「まどかの願いを踏みにじったという人もいるけど」劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語 黒ずきんさんの映画レビュー(感想・評価)
まどかの願いを踏みにじったという人もいるけど
TVシリーズを何度も見返して、総集編も劇場まで足を運んで見に行きました。今作も3回ほど見ての感想です。
私は普段映画をあまり見に行かないので、純粋な「魔法少女まどか☆マギカ」のファンとしてレビューを書かせて頂きます。
この映画の結末については、賛否両論分かれているかと思いますが、私個人としては、衝撃的ではあれど、とても否定するような結末ではありませんでした。というか感激しました。ほむらの愛は本物です。
まどか役の声優である悠木碧さんがパンフレットにて、「まどかの願いをほむらには分かってもらえなかった」と発言していますが、決してそんなことはないと思います。
むしろ十二分に理解した上での覚悟の選択ではないでしょうか。
まどかの願いを誰かに踏みにじられることに対するほむらの憤りは、本編を見れば明らかです。にも拘らず、何故まどかを引き裂いたのかといえば、物語後半のまどかとの公園での会話のせいでしょう。
「怖い夢を見た」というほむらに対して、「ほむらちゃんが泣いちゃうような事が、私に耐えられるわけないじゃない」というあのシーンです。神としての記憶も、能力も持たない、一人の少女としてのまどかの言葉が、ほむらをあの結末に導いたのだと思います。
優しすぎて強すぎるが故に、大切な人達と会えなくなると知って尚、正しすぎる選択をしてしまった鹿目まどか個人の幸福を考えるなら、ほむらの行動は正しかったと言わざるを得ません。ほむらにとって、まどかを救うためなら世界なんてどうでも良いのです。それでも秩序を求めるなら、これはもうまどか自身の手でほむらの存在に終止符を打つしかありません。
ところで、TVシリーズ6話中盤で、まどかが母、鹿目詢子にさやかについて相談するシーンがあります。「間違ったことはしていないのに、正しいことを頑張ろうとすればするほどひどいことになっていく友人を助けるにはどうすればいいのか」というまどかに対して詢子は「正しすぎるその子の分まで間違えてやればいい」と答えます。
本作のほむらの行動は正にこれにあたるのではないでしょうか。