人生の特等席のレビュー・感想・評価
全63件中、41~60件目を表示
これオヤジの理想の娘像だろう
こんな娘が欲しいという妄想に近い気がしなくもないが、そんな年でもないので断言は控える。
つっこみどころ満載なのは誰がみても明らかではあるが、これは寓話とすんなり受け入れられるポジティブさに溢れていた。
そんな馬鹿な、と鼻先で笑いつつも、見ている側に不快な気持ちはなく、むしろ良かった良かったと安心させてくれる。
ちゃんと見終わって、それなりに充実感があるように作られた、親切な映画だと思った。
幼い娘を手元から離した理由が意味不明なのも、もうスルーでいいでしょう。
親子というもの
自分のことのよう
親子愛・無名の青年のシンデレラストーリー・大団円…だけど監督デビュー作で置きに行った感が…。
よかった!!(○´∀`○)だけど、イーストウッドの一番弟子ってことでどうしても色眼鏡であら探しをしたくなる。んで、粗探しし出すと、最後のキスシーンとか普通すぎないか?(´・ω・`)とか思った。割とベタなせっていじゃないか?とかね。ストーリーは直球だった。変化球がもう少しほしかった。
正直、映画は“特等席”ではなく“普通席”だが、全体的に好感
クリント・イーストウッド。
映画界の“生き神様”である。
そんな彼の「グラン・トリノ」以来の俳優復帰作。
しかも、自分の監督作以外への出演で、久々に俳優業一本のイーストウッドが見れる。
ガスはメジャーリーグの大ベテランのスカウトマンだったが、視力の衰えでキャリア継続の危機。そんな彼を心配し、疎遠だった弁護士の娘ミッキーが父の仕事を手伝う事に…。
話も作風もオーソドックス。
メジャーリーグのスカウト界を題材に、父と娘のぎこちない関係とその修復を温かく綴る。
スカウトの専門的な話も分かり易く、好感。
本作の最大の見所は何と言っても、“俳優イーストウッド”。いぶし銀の魅力を発揮し、老いても尚輝き続ける。
でも、そこが本作の長所でもあり欠点。
主演がイーストウッドでなかったら…? よくある当たり障りのない父娘ドラマになっていたのではないだろうか。
また、「ミリオンダラー・ベイビー」や「グラン・トリノ」のような深遠なドラマを期待すると肩透かしを食らい、役柄も「グラン・トリノ」の役柄と変わり映えしないのも減点。
まるでイーストウッドの一人舞台のようだが、この映画の本当の主役は娘のミッキーなのではないかと思う。
男勝りで偏屈な父にもズケズケ物を言う。幼い頃父に捨てられたとわだかまりを感じつつも、父の才能をしっかり受け継ぎ、最後にその才能を十二分に発揮する。
頑固な性格も野球バカな所もそっくり。似た者同士なのだ。
エイミー・アダムスがイーストウッドを相手に一歩も退けを取らず、さすがに巧い。
作品はイーストウッド演じるガスのようにオールド・タイプながら、口当たり良く、後味爽やか。イイ気持ちで見終わる事が出来る。
そしてやっぱり、イーストウッドの次の俳優カムバックを期待してしまうのだ。
こう言う映画が好きなんだよなぁ
機内で観ました。
上映時に行きたかったものの、事情により観れず、こんなタイミングで観れると思っていなかったので、非常にうれしい。
こう言う、人と人との関係を描いた、昔ながらのストーリーが好きなんです。
少々先が読める場合もありますが、それはそれ、そこも含めて好き。
別にストーリーの奇抜さや、驚く映像が必要な映画ばかりじゃないんだ。
これで充分心に入ってくる、素晴らしい映画だと思う。
それにしてもイーストウッド爺さんは、どの役でも一癖も二癖もある偏屈役が合うねぇ。
それぞれ状況は違うんだが、どれもこれも愛すべき偏屈爺さん。
まだまだ彼の映画が観たいです。
イーストウッド爺さんが出ていなかったら、恐らく私はこの映画に出会えなかっただろうし。
出来れば、監督権主役でやって欲しいですね。
渋い演技が光る
幸せについてじっくり考えよう
昔ながらのストーリーながら
映画ファンとしては
ストーリーはよくあるパターンで、単調ではあるが楽しめる。
父親と娘のホームドラマとして観れば人によってはウルッと来たり、そしてハッピーな気持ちになれるかも。
クリント・イーストウッドファンとしては
「ローハイド」からマカロニウェスタンを経由して監督・出演した「グラン・トリノ」や「マディソン郡の橋」で確固たる地位を築いたのに、何故いまさらこの作品に出演したのか意味不明。
名作「12人の怒れる男」を制作・主演したけど、遺作「黄昏」On Golden Pondで晩節を穢したヘンリー・フォンダのようにはなって欲しくないなぁ。
MLBファンとしては
やっとナショナル・リーグのチームを取り上げてくれて嬉しい。
「くたばれヤンキース」以来「エイトメンアウト」、「メジャー・リーグ」、「マネー・ボール」全部アメリカン・リーグ。
でもミッキー・マントルが好きだってやっぱりア・リーグかよ!
