リアル 完全なる首長竜の日のレビュー・感想・評価
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潜在意識でつながる二人。
心が通じ合った二人の愛は永遠、というのがメインテーマかな。深く心が通じ合った二人だからこそのセンシングの効果なのだろう。
最新技術により他人の意識の中に入り込むことができるという設定は人間の意識を可視化するというまさに映像クリエイターにとってそのイマジネーションを最大限に発揮できる設定であり、同様の設定ではターセム監督の「ザ・セル」が忘れられない。
かの作品はサイコパスの犯罪者の意識に入り込むという一種お化け屋敷要素の強いサイコスリラーだが、監督の独創的な映像センスと美術、衣装の格調の高さが相俟って一種のアート作品としても評価が高い。
そしてこの設定は観ている観客も同じくイマジネーションが搔き立てられて、鑑賞中これは実はこうではないか、ああではないかといろいろと落ちを想像してしまう。中盤のどんでん返しも誰もが考えた落ちの一つではなかっただろうか。
正直、あの中盤のどんでん返しが作品通して必要だったかは疑問。ただ、やはり人間の心に潜む不安やおそれを映像化するのに長けている黒沢監督だけに前半の恐怖描写は楽しませてもらった。結局主人公は自分の描いた絵におびえてたことになるけどね。
映像的には邦画独特の安っぽさもなく、センシングの機械の描写もSF好きの満足のゆくものだし、終盤の首長竜のCGもよくできてた。それだけに少々残念なのが主人公が車を運転するシーン。今どき景色のスクリーンを背後に映して撮る手法をやるんだと驚いた。あれはいまだに疑問。
原作未読だったので鑑賞中色々と自分なりの結末を想像しながら見れて楽しかった。ちなみに私が考えた結末はセンシングの時間が回数を重ねるごとに長くなってゆき、被験者にとってセンシングが現実になってしまい、戻ってこられなくなる。そして昏睡状態の恋人と同じ意識の中で永遠に二人は暮らしてゆくなんて、「トータルリコール」や「ミッション8ミニッツ」みたいな結末もありかなと思った。
SF?ホラー?ファンタジー?
退屈なのに引き込まれました(なに、それッ)
2013年。黒沢清監督。原作は乾緑郎(このミステリーがすごい大賞受賞作)
まぁ一番の弱点はSFだとしたら、意識が入れ変わることの、科学的根拠がないことかな?
科学の話が、古代白亜紀・ジュラ紀の首長竜の話になり、
はたまた子供時代を過ごした飛古根島での、トラウマ体験へと繋がる。
妻・綾瀬はるかの意識に侵入して、彼女と対話する夫の佐藤健。
(綾瀬は漫画家で創作に行き詰まって自殺未遂をして昏睡状態と言う設定です)
そのセンシング(意識の入れ替わり)の一時間で、綾瀬は健に、
「子供の頃私が書いて、あなたにあげた首長竜の絵を探して・・・)
と謎の言葉を残します。
首長竜って恐竜ではない・・・らしい。
(生息期間は2億5000前から、6600年前で、ここは恐竜とはリンクするが、)
後半で巨大な首長竜がCGで本当に現れて大騒動を起こす!?
私はここでかなり驚いた!!
「絵、じゃないの?」って。
その前にも、夫妻の住む部屋に、綾瀬の漫画のに登場する。
《ゾンビ》や、包帯を巻いて横たわる《ミイラ》
・・
摩訶不思議な世界観だ。
マンションのドアを開けると、いきなり
《水浸しになる部屋》もシュール。
健くんが足首まで、変なパンツスタイルなのは、足が濡れるせい?
後半で、昏睡しているのは実は○○○の方だった・・・
と、どんでん返しがあり、
健くんのトラウマは、いじめっ子の少年アタルの事故にある、と判明するのだ。
医療SF映画から、ホラーそしてファンタジー。
と、色々楽しめました(笑)
でもやや消化不良です。
でもヘルテコで忘れられない思い出の映画です。
綾瀬はるかと佐藤健が超売れっ子になる前の、おかしな映画。
黒沢監督も意外とお茶目ですね。
過去鑑賞
黒沢清の映画で、こんなにビッグな二人を撮っていたとは知らなかった...
