オブリビオンのレビュー・感想・評価
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けっこう面白かった
この映画トムが畔の小屋を隠れ家のようにして、そこにはソーラーパネルがあって全く誰の干渉も受けずに気ままに暮らすことができる、そんなところに一番興味がひかれてしまう。人類がほぼ絶滅のような状況で恋人と二人きりのような環境ですら、そんな場所を設けずにはいられないとはあまりに切ない。そこで何をするかと言えばチェックシャツを着てヤンキースの野球帽を被って、レコード聴きながら昼寝。
ヴェガが色っぽいけどけっこう息の詰まるような、理想を押し付けてくるタイプなのに対して、ジュリアは素朴てチェックシャツを着たりするタイプ、ヴェガの方をさり気なくだけど悪く描くのは可哀想だと思った。ジュリアにも変なところがあるような表現があればよかった。本妻と愛人がいて、実は愛人が本妻だったと分かった時はびっくりした。
お話自体にそもそも無理があって、テッドが宇宙人にしては人類に近いテクノロジーで変だし、トムとヴェガのクローンを大量に生産する意味も分からない。辻褄合わせのご都合主義な感は否めない。もうちょっと上手に設定して欲しかった。
そういった気になる点はあるけど映像は気持ちがいいし、乗り物もよかった。けっこう面白かった。
エイリアン物のおかしなところを逆手にとっていて、やや良心的といえなくもないけど、やっぱりおかしい。
期待していたけれど、あまり面白くなかった。途中で寝そうになった。
モーガン・フリーマンが出ている映画はだいたい面白いけど、それも終わったかもしれない。
全体的に地味すぎる感じがする。
予告編を見るとすごいことになりそうだけど、まったくすごいことにならなかった。
派手でかっこいい敵は出てこないし、マシンも出てこない。
派手なアクションがあるかと思えば、特になくて、地味な追っかけっこがあるだけ。
一番地味なのは女優さん、主に出てくる二人とも可愛くない。
ここだけでも派手で可愛い人出してくれたら、もっとおもしろくなったと思う。
映像は地味なのが逆によくて、説得力があり、一瞬引き込まれそうになったけど、すぐ引き戻された。
以前エイリアンと人類が戦ったらしいけど、どういう戦いだったのかまったく見えてこない。
エイリアン物を見ているといつも思うのだけれど、いくら作り話とはいえ、個別の戦いならいざ知らず、戦争して人類が勝つわけないでしょう?
宇宙空間超えて軍隊送り込める程のすごい文明を持っているエイリアンに、人類が勝てるとはとても思えない。
この映画の場合、その辺を逆手にとっているところがあって、やや良心的といえなくもないけれど、やっぱり最終的には破綻しているような気がした。
何かHAL-9000のオマージュ
ドローンの赤い目は『2001年宇宙の旅』のHAL-9000の赤い目を彷彿する。
コンピューターの反乱でラストでの光景は、HAL-9000のロジックルームに侵入した事も彷彿。
全てのSFはキューブリックの革新的なSFの金字塔である『2001年宇宙の旅』に通じるみたい。
サリーは実存の人間では無く、機械が作り出した虚像ならば尚更。
人間の思考力に劣らない人工知能を作るのに辺り人間は嘘をつけるが、その嘘をコンピューターに入力するのは如何にも愚かで、逆に殺されるのではないか? それはHAL-9000の集大性みたいで。
盛り上げてよ~
アイデアには多少目新しさがあります。
映像もまあまあ。
若い美女より記憶の奥に残っている妻を選ぶということでカップルにもお勧め。
しか~し!
後半のストーリーのひどさと言ったらありません。
ターミネーターとして?造られたトムがレジスタンスとして活動する。
でも誰が何のためにこいつらを造ったのか?
そこに肝心のストーリーがあるのではないか?
地球を滅亡まで追いやった相手が全くの無抵抗で爆発一発で壊滅、スターウオーズのロボットのようにドローンが絶命。
ええ~!!
