レ・ミゼラブル(2012)のレビュー・感想・評価
全396件中、281~300件目を表示
素晴らしい
小学生の頃、青い鳥文庫で「ああ無情」を呼だのだが、ほとんど記憶にない。
というか、レミゼラブル=ああ無情だと知ったのはついこの間である。
そんな私はCMを観て衝撃が走った。
実は私は無類の女声好きなのだが(別にいやらしい意味はない)、流れてきた歌声にすっかり魅了されてしまったのだった。
事実上、予備知識0で挑んだのだ。しかし、セリフの9割が歌というのは私にはドツボであった。
なにぶんミュージカル系の歌が大好きなので単調と批判される9割歌も私は肩を揺らして楽しんでいた。違和感は皆無、息づかいまで歌に入っているのでむしろ感情移入できた。
そしてなんといっても、どんなにクサいセリフも歌にのせてしまえばロマンチックになるのだ。これは歌の魔力だと思う。
そしてやはり女性は素晴らしい。
脇役の脇役まで素晴らしい声を持っており、何度も鳥肌にさせられた。
特にon my own やdream of dream (間違ってるかも)は旋律が頭から離れず、映画を見終わった後もネットで調べてずっと聴いていた。
総括すると、観ないといけない映画
長いので歌が好きではない人にとっては辛いかもしれない。
ただ一旦感情移入ができてしまえば、とてつもない鳥肌があなたを待っている!
久しぶりにいい映画を見た。
ミュージカル映画は初めて見ましたが、評判通り素晴らしい映画でした。
全編歌で構成されていますが、美しい映像と役者の感情溢れる歌声が見事に融合していて、最後まで飽きることなく、あっという間の2時間半でした。
皆さんがんばりました賞!
2011年にブロードウェイのヒュージャックマンの期間限定のショーを見ましたがその時の歌のうまさに感動しました。
どんな素人でも最初のシーンで実際に歌っていることはわかるので一瞬鳥肌立ちますが徐々に飽きてきます。
が、あれをやられてしまうとこれから作るミュージカル映画はこの手法なのかと思うと役者泣かせ。
ラッセルクロウのような歌イマイチの方が目立ってしまいます。
アンハサウェイの名場面をCMで流してしまうとつい観に行っちゃいますよね、一番泣けるシーンをあんなにCMで観たら泣けないんですけど・・・
でももう少し歌声聴きたかったです。
できるだけいい劇場でサウンドのいい所(できればIMAX)での鑑賞をお勧めします。古い映画館は避けましょう!
やはりミュージカルはイイ。
舞台版も小説も見たことはなかったのですが、レミゼ。
ミュージカル好きとしてはこの圧巻の2時間弱、楽しませて頂きました。
映画じゃないと出来ない場面転換や、演出はいいなぁと。
ただ、主要人物が感情込めて歌うシーン等、フィックスが多くなるのはしかたがないのでしょうけれども、画が単調になりすぎるのがいまいちなぁ、と。
あと私の隣で鑑賞されていた方は、女性陣の歌のシーンで号泣されており。
しかし私はというと、ジャン・バルジャンやジャベールの心境変化や、ラストシーンへの下りでいきがつまる思い。
しかし見る側の感情移入する人物が違うと、泣くタイミングも違うのかなぁ、とか。
なんかそんなことを頭の片隅で考えながら鑑賞しておりましたが。
しかし、元々舞台鑑賞も趣味な故、是非これは舞台で見て、生の歌声での感動を感じたいなと思わされました。
映画は映画、舞台は舞台のよさがあるもんだ、と再確認させられた一本。
にしても、冒頭からの迫力は息を呑むものがありました。
ミュージカルとしてはいいと思うし、英語の歌詞も入ってくるけれど、通常の映画部分はしっくりこない。
「レ・ミゼラブル」はミュージカルは見たことないけど、原作は読んだし、前の映画も見ています。
英語が話せない私でも、セリフが歌になっていてそんなに速くないので、字幕なしでも大丈夫そうな感じで、すごく入ってきた。
歌い手の人は皆うまくて、すばらしい曲ばかりだったので、ミュージカルとしてはいいのかもしれないけれど、通常の映画としてはちょっとしっくりこなかった。
キャストでは、ヒュー・ジャックマンのジャン・バルジャンとラッセル・クロウのジャペールがかっこよすぎてイメージに合わない。
どうしても使いたいならば、むしろ逆の方がよかった。
アン・ハサウェイのファンティーヌも何かイメージが合わない。
アマンダ・セイフライドのコゼットはいいけれど、完全に死んでしまって、お人形さん状態。
ストーリーも歌に尺をとられるせいか、ダイジェスト版並の高速回転で回しているので、味わっている暇がない。
ストーリーがしっくりこない理由としては、ジャン・バルジャンやジャペール、革命を蜂起した若者達みたいな、損得や生き残るためではなく、自分の信じるところによって生きる、みたいな人をあまり見かけなくなったということもあるかもしれない。
現在では上から下まで、テナルディエ夫婦みたいな人が急速に増えているような気がする。
隣の国の人を見ると、前から変わってないのかもしれないけれど、さらにそういう感じがする。
逆にテナルディエ夫婦を主人公にした「スウィー二―・トッド」(2007)みたいなものだったらしっくりきたのかも?