アトランタ・ブレーブスが舞台ならアルバート・プーホールズの再来じゃなくてハンク・アーロンとこなくちゃ嘘でしょ。
ディテールがお粗末。
単にアメリカ人男性は野球が好きだということを言いたかっただけに使われた小道具だったのかな。
愛すべき偏屈親父!
実際はそうではないと言われているが、クリント・イーストウッドの近頃のキャラは、本当に嫌な老人役。楽しげに演じていた。今回の内容は想定内の展開で、驚きはないが爽快感を持って観ることができた。アナログ親父、パソコン拒否いいじゃないの。「マネーボール」のデータ重視の野球もありかもしれないが、この作品のように足で稼ぎ、眼と耳で確認する方が、私は好きだな。データだけじゃ、その選手の性格とか、気持ちまでは読めないと思うしね。原題は何なんだろうって思っていたら、「カーブに難あり」だった。邦題はなかなか工夫しているね。最初の馬のシーンは配給会社のロゴかと思っていたらそうではなかった。後から理由がわかった。自分と父親との関係も思い起こされた。ちゃんと向き合っているかな? あまり自信はない。最近の作品は展開が早くてついて行くのが大変なのも多いけど、こういう作品に出会えるとホッとするな。安心して観ていられた。
100歳まで監督やってくれ
最高でした
師匠イーストウッドの手を完全に離れた時どうなるか?
単純にスカウトマンとしての力量を問われる話で、経験豊富なスカウトマン、ガスをクリント・イーストウッドが演じる。この人が出てきたら、この役を他の俳優では考えられない。ここまで面白くはならないだろう。
娘役のエイミー・アダムスもいい。父親そっくりで意地っ張りで鼻っ柱が強いミッキーにぴったりだ。
どうやらこの父娘、長いことうまくいっていないらしいと分かるオープニングから、デキすぎのラストまで物語自体はまさにストレート一球勝負だ。これを星飛雄馬と花形の勝負を延々と引っ張るがごとく見せ場を作ってみせるイーストウッドとエイミーには喝采を送るしかない。
ガスが墓の前に腰を下ろし、亡き妻に語りかける“ユー・アー・マイ・サンシャイン”の歌詞。
ミッキーが同じ曲を恋人に歌って聞かせる。互いに反発し合いながらも、父娘の強い絆が伝わってくる。
この辺りは、長年イーストウッドの下でやってきたというロバート・ローレンツが、初監督ながら師匠の作品と同じようなカラーを打ち出している。
ただ、師匠のように人間ドラマでも何か事件性を匂わせるようなカットを挟んで遊ぶ余裕はまだ無さそうだ。もっとも、これは往年のアウトローのイメージが定着したイーストウッドだからこそ、観客に〈もしや?〉という疑念を抱かせられる芸当なのだが。そのため事件性を話の核に直接盛り込んでいる。
イーストウッドの出演なしでどこまで師匠に迫れるか、今後が楽しみではある。
ガスとミッキー父娘の真価が問われるラストは、そこに至る伏線があるのでお見逃しなく。
MLBファンには楽しそうなクイズの応酬もある。
気分爽快!