そりゃあ無いでしょ。
何かしらの抵抗があり多少の戦闘がありそれをくぐりぬけて瀕死のモーガンがトムに託す。
最後のドローンとの戦闘も全くなしではなく、中盤の戦闘シーンの半分でも良いから入れてほしかった。
オアシスとして登場する新居は良いです。
この辺のシーンは好きです。
カップルにもお勧め。
レコード類も私ら世代には懐かしいものですが設定が30年くらい違ってるが。
歳とったら田舎でのんびり暮らしたい。
但し、女性はそう思わないそうですね。
別のクローントムが現れる最後のオチも
クローンとはいえ他人(?)の造った子供を愛せるのか?
男は誰しも納得がいかない事でしょう。
後半は予算がなくなったのか?
時間切れか?
間延びした退屈な時間でした。
映像と若い美女、夫婦愛ただそれだけの映画です。
もう少し後味良い盛り上がる映画にしてほしかったです。
最初はチンプンカンプン…
エンディングになるほど盛り上がってモーガンが出るころでやっとストーリーが判るようになってます。
ちなみに忘れ去られるほど後にモーガンが出てきます。
だいたいトムの映画は未来志向で変わった乗り物が出て来る作品が多いと感じますがこれもその展開です…
チョイチョイ場違いなシーンが出てきたりしますが今までにない展開でした。
トムは二度死ぬ…
過大評価では?
映像は素晴らしい。
これは他の方も言っている通りですがただそれだけ。
映画ファンというよりは映画館で見たトレイラーが気になって
ちょうど映画の日で見てみたというだけですが…。
展開として、実は敵に捕らわれてクローン化させられた主人公が
コールドスリープから蘇った妻を相手に記憶を取り戻し
反乱に成功させ、大団円。
中盤からオチが見える話で、目新しさも驚きもありません。
評価される人が予告を見て、期待していたのは
こういう展開とオチなのでしょうか?
SFだからというならば在り来たりすぎるストーリーを
ただ美麗な映像でごまかしただけの作品としか思えませんでした。
あきません・・・
SFは大好きですが、、、難解というか、懲りすぎた内容が私にはあまりあいませんでした。
見終わった後はプロメテウス、トロンレガシーと同じように、映像はすごいけど、、、の気分になりました
ジャックがそんなに多く必要?
結局敵は何?(ターミネーターと同じ?)
2週間たったらジャックはどうなるの?
カプセルは自動で開くんだ、低温の液体入れなくてもいいのね
クローンって記憶が残るんだろうか
等々答えはあったかもしれないが、疑問が多く残ってしまいました。
映像はすごいし、好きな方は好きだと思いますが、単純明快なSFが好きなだけにちょっと残念でした。
原題の『Oblivion』の意味のとおりですね。
2077年。60年前にエイリアンの攻撃を受け、壊滅した地球。その地球上に残り、地球に残った装置類の監視・メンテナンスを行なっているジャック。ある時、墜落した宇宙船を発見し、生存者を保護したが、その生存者は自分の夢に出てくる人物であった。
地球が攻撃される2017年と言えば、もう間もなく。映画の設定では、有人宇宙探査が行われており、そのために、冬眠技術が採用されていますが、今現在の科学力から考えて、有人宇宙探査はあり得ますが、冬眠技術はまだ未開発(のはず)ですからね。ちょっと、実感が湧きません。とは言うものの、スーパーボールの行われたスタジアムとか、ペンタゴンとか、エンパイアステートビルとか、今の私達にも馴染みのある光景が荒れ果てて廃墟になった状態は、不思議な感じがしました。
劇中、所々、他のSF映画へのオマージュ?と思えるところがあったんですが、気のせいでしょうか?
○ドローンとバトルシップの狭い峡谷(ビルの摩天楼?)でのドッグファイト
→スター・ウォーズ?(エピソード1のデススターを攻撃するシーンを思わせます)
○地球を思わせる建物の廃墟を背景にしたシーン
→猿の惑星?(最初の猿の惑星で、テイラー(チャールトン・ヘストン)が自由の女神を発見して、地球だと気づくシーンを彷彿させます)
○爆薬を積んで最後の母船に戻ろうとするシーン
→インデペンデンス・デイ?(敵宇宙船を使って、デイヴィッドとヒラー大尉が敵母船に行くシーンに似てる?)
