「豪華な舞台設定。」アンナ・カレーニナ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
豪華な舞台設定。
いよいよJ・ロウも自毛で勝負するという暴挙に出たか…!
なんてバカなことまで考えてしまった(ゴメンなさい)
文豪トルストイの長編ラブロマン…にして、しかしもう彼は
主演俳優(でもあるけど、老いた方だし)を退く歳になったかと、
複雑な想いを抱きながらボ~っと見つめてしまった私^^;
相変らず重苦しい演技に向いている風貌と、冷たい奴なのか
優しい奴なのか分からない微笑み方なんかにはゾクゾクする。
A・ジョンソンはなぜ彼が「キック・アス」なの?と過去を呪いたく
なるような顔と役柄の拓き方が気になって仕方ない俳優だけど、
まぁいいオトコなのは認めたくなる整合性と若さがある!うん。
私はオバサンだからこっちにはもう靡かないなぁ(ナニ言ってる)
と思いながら、でも実際の年上妻は靡いちゃったワケですから^^;
これからもバンバン売りだされるんでしょうねぇ。
K・ナイトレイの美しさは皆さんが絶賛しているんですけども、
確かにコスチュームプレイに於いては右に出るものがないほど
最近では絢爛な役どころが多い。演技力も申し分ないのだけど、
どうも私にはあの口がいつも半開きなのが気になって仕方なく、
彼女を見るとやたら口を閉じたくなってしまうのだ^^;貴婦人が
口を半開きはないだろう。アレ開いてるわけではないのかなぁ。
顎がああいう形なんだろうか(ゴメンなさい、しつこい性格でして)
今作でのアンナも美しさでは申し分ないのだけど、どう見ても
ロシア人の様には見えないんだよなぁ。線もグッと細いしねぇ。
まぁそれぞれの役者の個性はおいといて、
今作は面白い試みが為されており、舞台とロケを併用した光景を
楽しむことができる。アンナがよろめく社交界は舞台劇がメイン、
リョーヴィンが働く田舎ではロケがメイン、競馬までも舞台中で
やるという演出がエラく斬新!観ていてエッ?とは思うんだけど
なるほど、そういう構成にしてあるのか~と演出技に感服しまくり。
そもそもアンナとヴロンスキーの不倫劇にまったく同情の余地が
ないため^^;可哀想なリョービン!頑張れリョービン!!といった
妙な応援感覚で最後まで観ることになった。しかしリョービン君、
キティがアナタの本質に気付いて本当に良かった、報われたねぇ。
彼女が義兄の身体を拭くところなんか、よくぞここまでと思うほど
彼女の成長が見てとれて嬉しくなった。反面、アンナの悲劇が
より色を増すんだけどね…。身勝手にも程がある。のはやはり、
女として生きるか、母として生きるか、の選択を誤った時なのかな。
重苦しい文芸大作とはいえ、衣装をはじめ、見所は満載。
好き嫌いは大いに分かれそうな仕上がりだけど、豪華さはピカ一。
(リョービン演じたドーナルってB・グリーソンの息子!?似てない)