劇場公開日 2016年3月12日

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「紛うかたなきアメリカ映画」アーロと少年 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5紛うかたなきアメリカ映画

2016年3月21日
iPhoneアプリから投稿

びっくりした。なぜならこのピクサー最新作がここ数年で最もアメリカ映画らしい作品のひとつと言っていいものだったから。「家・家族」「農業」「畜産」「オデッセイ」「イノセンスの喪失」「親父超え」…そして何よりも「西部劇」であるということ。紛うかたなきザ・アメリカ映画!

本作の見所は背景のCGの凄さ。思いっきりファンタジックなストーリーやキャラ造形とはミスマッチにすら思えるほど。しかし美しい自然を切り取るのも「アメリカ西部劇」には欠かせない要素(マカロニウエスタンには不要)。古くは『赤い河』から『トゥルー・グリット』。そして本作に至るまで…

『アーロと少年』におけるアーロとスポットとの別れは表層的にも凄く感動的やけどそれ以上の意味がある。あれはアーロの自らの少年性との別れ(「イノセンスの喪失」)を意味していると思う。『ライフ・オブ・パイ』のパイとトラとの別れを想起したりなんかした

一番笑ったのは中盤の唐突なトリップシーン。清原もあんな感じでトリップしていたのだろうか…そうか!「トリップで友情を深める」か!なるほど!ほんまどこまでもアメリカ映画!

短編の『ボクのスーパーチーム』もよかった。まあやってることは『トイ・ストーリー3』冒頭のアンディの空想劇と一緒なんやけど普通に面白かった

ヒートこけし