あと映像で、すごく小汚い感じがいやだった。
ラスト近くの下水道シーンは強烈だった。
うそでも、もうちょときれいな水にしてほしかった。
出入り自由な映画館でひとりぶっ通し浸りたい♪
高校演劇科に通う娘が、音楽のセンセに「劇科必見」とお達しされたとか「もう2回観に行ったコもいる」とか言っていたので、多忙な合間を縫ってまず1見。
ミュージカルっていうことも知らず、子ども時分に読んだ、西洋道徳的色彩濃い重いストーリーかな、くらいに思い、また「こんなのでミュージカル(劇場版)が何十年も上演され続けてるって、へー」くらいの、まあ、子どもの付添いPTAママ的ノリで行ったのです。
のっけから「下見ろ!」のでかい船引く罪人たちのホンマにエラそうな(これは方言で、しんどそうの意。あれ?これも方言?)歌で、「え~っミュージカルって最初っから歌!?」と、ここでミュージカル嫌いの人はどん引きしてるみたいだけど、私はどんどん吸い寄せられ・・・。
工場でのやりとりに「30年くらい前(海猫Nの学生~就職時代)はこんな感じが残っていたなあ!!!」、娼婦たちの客引きする街角描写なんかには、げげーっと思いながらも、昔近所を歩いていて迷い込んだ飛田に、雰囲気は全く違えども似たようなエネルギーが流れとったと思い出したり、汚い宿屋の床やそこにいる面々に「ちょっと前まで、日本も汚かったな・・・」。
地下水道場面では、アンジェイ・ワイダの「地下水道」をふと想い出し、出口に柵が!?とストレス度180%超え⤴⤴⤴・・・開いててヨカッタヨ~。
宿屋のイカレたモラルなし両親の子(エポニーヌ)が純粋な愛の感情を謳い上げ、他の人に恋しちゃってる彼との一方通行な愛を昇華させる場面では、泥沼の蓮が目に浮かび、若いころの純粋な気持ちを想い出したり、うちの子も両親いい加減でもちゃんとジュンに育ってや~と親心を浮かべたりしながら・・・。
子役のコゼットの、森に一人で行かせないで~の曲と歌声が染み入り、バリケードでの男の子の行動に、あの年頃の子って、この環境だとこう行動する子もいるよね―反抗心と自立心と背伸びと、やんちゃと、わくわくと、すきっ腹なんかで―と納得。その場に飛び込んで助けてやりたいっ悲(T_T)哀
軍隊の隊長さん役の人がほんの少しだけ垣間見せてくれた、人間性と組織の人間としての職務全うとの間の葛藤に、この内戦状態の中で救いを見出したり、戦闘終わって「小さいころから知っている子もいたよ」と流れた血を雑巾で拭う苦渋を押し殺したおかみさんたちに、池田小学校事件でわが子の血だまりに寄り添って横たわり続けたとうわさに聞いたお母さんのことをふと思い出したり、学生運動の孤立には、「歴史は繰り返されているんかな」と。リーダー役の俳優さん、かっこよかったね。
後半、ジャン・バルジャンやジャベール、コゼットたち?が、同じ曲想でそれぞれの感情を歌いながらどんどん筋が近づいて重なっていくところは、「ウエスト・サイドストーリー」の後半、(多分トウナイトを)歌いながらのところを彷彿とさせるものもありましたね。
アマンダ・セイフライドのコゼットよかった。ファンです。彼女出てなかったら、「一人で観てきたら?」と言ってたかも。
キリスト教徒じゃないので、「そんな自分たちのつくった善か悪かの二律背反で悩んで人間やめないでいいのに」など、そもそものテーマや文脈には共感しないところも多かったけれど、自分たちの作った社会的規範に振り回される人間・社会について考えるには、この作品(レミゼ原作)って、きっと好いんだね~と、も一度全編読まないといけない気持ちになりました。本屋に行ったら、しっかり平積みで売ってタヨ!今読んでるものたちを読み切って、読むものが途絶えたら、読んでみよう・・・。
娘もいっぱい泣いたと言ってましたが、世代が違うと、きっと受け止めが違うんだろね。どんなことが涙腺を緩めたのかな・・・。
私はその後、学生時代からの親友と1回、さらにダンナと1回、計3回観に行きました。そのたびにまた感動が増幅・・・。3回目には、天国の大バリケードの人々に、私たちが住むこの豊かな時代を支えてくれている多くの魂を感じ、すでに私の中では過去になってきている自由の魂を、映画人って持ち続けている人たちいるのかなあと、呼び覚まされるおもいがしました。
