野蛮なやつら SAVAGESのレビュー・感想・評価
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共感を呼ばないワイルド
まさしく"野蛮"な面々の対決は、
ドンパチ応酬ではなく比較的、静かに展開され拍子抜け。
"ドラッグビジネスに足を踏み込んだ時点で死んだも同然"
それを身をもって学習してゆく若者の成長物語だった。
いや、成長じゃないな。
退化やな。
すべての悪事を美化するような終盤に興醒め。
豪華な脇のやつら。
0・ストーンってこういう作品も撮るのねー。意外。
というよりも、原点回帰になるんだって。
まったくノーマークの作品で、監督が誰なのかすら
観るまで気付かなかった作品。あぁ、ごめんなさい^^;
冒頭からヴァイオレンスの嵐。
どうりで客席に女性が少ないよなー、とは思ったけど
(私みたいなモノ好きなオバさんもチラホラいたけど)
うわ…頭部。。。そりゃR15+指定になるよね、これは。
男2人に女が1人、男は親友同士で女を共有(ウゲぇ~!)
元サーファーのお兄ちゃんたち(という風情の)は、
大麻を売り捌く新手のベンチャービジネスで大成功を納め、
その収益はアフリカ慈善事業に注ぎ込んでいる、っていう
何かものすごく変わり種の人々(ゴメンね、ついてけなくて)
今はカリフォルニアのリゾート地で悠々と暮らしている、
っていう冒頭のナレーションを、OことB・ライヴリーが
不穏な結末をほのめかしながら、進めていく展開なんだけど
のっけから凄惨な映像がテンコ盛りなので、
もうこれは、最後まで覚悟せにゃならん!と腹をくくり…
物語は非常に分かり易い!のがご愛嬌だけど、
そんな二人が麻薬カルテルからの誘いを断ったのが運のつき。
Oはさらわれるわ、事業を譲っても解放してもらえないわ、
まぁそんな仕事をしてて、無事に済む方がおかしいけどねぇ。
で、二人の反撃が始まるんだけど…。
銃撃、爆撃、そっちは任しとけ!ばかりに監督がいつもの凄惨な
戦いぶりをこれでもか、これでもか、と最後まで見せてくれるので、
それはそれで(お好きな方は楽しめるので)いいとして、
とにかく今作には脇にまわった豪華なキャストが揃い踏み!
J・トラボルタ、B・デル・トロ、S・ハエック、E・ハーシュ、
「チェ」でカストロを演じたD・ビチル、監督の息子まで出てる。
主役はT・キッチュ(どう見ても悪役面だと思うのよね、私は)と
A・ジョンソン(キック・アスはおバカ、ノーウェアボーイは美青年)
あとは前述のB・ライヴリーということで、脇役が完全支配する
上等演技合戦において、若手がどう台頭するかみたいな戦い…?
そう思って観てみると、けっこう楽しかった。
中でもデル・トロは完全に入っちゃってる演技で怖いのなんの!
サルマの暴虐ぶりもかなり入ってて、巧かったわねぇー。
ラスト、ここでやっとOのナレーションの幕が下りるんだけど、
まさかと思うエンディングが用意されているので、これは
果たして、、、どうなんでしょうかねぇ、、、笑えるのかしら^^;
(さすがO・ストーンという感じだけど、とにかく野蛮すぎて疲れちゃう)
悪いヤツばかり。
登場人物は、悪いヤツばかり。
主人公のチョンとベンだって、極上の麻薬を栽培して、荒稼ぎしているのだ。
二人ともイケメンだからと言っても、悪いヤツなのだ。
そのイケメン悪いヤツに、メキシコの麻薬組織の極悪人が、事業提携しなければ、二人の共通の恋人Oを殺すと言うのだ。
まさかサーファー上がりの若者が、組織に逆らうとは思いもせず、でも、まさかの逆らいがあって、どんどん坂道を転がり落ちていく。
悪いヤツと極悪人。
まともな取引ができるわけもなく、お互いの腹を探り合い、裏をかき、その裏をかき、悪の連鎖がエスカレートしていく。
その修羅場、あの修羅場、その修羅場も、何だか、憎めないんだよね。
無責任極まりない。
でも、何だか、ユーモアがあるんだよね。
若くて、ワイルドで、図太くて、それが良い。
麻薬捜査官のジョン・トラボルタ。
なんともハマリ役で、とても可愛い。
極悪人のベニチオ・デル・トル。
凶暴さ、目付きの悪さ、ずる賢さ、どれも一級品。
サルマ・ハエック。
クレオパトラもどきの髪型に、セクシーな洋服、宝石。
アヤしいアヤしいと思っていた鬘を取り捨ててくれて、嬉しかったわ~。うふふ~。
女お頭役が見事に似合っていた。
Oを演じたブレイク・ライブラリー。
グゥイネス・パルトロウ似で、美しく可愛い。
テイラー・キッチュは、相変わらずカッコいい。
ベンを演じたアーロン・ジョンソンは、若き日のジョン・レノンを演じた彼だよね。
