世界にひとつのプレイブック インタビュー: ブラッドリー・クーパー、主演に指名してくれたロバート・デ・ニーロに感謝

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世界にひとつのプレイブック

劇場公開日 2013年2月22日
2013年2月20日更新
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ブラッドリー・クーパー、主演に指名してくれたロバート・デ・ニーロに感謝

アクターズ・スタジオ在籍中、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」への出演をきっかけに俳優デビューしたブラッドリー・クーパー。「エイリアス」「ウエディング・クラッシャーズ」といったターニングポイントを経て、大ヒットコメディ「ハングオーバー!」シリーズのイケメン不良教師フィル役で、人気スターの仲間入りを果たした。初めて脚本を読んだとき身震いしたという新作「世界にひとつのプレイブック」で、ついに初のアカデミー賞ノミネート。本作は、心のバランスを崩した男女が出会い、本音をぶつけ合いながら希望の光を探るさまを、ユーモア満載の型破りなタッチで描いている。(取材・文/本間綾香 写真/本城典子)

マシュー・クイックの原作小説を、「ザ・ファイター」(2010)のデビッド・O・ラッセルが監督・脚色した本作。クーパーが演じる主人公パットは、妻の浮気相手を殴打して精神科病院に入った後、実家で両親(ロバート・デ・ニーロジャッキー・ウィーバー)のサポートを受けながら、接近禁止令が出されている妻との復縁を心の糧に生きている。

「この映画は、1つのジャンルに留まらない作品だ。僕の出身地フィラデルフィアの物語であり、2008年という厳しい不況に直面した時期を描いている。ボブ(デ・ニーロ)が演じる父親は、職も年金も失っているしね。人々は金銭的にも心理的にも、これまで経験したことのない新しい現実に向き合うことを強いられていたんだ」

そんな社会的状況を背景にしたことに加えて、この作品は心の病というシリアスな題材を扱っている。だからこそ、あまり重くなりすぎて観客との距離を失わないよう、ラッセル監督とキャストらは撮影前から、ユーモアのさじ加減やストーリー進行のリズムがいかに重要か話し合ってきたそうだ。

「デビッドはフランク・キャプラのファンで、作品のトーンについて話すときにキャプラの例をよく出していたよ。この映画は演技の部分では現代的だけれど、構造について言えばどこかクラシックな部分もある、ハイブリッドな作品だと思う」

妻に執着するパットに新しい女性を、と紹介されたのがジェニファー・ローレンス演じるもう一人の主人公ティファニー。夫を亡くしたショックで自暴自棄になり、会社中の男と寝てしまったティファニーは、ダンスコンテスト出場を条件に、妻への手紙を渡してやるとパットに提案する。

「パットとティファニーは、自分の口から出てくる言葉を飲み込むことがない。普通なら頭で判断してから口を開くものだけれど、彼らは相手をびっくりさせるようなことも平気で言うんだ。デビッドの脚本は全くオーソドックスではなかったよ」

コラボレーションを重視するラッセル監督は、現場で話し合いながらどんどんアドリブも採用したそうだ。カメラの横にしゃがんでいたラッセル監督が、即興のセリフをメモで俳優に渡すたび、頭や影がフィルムのあちこちに映り込んだため、後からそれを消すのが大変だったとか。

「デビッドは僕たちに演じるというより、役柄としてそこに存在することを求めていた。なにも抑制せず、全部出し尽くしてほしいと。そういった空気の現場だと、毎日マジックが起きるんだ。たとえば、ティファニーとパットがディナーの席で話す“あの薬飲んだ?”“あれはひどいよな”という会話は、全部僕らのアドリブ。その場で生まれた会話だからこそ、2人の関係に現実味が感じられるはずだ」

リミットレス」(11)以来、デ・ニーロとは2度目の共演。「リミットレス」では主演に決定したクーパーが、デ・ニーロとの面談をこぎつけ、30分以上熱弁をふるって出演の承諾を得た。今回はその逆で、先に出演が決まったデ・ニーロが、空席になっていたパット役の俳優に、クーパーを推薦したという(ラッセル監督は当初、ビンス・ボーンを想定してパット役を執筆したと明かしている)。

「僕がパット役を演じられたのはボブのおかげだし、とても感謝している。ただ脚本を読んだとき、自分に演じきれるのかと疑ったことも確かだ。落胆させてしまうかもしれないと彼に相談したところ、“絶対できる、やるべきだ”と背中をおしてくれた。そこまで言ってくれるなら、という心強さと、期待を踏みにじったらという不安を抱えて現場に入ったのを覚えている。それでも“自分はトランプのエースを持っている”と思えたのは、チームにボブがいて、そして父親役を演じてくれたから。『リミットレス』からの縁で彼に対しては強い信頼の気持ちがあるし、彼の前なら自分をさらけだせるという安心感があった。一緒に撮影しているときは、役者としてまさに天国にいる気分だったよ。コメディの要素を含みながら激しい感情の波を見せる難しいシーンばかりだったけれど、本当にやりがいのある作品だった」

本作は、第85回アカデミー賞でクーパーの主演男優賞ほか、作品賞、監督賞、脚色賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集賞の計8部門にノミネートされている。1つの作品が全演技部門に候補入りするのは、実に31年ぶり。2月24日(現地時間)の授賞式の行方が気になるとともに、新たな主演企画が殺到しているというクーパーの今後の活躍も楽しみだ。

「特にキャリアプランを立てているわけではないけれど、常に成長したい、新しいことに挑戦したいと思っている。この映画の前に、『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督の新作『The Place Beyond the Pines』という作品に出演したんだ。あと、先日『ハングオーバー3』を撮り終えた。僕は自分の演じたフィルという男が大好きだ。コメディが好きだし、トッド(・フィリップス監督)やザック(・ガリフィアナキス)、エド(・ヘルムズ)も大好き。このシリーズは3作で十分だと思っているけれど、またこのメンバーで何か新しい企画があればぜひやりたいと思うよ」

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