テッド : 映画評論・批評
2013年1月15日更新
2013年1月18日よりTOHOシネマズスカラ座ほかにてロードショー
毒舌テディベアと中年ダメ男の爆笑バディムービー
ギャップが大きいほど魅力は増す。その定説をこれほど証明してみせるケッサクはないだろう。なにしろ、見た目はかわいいテディベアのテッドの中身は下品な元セレブの中年オヤジ。しかも、親友の優柔不断なダメ男ジョンを演じるのも、最近はおバカコメディが続いているマーク・ウォールバーグ。子供時代の誓いどおり、ずっと一緒に27年間過ごしてきた彼らの物語は、相棒がテディベアというだけで、まさに大人になりきれない男たちのバディムービー。男ならテッドの悪友ぶりに大喜びし、女だって彼のナイスなジョークのセンスにハートをつかまれまくり。もちろん、ふたりが子供時代を過ごした80年代の懐かしネタをちりばめたり、大物スターが実名で登場したりとお楽しみも盛り沢山なのだが、最高なのはおバカな笑いをまき散らしながら、最後は愛と友情に胸を熱くさせるってこと。それがアメリカンおバカコメディのお約束だとわかっていても、その予想をはるかに超える感動をくれるあたりも大ヒットの理由だろう。
セス・マクファーレンはそもそもアニメ化を考えていたそうだが、テディベアが喋るというシュールさは実写ならでは。だが、それを可能にしたテクノロジーの進歩に感心せずにはいられないが、“奇跡のクマ”のセレブライフを楽しませながら成長を一気に見せるオープニングタイトルや、脇役まで何気に美女をそろえたキャスティングなどなど、やはり痺れずにいられないのは、本作に“魂”を宿らせたのはセスのセンスの良さ。日本では女子受けしないこのジャンルも、今作ばかりはテディベアが主人公だってことで、大ヒット確実!?
(杉谷伸子)