その役とは全くタイプが違って、繊細さを持ち合わせた役がとても良かった。
原作とは結末が違うそうだけど、映画として見ごたえがあり、良かったと思う(原作未読)。
クールな映画
ストーリーが良い。
キャストが豪華。
面白い痛快な映画でした。
ドラッグやアクション、ラブシーンなどてんこ盛りのスタイリッシュな作品。
残酷描写がすごい。爆走している。
エンディングもナイス。
さすがオリバー・ストーン監督作。
煙いビジネスをオリバー・ストーンらしく疾走感溢れる映像に!欠点があっても、もう一度観たくなる映画(^^)
こんにちは。
グランマムの試写室情報です。
『野蛮なやつら』★★★★
久々にオリバー・ストーン監督らしい新作を観た思いです。『プラトーン』『サルバドル』『7月4日に生まれて』などの戦場心理ものや、『ウォール街』『JFK』『ニクソン』といった社会派監督としての評価が定着しています。
個人的な感触として、この監督には、”煙い””アシッド”な世界観が似合うと思っていました。事実、ドラッグ所持で逮捕されたことがあります。煙い人だった のでしょう^^;
なぜ、私が直感で、それを感じたかというと、『プラトーン』など、他の作品でも、”煙い””アシッド”的なシーンの演出が秀逸だったからです。どの監督にも 、”これを描かせたら上手い”分野がありますよね。
特に、失敗作との声が高い『ドアーズ』をこよなく愛する者としては(あぁ〜!ジム・モリスン!ジム・モリスン!愛してます(*^。^*))、米国ドラッグの 歴史的経緯、ミュージシャンとドラッグの関係などが分って、非常に楽しめました。
言っておきますが、私は”煙い女”ではありませんよ(笑)一度も経験ないですぅ^^;
本作は、評論家仲間から、”煙い、煙い”と聞かされ、ストーンの得意分野が観られると期待して出かけたところ、それを裏切らない嬉しい仕上がりになっていました!もう一度、観たい〜と思わせたほどです。
キャスティングもグラマラスの一語です。今、イチ推しするエゲレスイケメンのアーロン・ジョンソン!(ジョン・レノン役と『キック・アス』でご存知でしょう)と、 『バトルシップ』『ジョン・カーター』で注目されるテイラー・キッチュ。
脇を固めるのが、ジョン・トラボルタ、『トラフィック』ゲバラを演じた『チェ』のベニチオ・デル・トロ、『フリーダ』などのサルマ・ハエックという、オスカ ー・ノミニー・スター群ですから、何と贅沢なこと!
物語は、2人の男に愛されるオフェーリア(Oと呼ばれる)の独白から始まります。西海岸のセレブなビーチに豪邸を構えるベン(アーロン・ジョンソン)と、チ ョン(テイラー・キッチュ)は、大麻栽培ビジネスで莫大な収益をあげた若き大富豪。
傭兵として戦場を渡り歩いてきたチョンが、アフガニスタンから最上の種子を持ちかえり、それを植物学者のベンが最高級の大麻に生育。ベンの意向で医療用大麻 などに多く出荷し、”クリーン”なビッグビジネスに成長させました。
美しいカリフォルニアガールを共有する3人の生活は、豪勢で穏やかなセレブ生活そのものでしたが、メキシコの巨大麻薬カルテルが、強引にビジネスの提携を迫ったところか ら、危険な日々が始まります。
カルテルの女ボス(サルマ・ハエック)は、彼らに服従することを要求し、Oを拉致してしまいます。愛するOを人質に取られ、無理難題なビジネスを提案するボ スに、2人はOを奪還しようと反撃に出ます。
ボスの弱みを握るべく、かねてから通じていた麻薬取締官(トラボルタ)から情報を得ます。IT部門(?)も抱える2人は、頭脳作戦により、女ボスの部下が裏 切っている証拠をでっち上げ、ボスの腹心(デル・トロ)に渡します。
騙したり騙されたり、ハラハラドキドキの奪還劇が続きます。
Oに対する暴力場面をネットにアップしたり、メールに添付。24時間監視システムなどの現代的要素も、ふんだんに盛り込まれていました。
本作で際立つのは、アシッド的な面もよりも、暴力描写でした。
ハエック、デル・トロとも、容赦ない冷酷極まる残虐さで、敵・味方なく殺戮を繰り返します。
銃による解決法は好まない私ですが、本作には、それでも何か透明なイメージ、ピュアな世界観を感じたのです。
Oを演じるブレイク・ライブリー(『ゴシップ・ガールズ』)をはじめ、主要3人の醸し出す清潔感も影響しているでしょうか。
麻薬ビジネスに関わる人間の闇黒さ、エグさが、登場人物たちから感じられないのです。
カリフォルニアのキラキラした陽光、目的に向かってぶれない主人公たちの姿勢から受ける印象もあるでしょうか。
