劇場公開日 2013年2月22日

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「普通のドラマ」世界にひとつのプレイブック マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0普通のドラマ

2013年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

まずパットが妻の浮気が原因で心のバランスを崩す事自体に共感できない。そんな妻とはさっさと別れたらよろし。ダンス・コンテストへの出場も取って付けたようで、すんなり話に入っていけない。

スティーヴィー・ワンダーの「マイ・シェリー・アムール」に心の傷を掻きむしられるブラッドリー・クーパーは表現力があって上手い。傷ついた心身を何かに守ってもらいたい思いがあってか、スウエットスーツの上から被るゴミ袋が目に残る。ただ発汗作用のために着ているだけではないように見える。
パットと出会うティファニーも心に傷をもつ。彼女の傷は理解できる。演じるジェニファー・ローレンスも悪くないが、アカデミー賞の主演女優賞を獲るほどの演技だったかは、はなはだ疑問。

息子を「幸運のお守り」といって自分のペースに巻き込む父親も少し病んでいるとしか思えない。この父親にロバート・デ・ニーロ、母親にジャッキー・ウィーバーを起用したのはいいが、いささか物足りない役回りで名優ふたりを活かし切れていない。

けっきょく、それほどいい話に思えないのは、この人たちならではの「人生設計」の発見に目を細め、それに向かって歩み始めることへ応援したくなるような込み上げてくるものが育たないからだ。
たしかにダンス・コンテストの結果に笑い、最後の手紙には泣けるが、それはその場限りの演出に反応しただけで、少しずつ積み上げられたものに対してではない。
普通のドラマとして観たら無難なデキといえるが、アカデミー賞の8部門もでノミネートされたワケがわからない。

マスター@だんだん