「政界の裏がよくわかる。」リンカーン りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
政界の裏がよくわかる。
第16代アメリカ大統領、エイブラハム・リンカーン。
2期目の大統領選に勝利し、その3ヶ月後。
また、大統領最後の4ヶ月間でもある。
奴隷制度をめぐり争われた南北戦争。
たくさんの兵士の命が奪われていた。
戦争の勝利は見え始めていたが、このままでは終われない。
「奴隷解放」
リンカーンが宣言した。
上院は、前任期中に通過したが、下院では否決された≪憲法修正第13条≫。
なんとか今のうちに憲法を修正しておかなければ!!
議決までの1カ月間に起こる多数派工作。
事細かく描かれ、政界の裏工作の様子が、とても丁寧に描かれていた。
リーダーとしても苦悩、疲労、孤独。
大統領として、人々の声に耳を傾け、人民達と同じ間に身を置く。
要所要所でリンカーンが語る、たくさんのエピソードは、どれもがおもしろい。
ユーモアたっぷりだ。
歴史の大きな転換点となった「奴隷解放」。
リンカーンが願った政策が、わずかに、わずかに、実現されようとしていく様が見どころ。
今や「平等」や「自由」は、当たり前のように感じるけれど、
たくさんの人々の努力の賜物だと思うと
ずしりと重みが加わる。
それにしても、トミー・リー・ジョーンズ。
予告編を見た時は、「うふ~、あんな鬘をかぶっちゃって~」
な~んて思っていたのだけれど(私は彼のファンです)、
そうだったのか~。
トミーの存在感と個性と魅力的な人間性は、とても良い。
コメントする