「ストーリーの甘さを役者が救う」世界にひとつのプレイブック arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーの甘さを役者が救う
各映画賞へのノミネートあるいは受賞でかなり評価の高い作品だが、実は個人的にはあまり期待していなかった。
その予感は半分当たってしまった。
主演助演含めて俳優陣の健闘ぶりは予想通りだったが、ストーリーの方は予想以上にピンと来なかった。
ポイントはティファニーのキャラクターだと思う。
脚本の段階ではこのキャラクターはあまりよく描けていないと思うのだが、演じたJ・ローレンスの堂々とした力技があまりよく描けていないキャラクターに存在感を与えてしまった。
これがストーリーが歪になってしまった最大の要因だと思う。
このストーリーの中で一番よく描けているのはパットのキャラクターで、演じるB・クーパーも好演しているが、このキャラクターが主人公になり切れていない。
ティファニーのキャラクターの存在感があるばかりに。
ラブ・ストーリーとして致命的なのは、ティファニーはいつ何処でパットに惹かれたのか?そもそも彼女は夫の死でどんなふうどれだけ傷ついているのか?この辺りは言葉に台詞に頼らずに見せて欲しい。台詞に頼らずに映像で見せることを怠っているように感じた。
コメントする