塀の中のジュリアス・シーザー

劇場公開日:

塀の中のジュリアス・シーザー

解説・あらすじ

「父 パードレ・パドローネ」「サン★ロレンツォの夜」などのカンヌ受賞作で知られるイタリアの巨匠タビアーニ兄弟が、2012年・第62回ベルリン国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したドラマ。実際の刑務所を舞台に本物の服役囚たちを起用し、シェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」を演じることで起こる囚人たちの変化を描き出していく。ローマ郊外にあるレビッビア刑務所では、囚人たちによる演劇実習が定期的に行われており、ある年、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」が演目に選ばれる。オーディションでブルータスやシーザー、キャシアスなどの役が次々と決まっていき、本番に向けて刑務所の至るところで稽古が行われる。すると囚人たちは次第に役と同化し、刑務所はローマ帝国の様相を呈していく。

2012年製作/76分/G/イタリア
原題または英題:Cesare deve morire
配給:スターサンズ
劇場公開日:2013年1月26日

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映画レビュー

4.0映像作品が持つ無限の可能性

2025年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

難しい

本作で描かれていることはどこまでが虚構なのか、あるいはすべてはありのままの現実なのか。虚構と現実の境界線があいまいになるまさに映像作品の可能性を広げた作品。

刑務所内で演劇を通した厚生プログラムの下、囚人たちがジュリアスシーザーの戯曲を演じる。囚人たちは本物の囚人で彼らが演ずるのは当然役として演じてるわけだが、演技を練習している段階で彼らの心の内が吐露される場面が何度か描かれる。これはありのままの彼らの姿を映し出したものなのか、それともこれも彼らの演技によるものなのか。それが演技かどうかの境界がわからないまま映画は進んでいく。

すべては演技をしているだけなのか、それとも演じながら彼らの本音が漏れだしてる映像が記録されているのだろうか。
解説する資料なしでは判別がつかないよう意図的にそのように映画は作られている。自分が今見せられているのは果たして虚構なのか、ありのままの現実なのか。虚構と現実の境界線がわからないよう作られていてとても興味深い。
これこそが本作の一番の醍醐味なのだろう。観客はどこまでが虚構でどこまでが現実かもわからないままにその目の前で繰り広げられる映像にくぎ付けとなる。これこそが映画に求められているものではないだろうか。本作は映画の持つ能力の可能性を再認識させてくれる作品である

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レント

4.0囚人たちの演ずるセリフが、犯罪という現実と重なり、どこからどこまで...

2018年11月2日
PCから投稿

囚人たちの演ずるセリフが、犯罪という現実と重なり、どこからどこまでが演技なのか、葛藤なのかがわからないほどリアリティに満ちている。素人の演技とは思えない。
2014.4.4

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miharyi

1.0練習風景を舞台にした発想だけ、惹かれた

2014年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

芸術臭が強くて、見る側に、教養とでもいうか、読み取りの能力を要求し、距離を感じる。
簡単に言うと、理解しずらいくそ芸術映画という感じ。
モノクロを使った意味がわからない。
金獅子賞ておもんないヨーロッパ的伝統文化、芸術を高く評価する傾向があるんでしょうかね。ファウストも最悪だったしな。
受刑者が忠臣蔵やっているようなものか。ただそれならおもしろかも。やっぱり文化の違いって大きい。
ただ、おもんないものはおもんない。

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okaoka0820

3.0勉強が必要

2014年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

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吉泉知彦