他にも他の映画に似たシーンが有るかもしれませんが、気になったのはこの辺りですかね。
最後の最後がなぁ。ちょっとなぁ。確かに、敵を倒して散ってしまいましたと言うだけでは、話に締りがないのかもしれませんが、とは言え、この結末はもっと締まらない気がします。って言うか、私はイマイチ。
作品全般としては、中々、面白い作品です。SFの映像もしっかり作りこまれていますしね。
原題の『Oblivion』とは、“完全に忘れている状態”“忘却、忘我、無意識状態”と言う意味。なるほどねと思いました。
忘却の砂の底から
『トロン・レガシー』のジョセフ・コシンスキー監督が、
トム・クルーズを主演に迎えて放つSFスリラー大作。
大スター・トムクル主演ということであまりムチャな
展開は無いかもと思っていたのだが、実はものすごく
挑戦的な内容だった点に驚き。
むちゃくちゃ楽しみながら鑑賞できた。
前作に引き続き映像と音楽のシンクロは見事なもので、
オープニングタイトルが出るまでの徐々に徐々に
盛り上がっていく感じや、あの壮麗なエンディング曲
なんて鳥肌立つほど良い! もうサントラ購入決定。
また、本作はアクション主体の映画ではないけど、
『トロン~』に比べてアクションのスケールも
見せ方もグレードアップ。
飛行艇とドローンの峡谷でのチェイスは面白かった!
球形の機体がくるくる回るたびに攻防が入れ替わる
トリッキーな空中戦!
そして壮大なスケールの映像美。
砂に埋もれ、荒廃した都市の風景は終末感に満ちている。
朝焼けに佇む倒壊したオベリスク。
頭だけ残されたエンパイアステートビル。
恐竜の骨のように佇む橋(ブルックリンブリッジ?)。
一方で、無菌室のように清潔で完璧なスカイタワーや
“テット”内部はそのひんやりとした様式美が良い。
そしてサスペンスフルな物語。
『エイリアンに勝利したと思われた世界は実は
エイリアンの征服する世界だった』というどんでん返し
こそなんとなく読めていたが、そこから先の展開には
ドギモを抜かれた。
謎が謎を呼ぶ物語の果てに、記憶とは何か、
自分とは何者かというテーマが浮上してくる。
上部の命令に背き続けた主人公ジャック。
何号目かも知れない彼だが、何号も前から彼は
自分が何者かに疑問を抱いていたのだろうか。
いずれにせよ、彼が本格的に己の記憶を疑い出したのは、
何十年ぶりに帰還したジュリアと出会ってからだ。
主人公をタワーから閉め出した、哀れなヴィカを思い返す。
彼女は嫉妬に狂ったというより、自分が何者なのかが
少しずつ曖昧になってゆく恐怖に脅えていたのかも。
自分が何者なのかを知らせる記憶。
オブリビオンとは『忘却』を意味する。
消去されずにしぶとく残った強い記憶。
忘却に打ち勝ったもの。
あなたは何者か。
あなたを特別な存在にしているのは
責務でも容姿でも遺伝子でもない。
あなたをあなた足らしめているのは
あなた自身の記憶に他ならない。
あなたが強く強く記憶に刻み込んできたもの自体が
今のあなたを形成する。
あなたは、あなたが大切に想ってきたものたちの
結合体なのだ。
この物語は、『記憶が未来への力をもたらす』
ということを語っていたのかも知れない。
うん、まあ、いつもながら深刻に考え過ぎだと思うが(笑)、
作り手が何を訴えようとしてるかは作り手しか
知り得ない訳だし、物語から何を感じ取るかなんて
受け取ったもん勝ちだよね(笑)。
設定や中盤以降の流れにアラを感じる部分もあるが、
この世界観がとにかく気に入っている。
どうもこの監督さんとは相性が良いらしいっす。
次回作も楽しみにしてます。
〈2013.5.31鑑賞〉
あらいやだ、
それなりに良くできたSF映画であることは確かであるが、10年ほど遅かったという印象。10年でも効かないかもしれないけれど、とにかく設定がありがちにつぐありがちなのがつらい。展開が読める=つまらなかった。というほど単純に考えはしないが,様々な真実が浮き彫りにされていくところを楽しむ映画なのに、こういうパターンかな。と思えばそうなるし、そうなりすぎる。これは僕に映画を観る目が有るというような話ではなくて、SF映画を多少観ていると、あの映画だとこうなったなあ。みたいな思い出がよみがえり、その瞬間映画内でもそのようになっていくかんじ。
