出来事を、事件を過去に遡って明らかにしていくパートと、告発を受けた雑誌記者の取材過程のパートと、2段構成が交互に描かれていく。
本作は、受刑者を演じるピエール瀧と、共犯者であり首謀者である「先生」と呼ばれる男を演じたリリー・フランキーと、この二人の演技が、非常に素晴らしい。正直いって、これまでこの二人にこんな演技を期待したことがなかったが、こんなにハマり役があるとは二人揃ってあるとは、本作を見るまで想像することもなかった。「映画はキャスティングで決まる」と言われるが、まさにこの二人の配役の見事さと、そのハマり役を見事に演じた二人に脱帽である。この二人が演じた殺人犯の役作りは、『復讐するは我にあり』で緒形拳が見せた鬼気迫る演技を魅せられた時の衝撃を思い起こさせる。さすがに、あの時の緒形拳に匹敵するとは言わないが、二人のハマった演技は筆者の記憶に残り続けるだろう。
この2人が殺人や犯罪を犯していくパートが鬼気迫る演技を見せてくれる一方で、山田孝之が演じる記者のパートになると、どうにもカッたるくなる。
そもそも、僕は本作のように事件を解き明かす記者が全面にですぎてる割に、映画的な工夫もないような作品は、あまり好きではない。本作の翌年に公開された『白ゆき姫殺人事件』のように、ミスリードを誘う役割や、間抜けで身勝手な視点という役割を担った狂言回しとして、記者が登場するのは良いと思うが、本作はそういう映画的な役割を与えられていない。要するに、原作の新潮編集部の自慢気が鼻につくのだ。
そもそも、この記者は、取材対象に対してくだらない正義感を振りかざしすぎてる。取材する人間は、もっと取材対象を突き放しているものだ。だから、この記者の取材態度や、裁判での発言、果ては私生活の描写まで、ほとんど共感できない。
この記者パートを、もっと扱いを小さくするか、あるいはもっと映画的に効果あるように構成するかしないと、殺人・犯罪パートの緊張感がぶち壊しだ。
ピエール瀧とリリー・フランキーが素晴らしいだけに、記者パートの出来の悪さが勿体な過ぎる。その2つのギャップが非常に残念。
普通
期待外れ。普通。 リリーフランキーの仕上がりの良さを見るにつけ「俳優」ってなんなんだろう?と思う。 リリーもピエール瀧も有名企業のCMに起用されるちゃんとしたタレントさんなので、画面上に展開される彼らによる悪魔の所業も「これはお芝居なんだ」と思う事で気持ち悪さを軽減しようとする程度に、よくできた怖がらせ系のエンタテイメントだった。 ナイス!
悪に取り憑かれる
悪に取り憑かれる人っているんだと思う。
これ観てると、本当に思いました。
悪は、綺麗なものでも魅了されるものでも無い。
エグいもの。
言葉は悪いですが、
胸くそ悪い気持ちになりましたよ。
見てよかったです。
彼らの犯罪以上に恐ろしいこと
ピエール瀧、リリー・フランキーが本業の役者以上の存在感。
グロテスクなシーンが多過ぎて、鑑賞を続けるのが辛かった。
老人がいつの間にか消えていて、土地やお金が残っている。誰に看取られることもない人々と、残された金に群がる人々。今の日本社会の、どうしようもない側面の空恐ろしさを描いている。
この映画に描かれるような犯罪は絵空事と片付けたとても、老人の介護・福祉といったものでしか雇用を生み出すことの出来ない地方経済は、ここに現れる犯罪者たちと同じく老人たちを食い物にするしかない人々を生み出していく。登場人物たちの残虐性以上に、この社会的な事実にぞっとさせられる。
非日常的に溢れる狂気に酔いしれる
凶悪に徹底的にこだわった作品と言える。
非日常的なバイオレンス、不気味なキャスト、
複雑な感情の発露が全編通じて感じる。
それでも、ただ単にバイオレンスオンリー
ではなく、何となく頷ける部分があるのは
主人公を通して自分にもどこかしら狂気を
有すると言うことかも知れない。
人を殺すと言うこと。
まるでゲームのように軽く執り行われ
生命への尊厳や大切さの欠片もなく、
ただ感情と欲に取り付かれた狂った人々。
観るだけでつらいが惹かれるのも事実。
最後にやはりリリーさんやピエールの
演技は素晴らしかった。
嫌悪感
しか抱かないようなとっても人を嫌いになりそうな映画。
金のためだけに簡単に人を殺していく様が描かれ、そいつらがのうのうと大金を手にし生活する。
怖いのがこれが実際にあった事件ということ。
人間ていうのは本当に恐ろしい生き物だなと思います。
演者さんが凄く良く演じてくれてるから、リアリティがあります。
「面白い」映画ではない。ただ、ただ震えてしまうような、重い映画です。
ゾンビよりよっぽど怖いww
これが実話とは・・
これが本当だったと見てたら・・ ゾッとしたw
人間じゃない・・
どんなにテンション高い状態で見ても
ブルーになるほどのある意味恐ろしい邦画です
亡くなった方々はこれは死刑にしても浮かばれない・・
ほんと・・イカレおやじ!!
