世界にひとつのプレイブックのレビュー・感想・評価
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ハイテンション・ラブストーリー
心を病んだ二人の、ハイテンション・ラブストーリー。
本当に人の心はフクザツですね、面白かったです。わめき合う二人にキュンとして泣けちゃったりして、新感覚でした。
ティファニー、ドスの利いた女だと思ってたら、いじらしいじゃないですか。あの若さで場を"牛耳る"女優、ジェニファー・ローレンスは凄いです。
バットの親父さんを演じたロバート・デ・ニーロも、とても良かったです。いい事言ったそばからとんでもない提案しそうな、胡散臭さがプンプンしてました。
そもそも、あの親父さんが一番のダメダメなんじゃないでしょうか、家族はたいへんだね。
セラピーの先生とか、ティファニーの上品ぶったお姉さんとか、曲者ぞろいのキャラクター達。キャスティングもピッタリでした。
☆☆☆☆☆
どこにでもいる変な人たちのリアルな映画
赤点だって誰かの百点満点
主人公のパット(ブラッドリー・クーバー)は「ハゲにカミさん寝取られてそれがショックで傷害起して精神病院8カ月喰らった躁鬱病」という設定。
退院しても完治した訳じゃないのでトラブルメーカーの如く常に周囲に火種を撒き散らす、という。
この映画、だからパットがいつキレるか、いつバカやらかすか、一旦そっち方向突き進んだら酷い結果が目に見えてるっつー緊張感が常に付きまとってて(そんでその前振りが出たら実際何かやらかすw)、絶妙な空気感ハンパないです。
ただ、その一触即発モードが全然シリアスに向かないというか、感覚のズレから生じる会話なんぞが何故か笑いに転じる妙味というか、寧ろパットがキレるのこっちが待っちゃってたりして。
そのさじ加減が本当上手いです。いや当の本人は相当苦しんでるんでしょうけどもw
で山火事には爆弾投入よろしく、もう一人のトラブルメーカーが加わってから、この物語は本番を迎える訳ですね。
それが、パットとほぼ同じ境遇(でもないけど)のティファニー(ジェニファー・ローレンス)で、この彼女もなかなかにパンチが効いてて、こっちは夫に先立たれたショックで職場の人間全員と肉体関係結んで会社クビになってやっぱり精神が病んでるという。逆にティファニーの方が色々ヘビーでパットのキャラが霞むという事態にw
この2人の化学反応がストーリーの推進力になる訳です。
仲が良いのかは分からないんだけど、何故かツルんで何故かシンパシー抱いて何故かダンスコンテスト出場に向けて(それぞれの思惑あれど)パートナーを組むという展開。
そのダンス特訓が絡んだ後半の過程も、やはり先述した様なトラブル頻出。平坦には進まない。自家発電で狂って自家発電で暴れる。
そんなこんなしての、「世間のはみ出し者2人」の苦悩と頑張りをこっちは知っているから、あのラストが本当に最高なんですよ。
滅茶苦茶泣ける。
報われたことへの感動。幸せなハッピーエンド。さわやかでささやかな閉幕に号泣しちゃいましてね私。
またひとつ、大好きな映画に出逢えました。
笑って泣けて、また笑顔。
満点だけが満点じゃない。赤点だって、きっと誰かの百点満点。
なんちゃって。
最後にほっこり、ロマンチック
細やかに演出してあって、面白い
これ、とっても面白かったです。2回、立て続けに観てしまいました。ジェニファー・ローレンスは。ホント、うまいですね〜、こういう役。ちょっと不良で、切れ気味の女性。ブラッドリー・クーパーも、不安定な心情をうまく表現していいじゃない〜!!
