劇場公開日 2015年7月4日

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「ド派手さインフレーション」アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ド派手さインフレーション

2015年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

マーヴェルヒーロー大集合のお祭り超大作『アベンジャーズ』
の第2弾が、3年間の長~い助走期間を経ていよいよ参上。

冒頭からアベンジャーズがフルメンバーで
大暴れする怒涛のアクションシーンで始まり、
ウルトロンの誕生、超能力姉弟の暗躍、
いつになく暴走するトニー・スターク、
死亡フラグを立てまくるホークアイ、
バナー博士とナターシャのロマンス、
兵器工場での戦闘、ハルクVSアイアンマン、
ウルトロン素体争奪戦、そして某国での最終決戦……と、
ストーリーは前作以上に盛り沢山になっている。
アクション演出もより大スケールに、
より凝ったものになっているとも感じる。

新キャラも、
ウルトロンやスカーレットウィッチ&クイックシルバー
だけでなくソー以上の反則級キャラも参戦したりするので
(そういや彼がキャスティングされたニュースを忘れてた)、
前作を越えるスケールを期待していた方々は
おおむね満足できるかと。
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……読んでの通り、イマイチ熱の無い書き方になってしまっている訳だが……
個人的には前作ほど映画にハマれなかった、というのが正直な感想。

うまい言葉がなかなか見つからないのだが、
株取引でいう所の“寄り天”というか、
『ドラゴンボール』で言う所のフリーザ編→セル編というか、
映画『トランスフォーマー』シリーズの2→3→4作目のインフレ感というか、
『007』で言うなら『私を愛したスパイ』→『ムーンレイカー』のやり過ぎちゃった感というか……

おわかりいただけるだろうか、ド派手過ぎて若干の感覚麻痺を起こしてる、この感じ。
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前作がド派手なヒーローアクションを一挙に
集結させた、いわばド派手さの究極形だった訳で、
映像的な派手さが前作のクライマックス以上になっても、
ここまで来るとかえって迫力を感じにくいのではと思う。

まあ、前作でそれぞれの個性を活かしたアクションは
披露済なので、新鮮味が薄い点はある程度しようがない。
だがそれを別にしても、物語の展開がせわしなく、
こちらの気持ちが完全に乗り切らない内にどんどん
見せ場見せ場へと移行してしまっているように感じる。

肝心のクライマックスも、メンバーそれぞれの個性的な
戦いぶりやコンビネーションを見せてくれるのだけど、
大量のウルトロン軍団のみをひたすら薙ぎ倒していくシーン
が続くので、なんだか単調に感じてしまったかなあ。

それと、今回の敵である人工知能ウルトロン。
死んでも死んでもネットワーク上を逃げ回り、
素体さえあれば何度でも甦るという恐ろしいキャラ……
なのだが、実は1体あたりはそこまで強くなかったり、
せっかくネットワークを掌握できる能力があるのに
それを戦闘で発揮するシーンは皆無だったり、
おまけに最強の肉体を造ろうとしてああなったり、
なんか敵としては色々と惜しいところが多い。
人工知能のクセにちょっとお茶目なキャラは好きなんだけどね
(ウンザリした感じの「God sake!」とか)。
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以上。
前作『アベンジャーズ』を超えるド派手さを求めていた方々
の期待にはしっかり応えた作品なのは間違いないし、
数あるアクションエンタメ大作でも、このレベルの
ド派手さには滅多にお目に掛かれないので、
そういう意味では観て損はないかな、と思う。

とはいえ自分としては前作よりも判定を下げて3.5判定。

<2015.07.04鑑賞>

浮遊きびなご