過去のSFのびっくりポイントをそのまま拝借してきたような設定であり、その再構成の技術の高さは素晴らしいものの、継接ぎの映画に見えてしまう。いろいろと新しさがあるようで新鮮味が非常に薄いのが残念。それでもその構成力とシークエンスごとの面白さは十分にあり、こんなものかなと思ってたらラストで苦笑い。読めるっちゃ読めるけどそこまでする、今時?というラストです。
例えば戦闘機でドローン?と戦うシーンなんかジェダイの復讐からやってるし、荒涼とした未来の映画はまあいくらでもあります。その中にレコードがあってみたいなのも見たことあるし、主人公達の家なんかも目新しさにかけます。唯一良かったのはテーブルがPCというかタッチパネルになるところ。なぜ数万人のトム・クルーズ対米軍のシーンをちょっとでも入れなかったのでしょうか、勿体無い。やったところでマトリックスですが。
正直SFファンからしては物足りない映画でしょうし、デートムービーとしては女性には理解しにくい映画かも(話が難しいというよりは、SF慣れが要りそう)だし、高校生くらいの男の子が友達同士で見に行くような映画でしょうね。
けしてつまらなくは無いが、特筆すべき点があんまりない。
地球滅亡と言う食傷気味な作品ばかりのハリウッドで、ちょっと趣が違っていて最高でしたよ!
こう言う映画はネタバレしてしまうと面白さが半減してしまうので、敢えて本作品に付いては、余りコメントをしない事にします。
そして、多くの映画ファンの方に、この映画を楽しんで貰いたいと映画を観終わった時に私は心から感じたとだけ、素直な気持ちを伝えておきましょう。
トムさまが来日した折、アクション+ロマンスもあって、見所てんこ盛りなので、2度は観て欲しいと意欲を語る程の自信作だそうだ。
私はこの映画を観終えて、帰宅してからその記事を読みましたが、なるほど映画を観終えた時に、「面白かったので、もう1度観る事にしよう!」と自然に思っていましたから、トムのその言葉が、直ぐに納得出来ました。
ジョセフ・コジンスキー監督の前作品は「トロン:レガシー」で、2011年のお正月第1弾の映画だったので、きっと多くの方が観られていると思いますし、その方々には記憶に新しいかも知れません。しかし、私は残念な事にJ・ブリッジスと言う渋くて巧い俳優が出ていたにも関わらず、見逃していました。予告編を観て、「この手の映画は観ないでおこう!」と決めた事を今でもハッキリと憶えています。それ故、今回の本作も、予告編では、余り意欲的にはなれませんでしたが、ヒーローを演じるのが、トムさまである以上は、映画ファンを失望させる程の大きなハズレは無いと見込んで、私にとっては、この初監督であるJ・コジンスキー監督の作品にチャレンジしてみたのです。
少なくとも、予告編に騙されてしまう作品ばかりが出揃う昨今の映画界の中で、この映画は、予告編で観た期待感を上回る作品でした。
トム・クルーズは、年々歳を重ねる毎に、スター俳優としての経験を活かして、ドンドンとプロ中のプロとして、素晴らしく成長を遂げているなと私は思います。しかし、彼が出ているから総ての点に関して手放しで良い出来ですとは決して言えない。満点と言う事では決してありません。前半は突っ込み処も満載です。
しかし、中盤からの転回を観ていると、「ほぅ~、そうきたか!」とちょっと予想外の展開が楽しめて、とても気に入ったのでした。
そして、今回のヒロインを演じているのも、オルガ・キュリレンコですから、それ程大きな作品に多数出演していないと言う点でも、新鮮味が有って良かった。
同じく、ヴィクトリア役のアンドレア・ライズボローも日本では「わたしを離さないで」他数本だけで、未だ未だ知名度が無い俳優を起用しているのも良かったと思う。
だが、その一方で、モーガン・フリーマンを初めとして、メリッサ・レオと言う名優をサリー役に起用している。彼女は「ザ・ファイター」では、主人公兄弟ボクサーのマネジャー兼、彼らの母親を見事に演じてアカデミー助演女優賞を受賞している。そしてこのサリーの、ラストのセリフが、これがまた面白いのだ。聖書の創世記を思わず思い出してしまうからだ。こうして歴史は繰り返されるのか?進化するのか?或いは退化しているのだろうか?と言う疑問が浮かぶ!やはりもう1度は確実に、私はこの映画を観る事にします!