ちょっと甘めの採点かな…
世界にひとつのプレイブック
この映画には賛否両論の意見で別れてますけど、私は良い方です。主人公みたいな人を身近でみています。一般的にみるなら、確かに、夜中に騒いだり、物を壊したり、人に迷惑をかけるなんて考えられないし、甘やかされた人が最後は親に助けてもらう。見ていて不快そのものですものね。あまりにリアルです。躁鬱病そのものです。本当に理解に苦しむ病気です。そして周囲はピリピリしてて、腫れ物に触るようにしてますね。映画の後半で、ロバート・デニーロ演ずる父親が、その子に対して、“自分が愛情を注がなかったから”と泣くシーンがあるのですが、現実と錯誤してしまう位です。でも最近は「それは違う」と、持って生れた資質やちょっとした脳の構造の違いで起きるのでは?と、考えたりします。そんな人でも、周りに助けられて、何とか生きていってる。そして最後には目標をもち到達する。小さな成功が人を成長させ、きずかなかった人への愛にも目覚める。この映画の良さは当にそこ!ではと思いました。世の中皆がしっかりしている人ばかりでなく、ちょっとした事で傷つき病気になる人もいて、それも個性なんだと思える様にもなり、この映画の深い部分に触れました。ダンスは素敵でした。
キャラクターが魅力的
いまいち共感できないんだけど…
映画の後は、ダンスを踊りに行きたくなるかも?
特別なひねりの一つも無いこう言う典型的なラブコメ映画を、観ていて単純と思っていても、やっぱり安心感で心が満たされて、誰もがハッピーエンドにホッとして、劇中の彼らを何時の間にか見守っている自分を発見して、それが可笑しくて、フッと笑いを吹き出しそうになったりして、そんな時間を持っている自分の生活って、結構幸せだとは思いませんか?
映画の事なのに喜んだり楽しんだり出来る自分の人生は最高の幸せだなって思いませんか?
むしろ映画だからこそ、定番の納得出来る話しに共感したいって人は感じているのかも知れないね。
だから、たまにはこんな映画がオスカーの一つも受賞をする年があっても良いのではとあなたも思いませんか?
「ゼロ・ダークサーティ」確かに立派な作品だし、「アルゴ」も良く出来ている、でもアメリカでは長引く経済不況と、戦争の後遺症に苦しむ帰還兵もごっそりといて、PTSDに日々苦しみ、精神を病んで自殺する人も多数いる現在、人々が少しでも、どん底から夢に向かって生きて行ける、どんなに不器用な主人公達でも、何とか生きて行けるのだ!って言うそのテーマに共感を憶えて、この映画をハリウッドでは今年は応援してオスカー受賞になったのではないだろうか?
この映画を観たみんなは、きっと心のどこかで、自分の身近にもこんな暖かい家族や友人達が住んでいたら友達になろうと、どこかが変わっていて変な奴でも、暖かい人柄なら、友達になろうと考えたりしないだろうか?
劇中で、パットの元妻がヘミングウェイを学生に教える事の目的が、人生の厳しさ、教訓を得て貰う為と言うけれど、それって嫌でも、遅かれ早かれ誰もが自然に何時の日か人生の厳しさを経験して行く事だもの、わざわざ教えて貰わなくてもねってね。
それと同じで、映画はやっぱりハッピーで、明日の元気が出るような夢の有る話しが良いよね?えぇー主人公が躁鬱患者と未亡人では楽しくないって考えるかな?でも彼らが立ち直るお話しなら、きっとOKでしょ?OKの語源話しも出て来たけれどね
ダンスを通して元気を取り戻して、最高の人生を歩んで行けるようになるってお話はやっぱり出来過ぎていても人は結局、お伽噺で、ロマンチックで微笑ましいものに憧れるのだよね。
それに、出演者はみんな芸達者な俳優を集めているから、尚更見応え充分なのですよね~
ブラッドリー・クーパー演じるパットの躁鬱患者ぶりも可笑しいと言ったら申し訳ないのですが、数々のエピソードが可笑しくってつい笑ってしまうし、彼の父親役のR・デニーロとの共演も本当の息子と父親みたいに、息がぴったり合っているし、母親のジャッキーも本当に温かい人柄を巧く演じているよね!
そして、ラストはこれでもか、此処までやるのか?って言う程ロマンチック、どうしてダンス会場のホテルを後にすると街には、パットとティファニーしか居なくなってしまうの?こんなのやり過ぎで有り得ねと思っても、良くぞそこまでやってくれるねって逆に思えてくるから、この映画は楽しめるのですね。
今のアメリカの人々が求めて止まないウォームハートがしっかりこの映画に描かれていたと私は思うのです。あなたは、この映画どう感じたのかな?
