やくたたず
劇場公開日:2012年11月24日
解説
長編2作目の「Playback」(2012)が劇場公開された三宅唱監督が、10年に手がけた長編第1作。12月の札幌、高校卒業を間近にひかえたテツオらは、先輩の伊丹が勤める警備会社に通いはじめ、仕事の役に立とうと車の運転を教えてもらうが……。北海道の荒野を背景に、若者たちの切実な一瞬を美しいモノクロームの映像できりとった青春映画。
2010年製作/76分/日本
配給:PIGDOM
劇場公開日:2012年11月24日
劇場公開日:2012年11月24日
長編2作目の「Playback」(2012)が劇場公開された三宅唱監督が、10年に手がけた長編第1作。12月の札幌、高校卒業を間近にひかえたテツオらは、先輩の伊丹が勤める警備会社に通いはじめ、仕事の役に立とうと車の運転を教えてもらうが……。北海道の荒野を背景に、若者たちの切実な一瞬を美しいモノクロームの映像できりとった青春映画。
2010年製作/76分/日本
配給:PIGDOM
劇場公開日:2012年11月24日
濱口竜介×今泉力哉×三宅唱!気鋭の映画作家に迫る番組、日本映画専門チャンネルで3月22日放送開始
2020年3月20日ブラックホールに向かう宇宙船で生殖実験「ハイ・ライフ」クレール・ドゥニ監督に聞く
2019年4月18日第11回恵比寿映像祭が開幕 三宅唱の映像インスタレーション、「無言日記2018」プレミア上映も
2019年2月8日富田克也監督と三宅唱監督が渋谷ヒカリエでトーク 互いの作品語る
2013年2月5日 男子だったらこんなアルバイトをみな経験しているような気がする。10人足らずの零細とも言える警備会社で高校生のバイトを雇ったはいいが、仲間たちも集まり3人になってしまう。こんなに要らねーよ。と、呟く社長。その言葉を聞いてテツオたちはしっかり仕事をしようと頑張るのだった。
雪道を1トントラックに乗せてもらう面々が楽しそうだし、休憩時間には車の運転を教えてもらったりする。自分にも似たような経験があるので、懐かしく思えてしまった。等身大で自然な演技の役者たち。撮り方も自然なため、リアリティを感じてしまうのです。
何か起こるかと思ったら、トラックが盗まれたということだけなのですが、高校生たちにとっては大事件。給料を貰うときも申し訳なさそうな顔をするのが印象的だ。全編モノクロームのため、雪景色がよく映える。そして、大荒れの海岸でのショットはこれから社会人になるであろう彼らに試練を与えるような雰囲気がとても似合ってるのです。
最近でもいい作品を撮っている三宅監督の長編デビューだそうで、意気込みをも感じられる一作となりました。何気ない日常を撮ると上手いんだなぁ~
自宅(CS放送)にて、同じ監督の『Playback('12)』に続き連続して鑑賞。撮影・編集・脚本・監督と熟す三宅唱の片鱗を覘かせる長篇デビュー作。全篇モノクロで、70数分と云う短い尺。粗削りな画面乍ら、多くの場面で登場する白い雪と学生服を始めとした登場人物達の黒っぽい衣装や黒く潰れた陰影がコントラストをなす為、演者の存在感が際立ち、その内面や心情を切り取った様な印象を受ける。タイトルコールでは、"GOOD FOR NOTHING"とサブタイトルがあり、単純な英訳を超えた意味を感じさせる。65/100点。
・不器用で行き場の無い怒りや狂気を抱えた三人の若者を端的に表した様な本作は、この映像作家の世界観やモチーフに直結している様に思え、オリジナリティの高い感性が垣間見えると同時に後の躍進を予見させるものがある。本作が合わないと感じた人は、恐らくこの先作られるであろうこれからの新作とも相まみえる事が出来辛いのではないだろうか。
・本作の最大の特徴は、そこかしこから漂う粗雑で未洗練乍らも伝わる個性であり、未完成であるが故の引力にある。これは或る意味、欠点とも見えるが、そこに魅力を感じたなら、この監督の作品群を追いたくなり、虜になってしまう。
・粗暴な“ガン”ちゃん事“岩間賢太郎”の玉井英棋、強い意志を感じさせる目力を持つ“三沢哲雄(テツオ)”の柴田貴哉、控え目乍ら静かな狂気を湛える“谷大輔(タニ君)”の山段智昭、“中川次郎”の足立智充、“伊丹雄一”の櫛野剛一、“中川英治”の南利雄等、独特の雰囲気を示す役者が脇を固める。この監督は、演者を使うのが上手い。
・鑑賞日:2017年3月29日(水)