ソッコー死刑にしてしまえ!・・ と思って見ていた人は
私だけじゃないのでは。
俳優さんの演技はかなりいいです。
幽霊やゾンビより人間の方が
よっぽど怖いwww
怖いけど。
ハリボテっぽさもありつつ…
怖いシーンではそんなの判別不可能。
目を覆いたくなるような内容では
あったけれど、作品が訴えかけるものは
キャッチできたと思う。
刑務所のガラスのあちらとこちら。
そんなもの隔てるものはないのだ。
わ!残酷な映画!と目を伏せている
私たちは阿呆な顔。
記者がのめり込み取材を重ねる…
わかるわかる…怖いもの見たさと
正義感がたぎってるね。
凶悪な「先生」が「先生」たる所以が
わからない。
お金と言葉を操って人に慕われている様も
見えてこないと「先生」の本当の不気味さは伝わらないのではないか?
恐ろしいけど見てほしい。
ストーリーは重くて決していい気分になる映画ではないのですが、多くの人に見てほしい。
まずは実際の話というところが、震撼する。
藤井の家庭の描写が不要という意見もあったが、昼間に残忍な殺人犯の告白をさんざん聞かされてあの状態の家庭に帰るというところが、ますます陰気な気分に輪をかけるし、逆にあれほど残忍なことをしている2人の家庭は円満だというところが、何とも皮肉。
不気味な音楽や陰鬱な映像もいい。
リリー・フランキーとピエール瀧が強烈に異常な2人を演じ、
主人公の山田孝之はキャラ的には一見普通の会社員なので、下手するとこの2人に全部持って入れてしまうところだが、これがまた素晴らしい。
11段階に分けたという絶妙な心理状態の変化など、計算しつくされてた上での演技だと思うが、どの映画でも本当にこういう人なんじゃないか?と思わせる演技力はさすが!
凶悪犯2人だけでなく、山田さんの演技ももっと評価されていいと思うし、山田さんにオファーした白石監督はさすが。
若い監督の今後が楽しみです。
オラフと同一人物?!
もう吐き気がするほどのシーンが多々でてきて、本来なら目を背けたいんですが、この極悪人がオラフの人?!オラフの声だと感じさせるところを何とか見つけようと、食い入るように見てしまいました。
そういう視点では、リリーフランキーさんも「そして父になる」とのギャップがすごいですし、同一人物とはとても思えない、豹変する役者さんたちの演技力に目が釘付けになります。
だから、見れるんですよね〜
俺を1番殺したいのは、、、
誰も知られてない3つの事件の真相を探ることとなった、ジャーナリストの藤井(山田孝之)が事件の真相を探っていくにつれて、自分自身が引き込まれていく姿がなんともいえない◎!
先生演じるリリーさんもバッチリはまっていた。
最後の先生と藤井の面会シーンは、すっきりさせてくれる終わり方。
ブッこんじゃうか!?
ノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」を原作とする本作。
実録犯罪モノとしては映画「冷たい熱帯魚」に通じるものがあります。
本作、兎にも角にもキャラが濃い。
須藤役のピエール瀧。
粗暴さと同時に愛嬌があり、須藤の不思議な、アウトロー的な魅力がよく出ていました。
暴力シーンは凶悪そのもの。
無頼寿司の梅さんの恍けた姿とは対極の姿。
非常に怖かった。
そして、「先生」役のリリーフランキー。
この胡散臭さを出せるのは、この人しかいないのでは?
と思わせる程に胡散臭かった。
場面場面でヒョッコリ姿を現す陰湿な凶悪さは直接的な暴力を担う須藤とは別な怖さを持っていました。
ただ単なる暴力を行使する話ではなく所々に会話の妙というか、思わずクスッとするような面白さもありました。
特に、焼却炉での須藤と「先生」の遣り取り。
凄惨な場面なのに思わず笑ってしまいました。
あとは死体遺棄時の死体への演技(?)指導。
そして、須藤の口癖「ブッこんじゃうか」。
映画「冷たい熱帯魚」の中の『透明にする』並みに使いたくなるワードでした。
話の作りも時系列を崩す作りになっており、徐々にピースが当てはまる感じが良かったです。
冒頭のシーンは須藤の暴力的な凶悪さを説明する役割も担いつつ同時に状況の不透明さがあり話に惹きこまれました。
また、後半の須藤の言動の違和感も面白かったです。
全く爽快感は無いものの暗い面白さのある本作。
映画「冷たい熱帯魚」が好きな方。
オススメです。
こういう根からおかしい奴っている
こういう根からおかしい奴って存在するが、そういうやつって
基準が異なるから「まさか悪いことと思わない」んだな。
まあしかし「須藤」も「先生」もどこまでも利己的でご都合主義なんだな。おぞましいわ。
こんなやつはいること、まともに対峙してはダメなことを再認識した。
「主人公もこれはこれで凶悪だ」と言いたいみたいだが、明らかに次元が異なるよ。
最悪の映画
監督、演者の思惑通り?言葉は悪いけど胸くそ悪い映画だった。
リリーフランキーとピエール瀧の二人の演技は心底楽しんで演じている様にしか見えなかった。そこが最後まで気持ち悪く、何を伝えたい映画なのか全く分からなかった。
そもそも、実際にあった残虐な事件をモデルにした映画と知りながら面白半分に借りたのがいけなかった。
後味わるー
この手の映画はホラー映画の「怖いもの見たさ」に通じる
ラスト付近の「楽しかったんでしょ?」
は視聴者に対する言葉だろう
魅入ってしまったがいつも後悔するなー
昼に観た「ディズニーとの約束」で心が洗われたが、また汚れた感じがした
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