劇場公開日 2013年1月18日

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「大人の“遊び”を満載 これは“大人のショータイム”だ」テッド マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大人の“遊び”を満載 これは“大人のショータイム”だ

2013年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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ジョンのあどけない願いが叶って命を宿す熊のぬいぐるみテッド。幼い一人と一匹は永久の友情を誓い合う。典型的なファンタジー・ワールドのオープニングだが、いっときは「奇跡のテディベア」ともてはやされたのも過去の話。中年になった生きた縫いぐるみは、酒と女とマリファナ漬けという体たらくで世界一ダメなテディ・ベアとなってしまう。そのピークとそこから落ちぶれていく様をダイジェストで見せるタイトルバックが楽しい。

ともにダメ中年となったジョンにマーク・ウォールバーグが妙にハマる。ひょっとして演技ではなく地か?と思えるほどだ。
ジョンとテッドのあいだで振り回されるジョンの恋人ロリーにミラ・クニス。いまラブコメに最も合う若手女優だ。あの大きな瞳で、ダメ男とダメ熊に負けない存在感を示す。

実写映画に動くぬいぐるみが登場(設定は異星人)といえば「ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀」(1986)を思い出すが、当時、最高の制作陣で作られたのにもかかわらずIMDbのワースト100作品に入るなど悪評だった。
対してこの「テッド」はどうだろう。全米での興行収入はもちろん作品に対する評価も高い。
その違いは、熊のぬいぐるみが動く話なのに[R15+]指定という、大人向けのちょっとエッチな映画にしたことだ。「ハワード・ザ・ダック」とはバカバカしさでは共通したものがあるが、子供だましの映画でないところに魅力があるのだ。大人の“遊び”を満載している。だからお伽噺のようなエンディングも却ってジーンとくる。

“遊び”はコードに触れる台詞や行為だけにとどまらず、「アバター」のジョヴァンニ・リビシに異常な親子の親を演らせたり他の多くの有名人によるカメオ出演にも現れ、映画ファンにはそこも楽しみのひとつとなる。
ウォルター・マーフィによる音楽も、60〜70年代の雰囲気を持つ華やかさがあり“大人のショータイム”を彩る。

マスター@だんだん