“煙い”という評判も、むしろ肩すかしでした。あまり沈澱しない、爽やかさすら感じさせるドラッグ描写。ストーンは、大麻をクリーンなものとして、描き出したような気がします。
米国でベストセラーとなった原作は、当初から作者が映画化を視野に書き出し、本作の脚本も書いています。
原作とは異なるという結末も、エンディングイメージの豊かな作者による、米国らしい終焉です。
ストーン特有のグラグラ揺れるカメラワークから、一気に空撮へ。息詰まる緊張感を背景に、スケール感のあるエンディングは見応えがあります。
でも、観客には納得のいくような、いかないような、分かるような、分からないような結末は、好き嫌いが別れるところでしょうか。
原作者は、表題通り、“人間は野蛮へ回帰する”ということを言いたかったのかもしれません。
ストーリー展開と共に、本作の魅力は、やはり、豪華な俳優陣の演技、存在感にあるでしょう。
個人的にイチ推しのアーロン・ジョンソンは、ストーンの期待に応え、大麻で得た収益を途上国の支援に当て、暴力を好まない優しい植物学者を好演しています。
驚きは、歩き方まで米国人らしく演じていたこと!エゲレス人男性は、腕も背筋も真っ直ぐ伸ばして歩くのです。
対して、米国男性は、腕を曲げ気味に少しずつ猫背っぽく、ちょっとしたゴジラ的な歩き方をしますが、アーロンは、きちんと米国男性のそれになっていました。
テイラー・キッチュは、鋭い目の光りから、筋肉の動きまで、元傭兵らしく、暴力にもためらいのない、しかしハートの熱いナイスガイを演じ、適役です。。
トラボルタの腐敗ぶり、狡バカっぽさも笑えます。ハエックは、メキシコを代表する女優として、さすがの貫禄を見せつけます。
デル・トロの深い役作りは、脇役でも惜しむことがなく、麻薬カルテルの腹心が放つ残虐さ、欲深さ、狂気を怪演。
バラエティーと魅力に富んだ本作は、音楽好きなストーンらしく、ビートルズと、光溢れる海岸の空撮で閉められます。最後まで、“煙い”とは感じない (?)映画でした。
長文をお読み頂き、有り難うございます。本作は、3月8日よりTOHO シネマズスカラ座などで、全国公開されます。ぜひ、ご覧ください!私ももう一度、観てみます☆今度はアーロン・ジョンソン中心に…(^_-)☆キラリ
若手育成
マリファナを栽培して富を得たベンとチョーンは メキシコのドラッグディーラーに無理な商談を迫られる。 うまくかわそうとしたその時、二人の愛する女性・オーを 人質にとられてしまう。。とストーリーは流れます。
『ジョン・カーター(2012)』(テイラー・キッチュ)と『キック・アス(2010)』(アーロン・ジョンソン)の共演。 花を添えるのは『グリーン・ランタン(2011)』の彼女(ブレイク・ライブリー)。 脇を固めるのは『チェ(・ゲバラ)(2008)』(ベニチオ・デル・トロ)と『ヘアスプレー(2007)』のママ(ジョン・トラボルタ)。 そしてメキシコと言えばこの女優さん、サルマ・ハエック。
今の時代にあって アナログっぽさを感じさせる演出に 興味を引かれましたが、主役組がそれをこなせていない気がしました。 若手育成の作品と言える仕上がりです。
細かい演技ができない ブレイク・ライブリー。 セクシーで男と絡むシーンはお得意のようですが、人質にとられてからの後半は 脇役組にほとんどカバーしてもらってました。 彼女のナレーションも 私的にはいらないと思いました。
今をときめくイケメン・タッグ、テイラー・キッチュとアーロン・ジョンソン。 この作品で一皮むけた二人を想像していたのですが まだアイドル路線からは抜けられないようです。 特にテイラーの演技は どの作品でも同じに見える。。。
普段は主役級の脇役組、若手のサポートに 大わらわでした。 また欲張りなことに ブラック・ユーモアも交えた内容でベテランの皆さん さぞご苦労だったでしょう、お疲れ様。
残虐なシーンや 濃厚ラブ・シーン、危機に陥ったり・逆転劇でスカッとしたりと盛りだくさんの内容で 2時間にはめ込むよりテレビドラマで回数を分ける方が もっとしっかり楽しめたかなと感じました。 裏社会を垣間見るという部分で『トラフィック(2000)』を思い出しましたが、全然負けてます。
演技力に目をつむり、豪華キャストと撮影場所・シーンごとのコントラストがよかった点で 3.5評価。 笑うところではないけれど、(劇中の)ベニチオさんのまゆ毛と トラボルタさんの髪型がすごいです(笑)
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