「さて、俺はバスで帰ろう」人生の特等席 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
さて、俺はバスで帰ろう
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映画「人生の特等席」(ロバート・ローレンツ監督)から。
野球を題材にしているが、テーマは「父娘の親子愛」。
映画「アルマゲドン」も同じだった気がする。
娘を思う父親の気持ちは、いつの時代も、そして世界共通、
そんなことを思いながら、観終わった。
ただ、本人を目の前にして、素直に愛情表現できないのも事実。
「服も買えないのか」「ヨガの帰りなの」「カルトにはまったか」
そんな心にもない嫌みを口にしてみたり、
わざと突き放したのも「苦労させたくなかった、三等席の人生だ」と、
娘の幸せを願うことに他ならない。
そんな父親の思いに、娘がやっと気がつき、
「三等席じゃない。目覚めるとパパは野球をみてて、
体に悪いものばかり食べて、徹夜でビリヤード、人生の特等席だった」と
言い返すシーン、ジーンときた。
タイトルの「人生の特等席」というフレーズは、娘の一言だった。
最後に、娘に対して、父親はこう言う。
「同じ血が流れてる。幸せを願ってる」
普段意識しないけれど、妻を大切にする意味とはちょっと違い、
自分と同じ血が流れている子どもとの絆の強さを、私は感じた。
ラストシーン、娘の幸せを邪魔せぬようにサラッと呟く。
「さて、俺はバスで帰ろう」・・・わかるなぁ、そんな父親の気持ち。
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