普通のドラマ
まずパットが妻の浮気が原因で心のバランスを崩す事自体に共感できない。そんな妻とはさっさと別れたらよろし。ダンス・コンテストへの出場も取って付けたようで、すんなり話に入っていけない。
スティーヴィー・ワンダーの「マイ・シェリー・アムール」に心の傷を掻きむしられるブラッドリー・クーパーは表現力があって上手い。傷ついた心身を何かに守ってもらいたい思いがあってか、スウエットスーツの上から被るゴミ袋が目に残る。ただ発汗作用のために着ているだけではないように見える。
パットと出会うティファニーも心に傷をもつ。彼女の傷は理解できる。演じるジェニファー・ローレンスも悪くないが、アカデミー賞の主演女優賞を獲るほどの演技だったかは、はなはだ疑問。
息子を「幸運のお守り」といって自分のペースに巻き込む父親も少し病んでいるとしか思えない。この父親にロバート・デ・ニーロ、母親にジャッキー・ウィーバーを起用したのはいいが、いささか物足りない役回りで名優ふたりを活かし切れていない。
けっきょく、それほどいい話に思えないのは、この人たちならではの「人生設計」の発見に目を細め、それに向かって歩み始めることへ応援したくなるような込み上げてくるものが育たないからだ。
たしかにダンス・コンテストの結果に笑い、最後の手紙には泣けるが、それはその場限りの演出に反応しただけで、少しずつ積み上げられたものに対してではない。
普通のドラマとして観たら無難なデキといえるが、アカデミー賞の8部門もでノミネートされたワケがわからない。
笑えて感動。
サインを見逃さないでね
キャラクターがそれぞれ出てて面白い
二人のサポーターになる映画。
シルバー ライニング ☆
何故だか 暖かい作品でした ^-^
主人公たちは しょっちゅうキレまくるのだけれど、
どこか憎めない。。。
ぎりぎりの綱渡りで2人は、ひとすじの光をひとつにしてゆく。。
日本の題も 良いけれど、
「シルバー ライニング プレイブック」の原題のほうが、
映画の内容には マッチしている気がします。
ただ、精神にまったく問題がない(というご自覚の) 方が見ると、
ちょっと 物足りなさは残るかな、、という感じでした。
途中は賛否両論かも知れないけれど、
最後は ハッピー!!♪ 間違いなしです ♪♪
予想の斜め上をいくおもしろさでした
ストーリーも演技プランも掴み所も分かりやす~い。悪い映画ではないけど、これでオスカーいっちゃう?
こんにちは。
グランマムの試写室情報です。
『世界にひとつのプレイブック』★★★
オスカーに主要8部門もノミネートされている注目作。作品賞候補の中では、唯一のラブストーリーです。‥‥と思って期待して試写室に赴きましたが‥‥肝心のラブストーリーの部分が、先日、酷評してしまった^^;『バチェロレッテ』ほどではないですが、ムードもへったくれもない(笑)
性や人間の生理的な部分に関するアケスケな台詞‥‥。でも、隣席の外国人さんグループは、大いに受けていたので、やはり日本人と米国人では、笑いのツボが違うのでしょうか?