この姿をあと何度観れるだろう
クラシックな作りの映画。安心して観れると思います。やはりイーストウッドの存在が大きいですね。
話の主体は3つです。
1つ目は年老いた野球スカウトマンのガスの話。
昨年公開した「マネーボール」の真逆の立場です。マネーボール理論に共感出来なかった人には良いのではないでしょうか。
2つ目はガスとミッキーの父娘の問題です。
ここで面白かったのは「食べ物」のシーンです。
いわゆる「フード理論」ですが、福田里香さんが以前ラジオで「フード理論」というものを話しているのを聴いてから、劇中の食のシーンに注目するようになったのですが、本作でもガスとミッキー父娘の心の距離を上手く示していました。肉を焼いているガスがミッキーに「お前も食うか?」と言うとミッキーはそれを取り上げ流しに置いてしまいます。とりつく島がない感じです。
次のシーンは球場でミッキーがホットドッグを2つ買います。1つは貰えると思ったガスにミッキーは「2個とも自分が食べる」と言います。ミッキーがまだ心を開いていないことを表しています。
次は朝食のシーンです。2人でテーブルに座ってガスは食べていますが、ミッキーは食べ物をいじっているだけで口には入れません。フード理論的にはミッキーはまだ腹の底を見せていないといったところでしょう。しかし2人でテーブルに着いただけでも2人の距離は縮まったと言えるでしょう。
そしてラスト。父娘の問題を乗り越えた時ガスが言います。「ランチでも行こう」と…ミッキーも快諾して2人で歩き出します。実際には2人の食事のシーンは出て来ませんが、2人の心が打ち解けたことを表すシーンです。
こう観ていくと、また違った見方ができて楽しいですね。
福田里香さんに感謝です。
そして3つ目はミッキーの恋愛です。
この3つのテーマがラストに集約されていきます。
なんかホッとすると言うか、いいなあって感じる映画でした。イーストウッドの姿をスクリーンで観るだけでも価値があるんですけどね。
予定調和だけど、
ストーリーは、すべてがうまくいっちゃう。
映像は、全然、新しさを感じないモノトーンのよう。
俳優陣は、頑固ジジイに、いまを生きる娘。らしい俳優を配置。
すべてが予定調和的な映画だと言えるだろう。
でも、これは否定形ではない。
クリント・イーストウッドの俳優復帰作品として、
ああやっぱり、こんな役なのねと妙に納得してしまった。
そう「グラントリノ」で見せた頑固ジジイなんだけど、
心底じゃ、ふれあいや、つながりを求めてる。
コンピュータやITなんか触りたくもない。
だけど、どこか時代遅れな自分にもため息がでてくる。
そんな役。
だから、いまの高齢者たちへのイーストウッドのやさしさであり、
リスペクトであるとも言えると思った。
それに、忙しい弁護士で共同オーナーになる寸前の娘、
だけど、本当はメジャーリーグが大好きな娘。
そんな娘役のエイミー・アダムスが素敵だ。
はじめのうちは、どこにでもいる普通の女性だったのだが、
父親とメジャーリーグの旅を続けるうちに、
自分のルーツを発見していく。
そうすることで、輝いていく。
いずれにしても、すべてが予定調和的である。
でも、これは、むかしよく見た映画の世界ではないのか?
心ときめかせて、見に行ったハリウッド映画の良質な部分。
そんなことを思った映画である。
古き良きドラマでした。
昔に観た映画。
昔はこういう映画がたくさん製作されていたように記憶しています。即ち、殺人シーンや暴力シーンや性描写が全くなく、人間同士の交流に重きが置かれていた映画です。最近の映画は視覚や聴覚に突き刺さる映画が余りに多く、辟易していました。井筒和幸なる監督は、「ボクの映画には暴力とエロは必須」と豪語していました(読売新聞の夕刊)。全く、情けないことです。マイナー・リーグの老スカウトマンを演じたイーストウッドの演技は絶妙でした。是非とも、来年のアカデミー賞で主演男優賞を獲得してもらいたいものです。(尤も、イーストウッドはアカデミーの会員たちから煙たがられているので、難しいかもしれません)。時代の最先端を切り開くような新機軸がある訳ではありません。でも、落ち着いて観ることができます。イーストウッドが監督から外れていたせいか、いつものように映画が重たくなることがありません。映画の最後はまるでバート・バカラックの音楽のような軽やかさがありました。
TOHOシネマズ海老名で鑑賞。客の入りは大体、8割くらいだったでしょうか。一人でも多くの人に観てもらいたい映画です。
全63件中、41~60件目を表示