「それでも次回には期待」アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも次回には期待
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前作はバラバラのヒーロー達が巨大な敵に団結していくという明快なストーリーが軸にあって、クライマックスに向かって分かりやすいカタルシスへと導いてくれた。一方、今作は個々の苦悩に目を向け、人間でしかないヒーローと対照的な雑味のないAIのコントラストを映し出し、幾ばくかSF的なテーマを予感させる。しかし、個々の苦悩を各人が乗り越えた感も希薄であり、AIの方の超然感も希薄。引っ張って登場したヴィジョンが決定的な仕事をせず、ワンオブゼムに甘んじたのはなぜだろうか。ストーリー上、最重要のスタークスの行動は説明足らずで、現実の何か、例えば歴史上の人物や現代の政治情勢とか参照にできるものもなく、重要なテーマとして共感を導き出せず、SF的な試みは頓挫したように思えた。こうなってくると話の推進力が欠落し、個々のヒーローに対する描写はノイズとなる。映像の凄さには圧倒されたが、技術の浪費のように思えて、最後は飽きた。団結から分散の方向に向かった今作を超え、次作以降においてどのように昇華していくかに期待はしたい。
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