凶悪のレビュー・感想・評価
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こういう根からおかしい奴っている
こういう根からおかしい奴って存在するが、そういうやつって
基準が異なるから「まさか悪いことと思わない」んだな。
まあしかし「須藤」も「先生」もどこまでも利己的でご都合主義なんだな。おぞましいわ。
こんなやつはいること、まともに対峙してはダメなことを再認識した。
「主人公もこれはこれで凶悪だ」と言いたいみたいだが、明らかに次元が異なるよ。
リリーフランキーの魅力
Netflix「地面師たち」つながりで。
これが実話ベースなんて。すごいね。
須藤の告発に引き込まれ、家庭をほったらかしてのめり込んでいく藤井。
暴力・カネ・クスリ、、いかにもヤクザな須藤。
一見穏やかそうにみえて、笑いながら虐待したり、楽しそうに死体を燃やしたりする先生。
キャスティングがハマっていて、さすがの演技でした。
牛場の家族と藤井の家族が対になっていたり
「神様は生きて罪を償えといった」や
藤井が木村と面会するラストシーン、
味わい深かったです。
さて、
地面師たちのキャスティング、凶悪インスパイアなんでしょうか?
松岡依都美、五頭岳夫までかぶっていて驚きました。
映画とは
あまりに生々しく壮絶な彼らの普段。
それを我々の普段と重ねて魅せてくる。
お酒を飲まして殺すシーンはどんな死体解体場面よりも、血飛沫が画面を覆う場面よりも、親が子を犯すシーンよりも、倫理的にも道徳的にも最低最悪。
この場面を撮れるのは日本をおいて他にはない。
後半の満足度は下がるもののそのシーンまで至る経緯の描写が完璧。なんと素晴らしい映画か。いや映画なのかこれは。もはや観るものどん底に叩き落とす映画ではないなにかではないかと思うほど凶悪。
視聴は軽く50回を超えているが観るたびに狂気がこだまとなり日常を蝕む。
「これ」は世界に羽ばたくべきもの。
ノンフィクションをフィクション化して伝えたかったこと
随分前にTVで見た記憶があるものの、それを忘れて再度見た。
これは、ノンフィクションを作品化したことで何が本当の「凶悪」なのかを明確にしているのだろうと思った。
それは木村が藤井に向かって言うセリフ「私を殺したいと一番強く願っているのは、被害者でも須藤でもない」
それはつまり人に対する「断罪意識」そのものであり、それこそがこの作品が伝えたかった「凶悪」の正体であり根源なのだろう。
作品のこの主張を広角的視野で見れば、それはマスメディア全体について言えるのかもしれないが、作中のメディアが追いかけているのはゴシップばかりで、おおよそジャーナリズムというべき要素は見当たらない。
しかし、藤井記者一人に絞りこめばそれは、彼自身が持つ「脅迫的概念」であり、それこそが凶悪の根源だと思われる。
生活資金の問題のある牛場一家。彼らは借金の原因の父に保険金を掛け自然死を待ったものの、しつこく生きているので保険金を掛け続けられなくなったことで、「先生」に依頼した。
この構図と母を施設に入れる構図はそんなに違うのだろうか? この部分はオブラートに包みこむように作品が訴えていることのように感じた。母を施設に入れることができない藤井の考える「正しさ」の境界線のようなものがそこにあるのを感じる。
視聴者的俯瞰で見れば藤井の仕事、家庭、それぞれ天秤にかけているのが伺える。思っている以外のことはしたくないのだろう。それが正しい、自分は正しい、妻の限界を超えるまで手を付けない。記事が売れたのは良かったが、「まだ事件は何も終わってなんかない」とデスクに吠える始末だ。この彼の脅迫的使命感こそがこの作品が伝えたい「凶悪」の根源だ。
実在した事件、死刑囚が告白した未認知事件。その凶悪性と匹敵する「根源」があることを制作者は気づいたのかもしれない。
そこにある違いは単に「法律」だけだ。