予備知識は無しで。
トム・クルーズ主演のSFエンターテインメント作品。
映画館での予告編以外に、予備知識無しで見た。
それが良かったようだ。
異星人の侵略を受けた人類は、その猛攻をしのいで勝ったけれど、地球は荒廃してしまう。
生き残った人々が他の惑星に移住した2077年、ジャック・ハーパーは、地球に残り、空から地上を監視する任務に就いていた。
そんな説明から始まる。
その説明の中で、私の苦手なカタカナ名詞がいつくか出てくる。
それを覚えるのはしんどいけれど、見ているうちにわかってくる。
映像はスゴイ。
地上1000mにそびえる「スカイタワー」。
ジャックが乗り操るパトロール機。
進化したコンピューター機器。
摩天楼が風化し、自然に呑みこまれつつあるニューヨーク。
月。
あるいは、自然の山、川、湖、木々、鳥の鳴き声などまで、目新しく感じさせてしまうこと。
遠くまで見渡せる広い視界の中に見えるものが、とても緻密であり、見たことのないビジュアルは、見る価値ありと思った。
廃墟と化したエンパイアステートビルは、ロケ地のアイスランドに実際に作られたのもだそうだ。
≪人はいつか死ぬが、いかに死ぬかが大事だ≫
つまり、いかに生きるか。
人間とは?
人間が人間であるということは?
という問いかけも。
ストーリーに既視感はあるものの、刻々と変わるトムの表情を見て、彼の実力を感じた作品だった。
オブリビオンとは、忘却、無意識、大赦、忘れてぼんやりしている様子などの意味だ。
メカ好きにはとってもうらやましい!
ストーリーは
地球はすでに60年前にエイリアン スカブによる攻撃で壊滅していた。生存者はみな、他の惑星に移住している。かつては、米軍海兵隊員だったジャック(トム クルーズ)は、地球に残って、残存するエイリアンの監視と始末をする命令を受けて、小型宇宙船に乗って毎日パトロ-ルしている。まだ、あちこちの洞窟や地下壕のなかに、エイリアンが隠れていて、生き残った人間を攻撃してくる。ジャックは、最新技術を駆使して作られた球形の攻撃型宇宙船で、任務を遂行する。指令は 他の惑星の司令塔から PCを通じて送られてくる。ジャックのパートナー、ヴィクトリアは、危険な任務のために出かけていくジャックを、二人が住んでいるカプセルから PCを通じて見ていて、後方援助する。家は、汚染された地面から、はるかに高い位置に建てられたカプセルで、中で、空気も水も人工的に作られている。
ジャックは 何度も何度も同じ夢を見る。それは、自分がニューヨークのエンパイヤビルデイングの展望台で 美しい女性と微笑みを交わしているシーンだった。そんなある日、パトロールをしていると、突然、大型のシャトルが墜落してきて、地球に激突する。大破したシャトルから、5つの人間を乗せたカプセルが散らばった。ジャックは、生存者を救助しようとするが、ジャックのパトロールマシンは、容赦もなく次々と 人を乗せたカプセルを 攻撃して爆破させる。ジャックは、必死で最後に一つ残ったカプセルを守る。残ったカプセルの中で眠っていたのは、ジャックが これまで幾度も夢で見た、美しい女性だった。
しかし、女性を保護したジャックは、何者かに襲われて拉致される。連れていかれた洞窟の中で、ジャックが対面したのは、マルコム ビーチと名乗る、地球に残ったレジスタンス軍の指揮官だった。そこで、ジャックは驚くべき事実を知らされる。
実は、地球には、エイリアンなど居ないのだった。地球を破壊したエイリアン、スカブは人間の中からジャックのような優秀な人を選んで、そのクローンをたくさん作って、思うまま使用している。ジャックやヴィクトリアも そうして作られたクローンであって、すでに人間ではない。しかし、ジャックは例外的に、人間だったときの記憶をもったまま生きている。