黒沢清の映画で、こんなにビッグな二人を撮っていたとは知らなかった。はるかさんは非現実的な存在だし、佐藤さんもそんな感じの人なので、ダブルでの展開がよかった。
映像に滲み出してくる現実界の兆候は素晴らしい。
オダギリジョー、染谷、小泉今日子他の脇役も素晴らしい。
現実と虚構が相互浸透し始めるところの怖さは、黒沢ならでは。
最初は、佐藤が現実の側にいて、逆転するという設定はさすが。しかし、はるかさんの表情が硬いので、リアルらしさは弱い。
全ては黒沢清な世界に成る
黒沢映画は全ては黒沢清な世界(廃墟、植物、浮遊するカメラ)に成る、がテーマ。
なわけないがな、とビビり愉しむ。
黒沢俳優総出演な正調黒沢映画に一人綾瀬が迷い込み、どうなるか?な一本。
愉しんだ。
封切り当時以来の再見。
当時支持。
珍妙不気味にCG処理された松重など濃厚な黒沢清臭。
これを終盤で綾瀬はるかの強烈な無臭が吹き飛ばす。
これが楽勝で可能と証明され、だから何?を愉しめるか?の一本、だったのか。
その為の中谷美紀の眼ヂカラか。
もう観ないかな。
【”あの世とこの世”の接点、不可思議な関係性を描くことに拘る黒沢清監督が、エンターテインメント作品として世に送り出した作品。だが、公開当時、その世界観への評価は大きく分かれた作品でもある。】
ー黒沢清監督は、”あの世とこの世”の接点、不可思議な関係性に拘り、独特のスタイルで映像化して、海外から高い評価を得ていた。但し、国内での評価は・・。
原因は明らかで、エンターテインメント作品としては、今作までは内容が少しだけ、分かりにくかった・・、大衆に受けにくい内容であった事に起因すると思われる・・。
私もその一人で、地元のシネコンで今作を鑑賞した際には、主演が佐藤健さんと綾瀬はるかさんであるので、エンタメ王道作品かと思い鑑賞したが、黒沢清ワールドを脳内で消化しきれず、??で劇場を後にした・・。
その後、「岸辺の旅」「クリーピー 偽りの殺人」「散歩する侵略者」を劇場で鑑賞し、どの作品も、大変面白く鑑賞した。
そして、黒沢監督の初期作品を数作観てこの稀有な才能を持つ監督が一貫して描いてきたことが仄かに分かり始めた・・。
初見時評価を敢えて定量的に示すならば、3.0。
黒沢清監督を数作鑑賞後、久しぶりに今作を鑑賞して総合的に4.0と言ったところだろうか・・。ー
■簡単な粗筋
・フジタコウイチ(佐藤健)はダークテイストの絵柄で人気のあるアツミ(綾瀬はるか)と暮らしている。
・一年後、観客にはアツミがスランプに陥り、自殺を図り昏睡状態である事が示される。
・コウイチは、アツミを目覚めさせるために、先端医療センターで”センシング”という、他者の意識に入り込む施術を受ける。
ーこの辺りの医療機器の描き方が、「回路」や「ドッペルゲンガー」と同様にチープで、作品の低評価の一因になったのでは・・、と久しぶりに鑑賞して思った。他者の意識に入り込むという似たテーマでCN監督が「インセプション」を発表し、世界を驚愕させたのは、今作の3年前である・・。ー
・コウイチとアツミは小学4年で、飛古根島で出会っているが、コウイチは父親の”仕事”の関係で都会から移り住んだ少年で、アツミに想いを寄せている少年、”モリオ”から敵視されている・・。(この件は、再後半の明かされる・・)
・コウイチは昏睡状態のアツミの意識に何度も”センシング”で入り込み、アツミの意識を戻そうと努力する。そして、実際に飛古根島に渡り、アツミが”小学4年の時に書いた首長竜の絵は完ぺきだった・・。探して・・。”という言葉の下、その絵を島内で探す。
・コウイチはアツミの意識を囲う、霧を通り抜けると、そこは飛古根島だった。そして、謎の少年が現れ、岩場の海岸に導かれる・・。
・飛古根島でコウイチとアツミは小学4年時に起きたある事故・・。謎の少年は、”モリオ”であり、アツミが書いていた、漫画ルーミー”ROOMI"は”MORIO"のアナグラムである事が分かる・・。
<ここからは、実際に見て頂きたいのであるが、コウイチとアツミの関係性の真実が露わになる過程は、久しぶりに鑑賞すると、成程・・と腑に落ちるし、”フィロソフィカル・ゾンビ”の使い方など、「回路」で多用されたジャパニーズ・ホラーテイストも仄かに描かれ、黒沢清監督独自の世界観はキチンと表現されていたのだなあ・・、と初鑑賞後7年後に理解できた作品。
”けれども、今作を初めて見たら、ナカナカ理解は難しいよな・・”とも感じた作品でもある。>
<2013年6月 シネプレックス岡崎(現ユナイテッドシネマ岡崎)にて鑑賞・・。
鑑賞記録もなし・・。>
<2020年10月 別媒体にて再鑑賞>
自殺未遂で昏睡状態の妻を救うため、最先端の技術「センシング」で意識...
自殺未遂で昏睡状態の妻を救うため、最先端の技術「センシング」で意識の中に入り込む夫。
センシングを繰り返すうちに意外な事実が判明する。
意外なほどに評価が低いが、私は十分楽しめた。
最後のモリオのしつこさにはうんざりしたが。
これは、レビュー書くのが非常に難しい。 綾瀬はるか×佐藤健 に惹か...
これは、レビュー書くのが非常に難しい。
綾瀬はるか×佐藤健 に惹かれて鑑賞しましたが、
これまた難しすぎて、どこをどう理解すれば良いのやら。ラブストーリーなのか、ホラーなのか、ファンタジーなのか。もはや???
