ボディ・ハント : 映画評論・批評
2012年11月13日更新
2012年11月17日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー
タンクトップ姿が魅力的な新世代の戦う女ジェニファー・ローレンス
母娘が森の中の家を購入、引っ越してくる。隣の家で、昔、少女による両親殺害事件があったが、少女は行方不明、今も生きているとも噂されている。今、そこに住むのは少女の兄……。純然たる<ホラー>の定番設定である。この定番を揺るがすもうひとつのサイコパスな定番=ラストの仕掛けをお楽しみに。
森は怖い。森の中の家はもっと怖い。近くの道路名がシカモア・ストリートというので、つい「ツイン・ピークス」でのジミー・スコットの歌「シカモアの木の下で」が浮かんだが、別に映画に超自然は関与しない。
不動産屋にだまされた形で越してきた母娘、娘が「ウインターズ・ボーン」「ハンガー・ゲーム」で、過酷・闘争系ヒロインを演じて<旬>の存在となったジェニファー・ローレンス。母親役がクール・ビューティーの象徴だったエリザベス・シュー。シューがついに母親役か、と感慨に耽ってしまったが、<硬>な表情にあまり経年変化はない。その意味では頬肉がつきやすい<軟>顔のローレンスが上手く美貌を成熟させることができるか、今後が興味深い。余計なお世話か。
気絶させられ、椅子に縛られたローレンスがいかに縄を解くか(これが一番の体感恐怖かも)を含め、ローレンスの新作「ボディ・ハント」はまたしても、いうまでもなく過酷・闘争系だ。ローレンスのむっちりした二の腕に玉の汗が浮かぶとき、彼女が闘争態勢に入ったことをわれわれは知るのである。タンクトップ、ノンストップ!
(滝本誠)