法があるから法治国家だが、その法を根拠に人を「断罪」することができる。
木村は確かに高齢者を「油田」に見立て、金を産む道具にした。人を何人も殺した。殺させた。彼は自分のしたことを理解しているし、それがどれだけ「凶悪」なのかも理解している。
そして、それを暴き出し断罪しようと血ナマコになって追いかける藤井の執念を見て、それを自分と同じ「凶悪」だと言い当てた。言い当てたという言い方が正しいように思う。
木村にはない種類の「凶悪」さを藤井に見て取ったのだ。同時に法のあるなししか違いのないことも汲み取ったのだろう。
藤井には痴ほう症の母がいる。その面倒を四六時中見ているのは妻だ。
藤井は妻に言う「この記事で犯人が逮捕され刑を受ければ、亡くなった方々の魂が報われる」 しかし妻は言い返す「私は生きているの!」
妻は言う「ずっと前からお母さんを殴っているの。もう罪悪感を感じない。自分だけはそんな人間じゃないと思っていたけど」
仕事という正義 誰もが家族に対していい訳に使う言葉「仕事だから」 記事を読んだ妻が「こんな取材が面白くて仕方なかったんでしょ」
妻の言葉に大声で怒鳴る藤井。
藤井家族の中に法に抵触することはないが、それらをすべて誰かに押し付け棚に上げ、家族・知人にまったく関係のない出来事を発掘するようにあぶりだし、法を武器にその誰かを断罪するという行為は、もしかしたら「凶悪」なのかもしれない。
あの木村の最後のセリフに込めらたことこそがこの作品のテーマであるならば、凶悪は昨今頻繁に取り上げられる「視聴者動画」の中にこびりついているような気がしてならない。
ハードボイルドなテイストかと思いきや、、その裏切りがリアリティを加速
てっきりもっとハードボイルドな作品かと思ったら、トントン…と心に突き刺してくる、ドラマ的な作品。 白石和彌の出世作にして色褪せない魅力を持っている。
『日本で一番悪い奴ら』で白石監督に出会ったものの、今まで通って来なかったこの作品。実話をベースに、人間のおぞましさを炙り出す。それが意外にも静かに蝕んで行く感じが印象的で、こう描くのかと。ただ、ミイラ取りがミイラになる様に、何かに駆られながら周りも見えなくなっていく姿を他人事として見られない。なぜならその好奇心で観ているのは否定できないからだ。
なんとも恐ろしい話だが、これもまた実話なのが恐ろしい。枠に縛られず期待に答えていく白石監督だが、エロスもグロテスクも時折入れつつ、作品のトーンを変えない辺りが上手い。2部に編成された作品の軸がことの重みを引き出しており、なんとも言えない痛みを与えてくる。須藤の傾倒もゾクッとしたし。
主演は山田孝之さん。あえてジャーナリストにしている部分もまた共感性を感じさせる。正義を振りかざす快感には叶わない。例えそれが周りの犠牲となっても。深刻に描きすぎず、一定の距離感で描いている辺りがまたなんとも切ない。
完全な蛇足だが、ピエール瀧さんは薬のシーンをどう受け止めて演技していたのだろうか。もちろんダメな事ではあるが、覚悟がとにかく凄かった。迫力は圧巻。観られ続けるのも納得の作品だった。
映画は主人公がクズ夫・・・
映画そのものは面白いのだが、母親の介護を妻に押しつけたまま、妻が疲れ切って何度も限界だと訴えているのに何もしない主人公がクズすぎて、正直事件どころではないし彼の語る正義は何も響かなかった…。原作未読だが映画オリジナル設定だとしたら意味があったのか??
自分は死刑存続派だが、死刑反対派の人が観たらどう思うんだろうな。
私利私欲金目当ての連続殺人犯やレイプ犯なんて、正直税金使って無期懲役で生かしておくのももったいないから死刑がダメなら無人島に島流しにして欲しいくらいなのだが。
目を背けたくなるようなリリー・フランキーの暴力描写を見て、白石和彌監督が若松孝二に師事していたと聞いて納得。
原作、読んだような、読まなかったような(笑) この手のジャンルは大...
