世界にひとつのプレイブックのレビュー・感想・評価
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ありきたりの日常を過ごせることに感謝
パットとティファニーだけじゃないんだね。イっちゃってるのは。そこがベースです、この物語。
失業してノミ屋をはじめて負け続けの地元チームに全賭けするオヤジ。家族として機能していない一家の揉め事をまったく見ないことにする母親。弟の触られなくない部分を平気で触る兄貴。職を失った友達の財産を根こそぎ持ってくような賭けに応じるオヤジの友達。恐妻家の友達。ハゲ教師と不倫しておいてさも自分だけが被害者然とした態度をとる元嫁ニッキ。みんなおかしい。
ストーリーは王道の展開ですすんでいくので、どこも新しいところはない。でも、これら一連の騒ぎが自分達自身に降りかかったことだと想像してみると、こんなにいろいろなことが起こっているのに、彼等と彼等の街は普通の朝を平気で迎えている。平然と。
ありえないでしょ。
オヤジ、ノミ屋やるっていってんのに誰も止めないんだよ。元嫁がやっと登場したときのあの無機質感って何?ニッキも相当やばい。
はじめはガヤがヤガチャガチャ騒々しいなー、と思っていたはずなのにいつのまにか「ティファニーがんばれ、パット早く気が付けよお」ってなって、最後はほわーってなってあったかくなってみんなしあわせ。
最高だった
精神を病んでいる人の話か~と引き気味で見ていたんだけど、最終的に主演の二人をとても好きになった。ブラッドリー・クーパーの意外とまじめなところにとても好感が持てて、ジェニファー・ローレンスの健気なところがとてもかわいかった。ダンスシーンが素晴らしかったし、高得点を目指さないところにスリルを描いていて、とてもセンスを感じた。音楽もとてもよかった。
(追記)
東京で見て、地元の新潟でも上映するとの事でまた見に行ったらやはり大感動して泣いてしまった。
二人が、何かきっかけがあって劇的に回復するのではなく、日々の積み重ねで徐々に回復している様子がとても丁寧に描かれていた事に気づいた。その最たるものが懸命に取り組んだダンスコンテストで、あそこで二人のお互いへの思いがダンスで非常に表現されているのも素晴らしかった。たとえそれがかりそめの思いであったとしても、あの瞬間は誰も立ち入ることはできない完ぺきな二人の世界だった。
オレは精神をそれほど病んでいなくて、病院に行ったり薬を飲んだりもしていない。しかし、「病気だからなんだというのだ、まともぶっているお前らだって大差あるか」と馬鹿にする人に対して文句を言いたい気分になった。
ただフットボールの試合が音声だけで映像がなかったのはちょっと寂しかった。そこでも興奮したかった。
何が良いのかわからん!!
アカデミ-賞を獲ったので、泣ける映画なのかと思ったら、バカバカしい内容でした。こんなんで、精神に異常を来たしているなんて、暇人なのかよと思ってしまう。生きるために必死に働いて、悩んでいる余裕なんてないです。全く共感できませんでした。でも、日本も最近、うつ病患者とか多いですね。子供の頃から苦労していないから、大人社会の厳しさに対応出来ない人が多すぎる。気が小さくて、依存心の強い人は、周りが迷惑だから困る。良かったのは、デニ-ロのダメ親父っぷりだけでした。
デ・ニーロを黙らせた女優。
今回のアカデミー賞では、J・ローレンスが主演女優賞を獲得。
まだ総ての作品を観た訳ではないので、何とも言い難いけど、
観た中ではこれが一番良かったかもしれない。
馴染みのないタイトルにデ・ニーロ御大を除いて地味なキャスト。
それが演技部門で全部ノミネートっていうのはどういうことか?
