劇場公開日 2012年11月23日

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「あなたの特等席を是非映画館で!」人生の特等席 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あなたの特等席を是非映画館で!

2012年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

この作品の何が素敵かと言えば、ラストシーンにしびれました!
クリント・イーストウッドが引退宣言を撤回してまでも、この作品に出る事にしたのが、解るような気がするラストシーンを見せてもらいました!

少し前に高倉健主演の邦画で『あなたへ』と言う作品がありましたが、健さんの演じる倉島と言う人物の年齢と健さんの実年齢が違い過ぎるのではないか?とその年齢差が気になり映画に集中出来ないと言う発言をされた方もいたのですが、この『人生の特等席』でイーストウッドが演じている野球選手のスカウトマンのガスは一体何歳なのだろうか?と気にならないといったらやはり嘘になるかも知れない。
そして、6歳から生き別れになっていたと言う一人娘のミッキーは孫と名乗っても決して可笑しくはなく見える。
しかしだからと言って、このガスと言う偏屈親父を巧く演じられるのは、誰か他にいるのかと、考えても、やはりイーストウッド彼をおいて他にガスを演じる事は出来ない気がした。
このガスは野球選手の事なら何でも理解出来るし、将来の才能も予想出来る、スカウトマンとしての目利きは超人的で、神業の域に達していると言うのに、一転して彼は娘との関係で、距離を縮めようとする事さえまともに出来ない不器用な奴なのだ。
そんな父親に、業を煮やし、娘は何とかして、父親との関係を良好なものにしようと食い下がる。実際にもし自分がミッキーの立場なら、どう言う距離感を持って対処するかと気になって見守って観ていました。
ミッキーは自分の仕事のキャリアと父との関係の修復と、そして彼氏との問題と人生の大きなターニングポイントの選択を同時期に迎える事になるのだ。
このピンチに出会っても決して弱音を吐かないミッキーが輝いて素晴らしくチャーミングです!このミッキーを演じているエイミー・アダムス自身も、大きな役を射止めるまでにはとても下積みが長かった俳優さんの様で、苦労人ですが、それだけに芝居は充分に名優イーストウッドの娘を演じても決して浮いて見えたりしません。『ザ・ファイター』『ジュリー&ジュリア』でも良い個性を魅せていました。30代後半になる彼女ですが益々これからの活躍に期待出来る俳優さんですね。そしてジャスティン・ティンバーレイクも素晴らしく好感の持てる役を演じています!
また、ガスの親友であり同僚のピートをジョン・グッドマンが演じるなど、芝居の巧い名優揃いで脇もしっかりと固めています。
いよいよお正月も近づいて楽しみな映画が多数出てくるこのシーズン、今、何となく心の闇の部分にフォーカスした暗い映画が多い今年の映画界で、生きる事への希望が涌いて来るようなハートウォーミングなこの映画、群を抜いて輝いています!是非年末は、この親子の心温まる映画を映画館で観て欲しいですね!きっとあなたも特等席に座れた満足を得られると思います。そして出来る事なら、あなたの大切な人と一緒に感動をシェアして欲しいですね!きっとあなたも、「ユアー・マイサンシャイン」と呟きたくなるだろう!
イーストウッドはやはり、幾つになっても素晴らしい!彼の温もりの有る眼差しが心に暖かい気持ちを運んで来てくれる素晴らしい映画だった!

ryuu topiann