原作、読んだような、読まなかったような(笑)
この手のジャンルは大好物です。実話ベース。かなり忠実に再現されている感じ。山田孝之演じる記者の怒りは当然、こんな奴ら生きていてはイカンのです。
ぜひ見て衝撃を受けて欲しい作品です。
目を背けたいのに
場面が進むにつれて、ジリジリと増していく不快感。
案外、グロシーンは少なめなのに目を背けたくなる。
目を背けたいのに見ていたい。
自分がこの映画に取り憑かれ魅せられてる状態と、主人公が事件にのめり込んでいく様子がシンクロするようで、不思議な感覚になった。
役者陣の実力の高さも作品の魅力の一つ。
キャストの中で"こいつ出るシーン、シラけるんだよな"って人がいないの凄い。
重みがすごすぎる。
人ってここまで残酷になれるんだな。
詳しくは調べたくもないがテーマやメッセージを伝えるには十分すぎるくらいの描写でした。
こういう作品慣れてるから大丈夫かな、と思ってみた自分がバカでした。
視聴は自己責任でお願いします。
リリー・フランキーがリアルだ
はじめなんでトミーズ雅が出てるのかと思ったけど、よく調べてみるとピエール瀧だった。リリー・フランキーって実生活でもこんな感じじゃないのかなと思った。妙に優しそうな声をしてるけど怖い。池脇千鶴もいい演技してると思う。うざくて嫌味なしゃべり方がリアルすぎる。無名の脇役俳優に早稲田とか阪大出身の人もいてこの二人もいい縁起や見た目をしている。この作品はリアルの事件を扱ったものらしいですが事件が起きた頃から日本は完全にオワコン化していったと思う(情けない)。
何度見ても
何回見てもおもしろい、見るたびに印象が変わる映画です。
主役3人の演技は完全にキャラクターに憑依しちゃってるんですが、脇役の演技もすごい。牛場の爺ちゃんとその家族なんてほんとに存在しそう。いや、存在したんですよね、この事件。。いやーーこわい!でも一番見応えあるシーンでした。長い長い長いッ!ながいよ先生!
見るべき所が多いけどその分拡散しているという印象。テーマはシークレ...
見るべき所が多いけどその分拡散しているという印象。テーマはシークレットサンシャイン、冷たい熱帯魚辺りに近い。あそこまで深く掘り下げてないけど。題材は攻殻SSSと近いかな。家庭の描写はノイズな気がしてたけどあちらとこちらが地続きであることを分かりやすく示す為には必要ですね。
山田孝之は雑誌の記者。 編集部に届いた死刑囚(ピエール瀧)からの手紙がきっかけで取材を始めることになった。
動画配信で映画「凶悪」を見た。
劇場公開日:2013年9月21日
2013年製作/128分/R15+/日本
配給:日活
山田孝之
ピエール瀧
リリー・フランキー
池脇千鶴
吉村実子
小林且弥
斉藤悠
範田紗々
米村亮太朗
松岡依都美
村岡希美
九十九一
題材となったのは、新潮45編集部編『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(新潮文庫)
「上申書殺人事件」は
「石岡市焼却事件」、
「北茨城市生き埋め事件」、
「日立市ウォッカ事件」の3つの事件の総称。
山田孝之は雑誌の記者。
編集部に届いた死刑囚(ピエール瀧)からの手紙がきっかけで取材を始めることになった。
ピエール瀧はヤクザ。
人をいとも簡単に殺す。
被害者の老人たちや自分の舎弟たちの命もなんとも思っていない。
リリー・フランキーは老人を殺して、その人たちの土地や財産を自分のものにしていた。
九十九一は身寄りのない老人を探してリリー・フランキーに紹介。
範田紗々はアダルトビデオそのままの艶技。
この事件の取材に夢中になった山田孝之はアルツハイマー症の母親を妻(池脇千鶴)にまかせっきりになり離婚を切り出される。
この映画の事件の内容がほとんど実話だということに怖さと恐ろしさを感じてしまう。
エンターテイメント作品としては上々の出来で、
公開時はロングランとなり、
多くの映画賞も受賞している。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
重すぎて憂鬱
「凶悪」は2013年9月21日公開の日本の犯罪映画である。1999年に実際に起きた「上申書殺人事件」を基にしている。
いや〜重いですね〜。重くて暗くて見てて憂鬱になります。まぁ、実話といえどところどころ、盛り上げて欲しいところです。それが"作品"を作り上げる監督の見せ場じゃないでしょうか。視聴者がこの暗さについていけるのか心配です。
さて本作のタイトルの「凶悪」ですが、これは殺人犯の須藤や木村はもちろん、主人公の藤井、そして嫁、保険金殺人を委託した家族など、、それぞれに言えることやと思うんですよね。ようは人間の本心には悪が宿ってるんですよということをこの映画を通してメッセージとして伝えています。人間、誰しも凶悪な心を持っているみたいです。
リリーフランキーのサイコパスな演技が素晴らしかったなぁ〜。ほんと器用な人だ。
駄作
原作を既に読んだ人は、見るだけ時間の無駄。原作を100点としたら映画は20点。
事件を追う記者の家族がなぜか超不幸な設定で、記者の妻に対する理不尽な態度にイライラさせらた。この映画は闇しかない。記者の家庭が闇、出版社の登場人物も闇、全般通して闇しかない。せめて記者の家庭は小さな幸せのある家庭の設定にした方が、凶悪事件との対比でインパクトのある映画になったと思う。原作に無い演出の部分がダメダメです。
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