色々浮かんだモヤモヤと全ての疑問は、鑑賞後にスッと消えた。
精神躁鬱という主人公をどこかおかしい家族が支えている。
妻の浮気に端を発した夫の逆切れ騒ぎは裁判で異常と見なされ、
物語は治療を終えた彼が、実家に戻ってくるところから始まる。
そもそもここで思うのは、事件は彼の妻が同僚を家に招き入れ、
バスルームでその同僚と、こともあろうに二人の結婚式で使った
S・ワンダーの名曲を流しながら情事に耽った、というものだが
ブチ切れた夫が同僚を殴ったという罪状のみ、それって妻の方は
悪くないのかよ?っていう疑問。
彼が父親譲りの(デ・ニーロね)短気で怒りっぽい性格とはいえ、
だったらその妻(やたら出てくるニッキという名前)の方だって、
自宅で夫を裏切った訳でしょ?しかもあの曲使いやがって!(怒)と
彼のナンバーが好きな私は、まさかこの曲が主人公のトラウマとは
思ってなかったので、ややブチ切れそうになった。危ない^^;
この一件で彼は全てを失ってしまう。
一切の過去を振り切って、新たな人生を始めるべきと促す周囲に対し
妻への思慕(というより執念だな、これは)に固執する主人公パット。
躁鬱の症状(薬を飲まないから)が悪化して、周囲に迷惑をかけまくる。
そんな中、近所に住むティファニーという女性と出逢い、これまた
非常にエキセントリックな彼女に振り回されたあげく、妻との再会を
条件にダンス選手権への出場を促されるのだったが…。
まずはB・クーパーの、てんでおかしな演技と個性的な格好に笑える。
一見いいヤツに見えるのだが、キレるとハンパなく暴れまわる。
それが博打に狂う父親譲りだと分かるのだが、では母親はというと、
そんな夫と息子に振り回されつつ見守り役に徹している。
長男のみが災害を逃れ(爆)事業で成功しているようだが、こんな一家
なのにやけに仲は良い。完治していない息子を試合に行かせるなど、
この父親のやっていることにはまったく共感できないのだが、
子育てに失敗したー!と思っている親ってこういうケースが多いのね。
自分が悪かった、なんて思いながら結局は子供に依存して、どんどん
その子を悪循環に陥れている。子供の方も、親に悪いと思いながらも
自立しようと懸命なワケでしょ。離れよう自立しようとしている息子を
どうしてそっとしておいてやれないの!ってこっちまでイライラしてくる。
で、そこへシャキーン☆と登場するのが主演女優賞のJ・ローレンス。
御歳22歳だって?まったく見えない。もの凄い貫録と低トーンボイスに
かのデ・ニーロが完全にしてやられます。この場面はすっごい見もの!!
もう私の中では、あのデ・ニーロを黙らせた女優。ってことで、
ジェニファーは永遠に記憶されました。まぁ素晴らしいことこの上ない。
結局この物語にはどこにも完璧な人間が登場していなくて、
一見そう見えるパットの友人夫婦も、蓋を開ければ不満と問題だらけ。
自分の気持ちに忠実になることなんて、大人になったら簡単にできない、
常に周囲の期待と共感を得るのに必死になるけど、本当の幸せってのは
そんなところに転がってないんだよね。
今作でキーとなるのが、サインに気付いて。見逃さないで。ということに
なるんだけど、パットとティファニーにはすでに冒頭でこのサインが見える。
似た者同士とは言わないが、こういう直感的なものが恋愛には必須条件。
感じたものを打ち消そうとするから、この二人は常に摩擦状態になるのだ。
ニッキに執念を燃やすパットには、その状態が把握できず、業を煮やした
ティファニーがある作戦を提示して、やっと上手くいくかと思った矢先…。
あれほどデ・ニーロを言い負かしたジェニファーの、いかにも女の子らしい
演技が、最後の最後でやっと観られる。
ホントにあなたお幾つ?と聞きたくなるくらい、あの貫録にしてやられる。
B・クーパーも劇中で言ってたっけね、「きみ、いくつだ?」って^^;
子供と思って相手をしたら、いつの間にかおふくろさんになっちゃうタイプ。
(最後のキスシーンはやっぱり歳の差を感じたかな、いくらジェニファーでも)
定番ストーリーだがキャストにやられた!
辛い過去を引きずる男女が出会い、結ばれるまでを描く、といってしまえばそれまでだが、超攻撃的な主役二人に目が釘付けになる。なんといっても、ジェニファー・ローレンスがセクシーでチャーミング。目の色が青でなく黒だったら、ストライクゾーンど真ん中だ。パット役もかっこいいし、デ・ニーロの父親もいい味出してる。ジェニファー・ローレンスはアカデミー主演女優賞受賞。
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