ところが、“ラブ”ではない場面になると、本作は途端に生き生きし、魅力を発揮し出します。さすがに、傑作『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセル監督。スポーツ賭博やら、スポーツ観戦場面の楽しいこと!♪♪♪♪
ですので、本作はラブストーリーではなく、ファミリーコメディ、ちょっとクレージーな人々の再生物語と考えたほうがいかもしれません。
ストーリーはシンプルです。ブラッドリー・クーパー扮する前妻の不倫場面を目撃し、精神のバランスを崩した男パットは、実家で暮らしながらリハビリ中。前妻との復縁と、教職の復職を願っている。
近所に住む若き美女ティファニーと知り合うも、自由すぎる振る舞い&言動に振り回され、ついていけない。ティファニーも夫を事故で亡くし、暗い傷を抱えていた。
前妻と知り合いのティファニーに、パットは「手紙を渡してくれ」と頼む。
パットはティファニーをディナーに誘う。「夫の死を忘れるために、職場の男性全員と寝たわ」と率直に話すティファニーに、「全員と?」「女性とも寝た?どんな感じ?」と、イヤラシげな好奇心満々で聞き出しておきながら、「もう、この話はやめよう」
「あんたはずるいわ!私は心を開いたのに!」とキレまくり、道端で大声を出す2人。どう見ても、バッドチューニングな2人なのだ。
前妻への手紙を渡しに、ティファニー宅へ行ったパットは、交換条件として、ダンスコンテストへ、ティファニーの相手役として出ることになる。ティファニーは、夫の保険金で自宅を改装し、立派な練習フロアを造っていたのだ。2人は練習に励みながら、少しずつ心の距離が近づいてゆく。
ロバート・デ・ニーロ演ずるパットの父は、失業後、アメフトの胴元を務めている。地元のフィラデルフィア・イーグルスの勝敗に、一家、近所、親戚中の未来がかかっている。
ちょっとクレージーな周囲の人々に見守られながら(賭博の対象にされながら^^;)、ダンス大会決戦の日を迎え、2人と周囲の人々の興奮と緊張は最高潮に達するが‥‥。
旬の俳優としての輝きを見せる主演の2人は、もちろん好演していますが、オスカー受賞にはどうでしょう?的な演技に思えました。例えば、ブラッドリー・クーパーは、『ザ・ファイター』の兄弟役マーキー・マイク(こう呼ばせて!分かる人には分かる(笑))と、クリスチャン・ベールの迫力ある役作り、人物造形には敵わない。
ジェニファー・ローレンスも大きな存在感を示し、22歳の若さで、この難役をこなしたことは評価されるでしょう。しかし、較べるのもナンですが、『ブルー・バレンタイン』『テイク・ディス・ワルツ』におけるミシェル・ウィリアムスの、観客の胸を痛くさせるほどの真実味、説得力、抒情性溢れる演技には、遠く及びません。
一方、前述したように、デ・ニーロ扮する父親周辺の空気感演出は秀逸です!小さな田舎町で、地元意識の高い米国人が集まれば、イーグルスの話になる、つまり居酒屋トークが繰り広げられるのです。そのくだらなさ(笑)
まさか大名優デ・ニーロが、情けない田舎の無職親父で、ノミ屋になり下がっているとは^^;母親役のジャッキー・ウィーバー(『ピクニックatハンギングロック(!!あぁ、大好きな作品)』は、オーストラリア出身の名脇役。料理が上手な主婦のイメージで、本作に暖かな雰囲気を醸し出しています。
本作の見どころは、やはりデ・ニーロと言わざるを得ません。関心はイーグルスの勝敗と、家族、近所の動向という小さな小さな世界に住み、おそらく地元から一歩も出ないで一生を終えるであろう庶民の生活を見事に活写しています。
『ザ・ファイター』でもそうでしたが、ラッセル監督は、こうした庶民の日常、さまざまな問題を抱えながらも、時には熱狂する、といった場面をテンポ良く描く力量を持っています。
一方、ロマンスの描写に関しては、平板な印象を受けました。ラブロマンスに胸が痛くなる抒情性を期待するのは、女子特有でしょうか。原作は未読なので、イメージが湧きませんが、ラブストーリーを標榜するなら、何もこんなに開けっ広げにしなくとも‥‥、もう少しリリカルであっても良かったのではないかと感じました。
最近の米国映画には、心が傷ついた人々の再生と出発の物語が多いですね。本作が共感を読んだのは、メンタル医院に通う人々が多いお国柄もあるのでしょうか。日本人が共感するかどうかはどもかく、本作は“分かり易い”映画です。
オスカーレースで、どれくらい獲れるか、エゲレスのブックメーカー関係者や、ラスベガスでは必死の思いで授賞式を注目している人が多いでしょう(笑) 2月22日から新宿武蔵野館ほか、全国上映されます。
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