カプセルで眠っていた、美しい女性は、ジュリアという名の女性宇宙飛行士で、60年前に宇宙に飛び立ったNASAのミッションだった。しかも、ジュリアはジャックの妻だった。ジャックは、自分がクローンであって、ジュリアの本当の夫ではない、と知るが、ジュリアは、60年前のジャックの記憶をもったジャックを 自分の夫として受け入れる。
恐らく、マルコム ビーチらのレジスタンスとジュリアは 唯一の地球上の生き残りだろう。レジスタンスは 絶えず攻撃にさらされていた。ついに、司令官ビーチは 敵の攻撃で致命傷を受ける。ジャックは、エイリアン、スカブの本拠地に乗り込むために、捕獲したジュリアをカプセルごと連れていく、と連絡する。ジュリアは、ジャックをうながして、自分が原子爆弾を抱えて、エイリアンの司令塔に入り込み爆破するつもりでいた。ジャックは、それに同意したふりをして、ジュリアを再び眠らせてカプセルに入れて、安全な隠れ家に送り込み、カプセルには、致命傷を受けているビーチを乗せて、司令塔に向かう。二人は、宇宙に浮かぶエイリアンの本拠地に入り込み、爆破する。スカブの本拠地は 木端微塵の宇宙の塵となった。
3年の時が経つ。あれから ジュリアはジャックの子供を生み、泉のほとりの隠れ家で平和に暮らしている。生き残ったレジスタンスたちも健在だ。
というストーリー。
二人乗りの小型ヘリコプターのような 球形の戦闘機を自由自在に繰って、地上や空を飛び回る。真っ白でピカピカ光っている。その乗り物を小型にしたような球形のレーダーつきの戦闘ロボットが いつも 後からついてきて、援護射撃して守ってくれる。男の子ならば 誰もが乗ってみたい乗り物、誰もが夢中になりそうな戦闘ロボット。操縦士は、白い宇宙服を着て、ライフルのような銃を背中に背負っている。小型のバイクも 装備されている。いくつになっても 年を取らない、少年のようなトム クルーズが大真面目な顔で、ちょっと嬉しそうに それを操作している。うらやましい。
地上にそびえたつ、プール付き、寝室、台所付きの住宅カプセルには、戦闘機の発着できるへリポートが付いている。すべてガラス張りで美しい。それで、出かけていけば、訳の分からない玩具のようなエイリアンが潜んでいて、それをバリバリ倒していく。これは、メカ好きな男の子たちのための おとぎ話だ。見ていて、とてもわくわくして、うらやましい。
ふつうSFアクションに女性が出てくると とたんにメロドラマ風に 話がトロくなって、つまらなくなるが、この映画は、そんなことはない。さすが、トム クルーズだ。SFなのに、ラブシーンなどが入ってくると、「そんなことをしている場合じゃないでしょ。地球の存亡がかかってるんだからボヤボヤするんじゃない。」と 激を飛ばしたくなるが、この映画では必要ない。登場するジュリアも ヴィクトリアも人工的近未来の顔をしていて、愛だ恋だとべたつかない。ジャックの妻、ジュリアは宇宙飛行士だし、スカブを倒さないことには 人類の生存が危ぶまれる、と わかればすぐに爆弾を抱えて敵地に飛び立とうとする。立派だ。最後に3歳になった娘が出てきて、ふむふむ、そんな時間があったんですか、という感じ。ジュリアを演じたオルガ キュリエンコという女性、日本人かと思ったが、可憐で可愛い。SFだから、頭の良い人が見ると細かいプロットで理屈に合わないとか、科学的でないとか、地球上で生き残ったのはレジスタンスだけで動植物はどうなったのか、とか、放射線で破壊されつくした地球に他の惑星から指令がどうやって届いたのかとか、いろいろ、よくわからないところもあるだろうが、深く考えないで、画面を楽しむのが良い。
安物のSFでなくて、120ミリオンドルというような、沢山のお金をかけて、こういった美しいSFの映像を作り出すことができるハリウッド映画。やっぱり楽しい。見る価値はある。
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