昔よくあった、入場料300円とか払ったら1日中いてられる映画館で、端っこに座ってとなりにドカンと荷物を置き(痴漢オジサン対策)、ビールでものみながら、時々合間に売られるモナカアイスを食べながら、そして時々居眠りもしながら、一日過ごして鎮魂感に浸りたい・・・そんな気持ちになる映画でした。感謝。
みんなに観てほしい
初めて観たときは正直途中まで退屈でした。ずっと歌ってるしみんなのテンションについていけず面白くないどころか結構しんどかったのを覚えています
しかし最後の大合唱のシーンにきていきなりの号泣(笑)
あんなに愛、希望に溢れていて心の底から元気のもらえるラストシーンはこれから先も出会える自信がありません
今でこそ全てのシーンを好んで観れる様になれましたがあのラストシーンだけ別格です
賛否両論分かれる作品なのは分かるんですがあのラストシーンのためだけでもみんなに見て欲しいです
久々にいい映画と出会えた
個人的には最近観た映画の中でもベスト5に入るくらい面白かった。
鑑賞前はミュージカルに対してちょっと抵抗があったが、
字幕なのでそれほど違和感なく入れたし、
むしろ途中から歌に乗った台詞がとても心地よく感じられた。
なにより脚本が素晴らしかった。
愛、自由、心の葛藤、人を許すこと…など
ともすると、薄っぺらな内容になりがちなテーマをうまく描いている。
それに愛や自由をテーマにした物語のわりに、スリリングな展開もあって、
3時間という尺にも関わらず、その長さを感じずに観られた。
重いテーマを扱った娯楽映画で、
面白いだけじゃなく、久しぶりにいろいろ考えさせられた映画だった。
前情報0で見に行きました
友達とノリで見に行きました 元々この話も知らなかったので前情報0でした
すごい評判が良いのでかなり期待してました…
で感想は うーん…
ミュージカル映画はマンマミーヤとサウンドオブミュージックぐらいしか見たこと無かったんですけど こんなんだったけ? って感じでした(・ω・`)
すごく革新的みたいなことをよく聞きますが 録音方法とかずっと歌ってるところがでしょうか?
確かに録音方法は素晴らしく ホントに臨場感があり とても興味深いです メイキングとか見てみたいです
しかし歌いっぱなしなので なんというかメリハリがない 最初いつ始まったのかわかりませんでした
しかし出演者の歌唱力は尋常じゃなく それだけでも楽しめます
あとはとにかくヒュージャックマンとラッセルクロウがカッコイいにつきます(*´ω`*)
終わったあと周りが感動した感動したと言いまくってるので 僕も最初雰囲気に呑まれてましたけど ストーリーも単純だしよくよく考えるとそんなだったなーって感じです(・ω・`)
結構良かった
ミュージカル映画って好きくないので、あんまり期待はしてなかったのですが、評判が良さそうだったので、奥さんと一緒に観にいきました。
ところがところが、のっけから引き込まれました。
ほとんどセリフがなくてずっと歌いっぱなしで
悲しい物語ですが、迫力あり、説得力あり、久しぶりに感動しました。
舞台ものの取り方の難しさ。名作は名作であるが。
ミュージカル映画は好きでたくさん見ているだけに、
この映画素晴らしいのだが、どうしてもナインやオペラ座の怪人と比べてしまうと、
歌唱をしっかり取りたいという意図が、歌っている際のアップのフィクスという、カメラワークのワンパターンさが、途中から気になって感情がついていかなくなってしまった。
しかし、原作、ファーストシーンなど、たくさん美しく迫力あった。
MTV? 長いミュージックプロモーションビデオ
ミュージカル映画は私にとってバクチです。
ただし映画「ザ サウンド オブ ミュージック」は殿堂入りです。
…そこから長い空白期間(記憶から消し去ったミュージカル映画たち)
がありますw
やっと来た!映画「ドリームガールズ」は大変良かったです。
軒並み高評価なので、「これは」と思って観ましたが、
私にはダメでした(^^;
良いと評価してる人は舞台であらかじめ知ってて耳馴染みがある曲を
有名俳優が上手に歌い上げているだとか、そんな追体験で評価している
のであって、純粋な映画の評価じゃないのかな?