ただ。黒沢清監督の作品とは自分の好みが合わないように思いました。単なる好みの問題。だから、この監督が言わんとしていることが、私には理解できないのでは無いのかなと。
佐藤健さん、演技力めちゃくちゃある俳優さんで、好きなのですが、あのシャープな見た目とは裏腹に喋り方がおっとりしてるので、いつもドキドキする笑 この弱々しい男はなんだと、本作でも母親目線で鑑賞してしまった!ではないか。演技力はあるものの、体格の良い女優さんの横に立つと、華奢な体型が目立ってしまうのね。足首出てるパンツも、正直変なのって思っちゃった。スタイリストさん、健さんの良さをもっと引き出してほしかったよ、、、
首長竜が雑魚すぎ
ペンダントで収まる怒りってなんなんよと。
センシングの主体が実は綾瀬はるかだったとかも、いかにも頭の中で話をこねくり回してる感じで、だからなに?と。
綾瀬はるかはいい女優なんだなーと思った。
深みにハマる謎解き
もりおは忘れてはいけない存在。 15年前の事件とは?一件捜索願いが出されているのは、もりおが行方不明者なのかもしれない。 あの島で何が起きたのかは想像に任されている。事件か事故、それは当事者にしかわからない。どちらにせよ、もりおは見つかっていない。主人公は大人になり不注意により溺れてしまい、それは天罰と受け止めて了えば、人生を諦めて旅立つしかない。そこで、愛するものの存在は大きい。愛するものの手を離さなければ戻って来れる。
センシングとは?
「ルーミ」という連続殺人鬼をリアルでグロテスクなものを描く人気漫画家である敦美(綾瀬)。藤田浩市(佐藤)は小学校のとき飛古根島という離島で同級生だった。首長竜の絵を探し求め、何度も最先端医療であるセンシングを繰り返す浩市。そのうち敦美の連載打ち切りが波紋を呼ぶことを恐れ、アシスタントの高木(染谷将太)がルーミの番外編を描くことになる。
やがて現実と夢との境目がわからなくなり、見知らぬ少年が浩市の前に現れるようになってくる。15年前の島でのリゾート開発をめぐる問題もあり、社会派的な要素も取り入れようとしているのだが、結局はよくあるパターンで、漫画家は浩市の方で昏睡していたのも浩市!
そして、死期がせまる浩市に対して敦美はセンシングを強く希望して行われる。そこからは過去への贖罪。浩市を憎む少年モリオの存在があり、彼は引き潮に足をとられ溺れ死に、それを2人がすべてを首長竜のせいにしてしまったという話。ううむ、SFがラブロマンスというテーマにすり替わってしまった感じがするけど、アシカ(?)をベースにした首長竜のCGが見事すぎるため甘めの採点。
こういう見方はいかが?
Amazon prime にて視聴なんだけれど。
携帯でイヤホンで布団の中で見たせいで、開始10分で寝落ち。
そして私の頭の中に佐藤健がセンシング!
私はいつしか彼に手を引かれて あちらこちら彷徨っていた。
目覚めると携帯のバッテリーが激減りしてて
目の前の画面は「もう一度見る」になっていた。
どういう仕組みなのか、
音声が脳に届き、それに合わせて私の脳内で映像が作られる。
私の脳内の発想が貧困なのか、実際の映像に負けているところががっくりなんだけれど、体験としては面白い物だった。
えー
目覚めて見直しました。
つげ義春を久々に思い出した。
最近どういう扱いになっているんだろうか、もはや古典?
この撮影場所が気になって検索したら
八丈島らしい。
島を観光開発したはいいけど、沖縄に負けて大型ホテル事業は倒産。
その後 持ち主は二転三転するも
今はもはや 三大廃墟 という妙号までいただき
その開発側にいた父と息子が
島の人間に憎まれるのは避けがたいこと
これに加えて
幼い頃のクラスメイトの死
トラウマの要素は完璧。
ラスト付近の首長竜は 動きも含め
上手く出来ていた。
ネタばらしの方法も
佐藤健が 自分の口で「俺の方だったんだなあ」って言っちゃう所は良かった。
原作を先に読んでいたら
いろいろ思っただろうが未読が幸いした。
ひとつ
綾瀬はるかの肩幅が佐藤健より広いのが気になったなー。
義母と娘〜ではスレンダーに見えたので
この人のスタイリストさんは
もうちょい頑張ってください。
すごい頑張ってつくった映画
話が凝りすぎてるせいか、そろそろ終わりかな、と思ったら何回も終わりませんでした。演出とか脚本を欲張り過ぎたせいでしょうか。
そのくせ終わり方はちょっと物足りない感じ。
どんでん返しのミステリー要素、ホラー要素、アクション要素など全部乗せって感じです。
ただやはりどれも中途半端になってる感じがしました。
正直ミステリーパートをもっと詰めて「逆だったのかー」のあたりで終わりにしてもよかったかなとも思います。
あと演技も序盤気になった。
総合して面白さはおいといて頑張りはかなり感じる映画でした。
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