よくも長時間これだけ歌いっぱなしなもんだ、と。
ミュージックプロモーションビデオでカメラ目線で
アーティストの顔のアップがメインのもの、そんな感じ。
それはそれで俳優にとって難しい要求だった
だろうし斬新なミュージカル映画ではあるんだろうけど
メリハリがなくて結構苦痛でした。
泣き所?…そんなの特にありませんでした。
笑いどころ?…テーマがテーマだけに一切ないですw
エンディングのあたりはアップが薄れて掛け合い的でちょ
っと良かったかな、というくらいです。
スピーカーのボリュームをもっともっと上げてくれてたら
少し泣けたかもしれないw
かなり席数のあるスクリーンで満席でしたが上映中
笑いも無く嗚咽も聞こえること無く、
帰る人々の顔色をうかがっても淡々としたもんでしたよ。
「映画」として見に来た大多数の観客は
こんな反応なんじゃないのかなあ。
原作は昔読みましたが「こんなに単純な話だったっけ?
こんなに登場人物少なかったっけ?」と再認識した次第です。
アン・ハサウェイがきれいだったので1.5です。
迫力!
凄まじく良かった!自分のつぼにはまる映画だった
司教の愛にふれて生まれ変わったジャンバルジャン。
ジュベールが来たときいてコゼットと逃げる時真っ先にカバンに入れたのが司教から貰った銀の燭台だったのにはぐっときた。ヒュージャックマンの演技も歌も
本当に良かった!
あんな最後を迎えなくちゃならなかったジャベールも悲しい。
自分は正義だと信じていたのに革命を起こす民衆もまた正義のために戦っている。悪党だと思っていたジャンバルジャンに命を救われ命を救われたと同時に今まで生きてきた“自分”を殺されてしまった。
自分の価値観が根底から覆ってしまう世界が来てしまったんだろうな。
ファンティーヌ役のアンハサウェイはよくもあんなに鶏ガラのようにまで・・・本当すごい
幼少期のコゼットが凄まじく可愛らしかった!大きくなってからもかわいいけどね^ ^アマンダ綺麗なソプラノ!
あとエポニーヌと名前忘れたけど男の子が光ってました。
ミュージカルっていうのが今回は変な説明なしでテンポ良くすすんで良かったかなと思いました。
また見に行こうかなー
ミュージカル映画だ
いや〜見事にずっと歌ってます。もっとセリフがあるかと思ってたのに。私はやっぱり歌いながら話すのはあまり好みでないのを実感。
俳優さん達は歌上手いね〜!聞かせる声だわ。
ラッセルクロウはやっぱりカッコイイ!存在感あるし!声も素敵だった。もう少し痩せてると最高!命を絶ったのは寂しい。
ヒュージャックマンは役作りなんだろうけどオッサンでちょっと悲しい。もっと男前なのに髪型とかヘン!
コゼットの旦那よりリーダーの方がイケメンだった。
死んじゃった宿屋の娘さんの想いが切なかった〜切ないのがまた良い!
出演女優陣も好きな人達だったから尚良かった。
レ・ミゼラブル
舞台レ・ミゼラブルの映画化。ロンドンで1985年初演して以来、いまだにロングランを続けるミュージカル。正確にはヴィクトル・ユゴー作の原作ストーリーとは違う。舞台版の完全映画化である。今年のアカデミー賞の作品賞、主演男優賞、助演女優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、歌曲賞、音響賞、衣装デザイン賞、美術賞にノミネートされている。個人的には監督賞があっても良かったのではないか。
映画で演技をしながら実際に歌を同録して撮影するのは非常に稀。オペラはそうだが、その場合、舞台が限られ観客は遠目で観るしかない。もちろんカメラポジションも制約だらけ。映画、テレビの場合、先に楽曲と歌を録音し、そのテープを流していわゆる口パクで演技し撮影するのがほとんどである。本作は、手持ちのカメラ撮影からクレーンなど、クローズアップやロングショットなどカメラ割りも多いのに、実際に演技しながら同時録音するには大変な苦労があっただろう。歌のNGもそれなりあっただろうし。その甲斐あって演技しながら歌を歌うので、非常に自然で迫力がある。過去観てきたミュージカルは歌の部分に入るとどことなく違和感があり、酷い場合は本人ではなく吹き替えが歌うことが多かった。(昔のハリウッド作品は吹き替えばかり。だからこそオードリー・ヘップバーンが肉声で歌う「ムーンリバー」は貴重)
本作はびっくりするほど、キャスト全員歌がうまい。ラッセル・クロウはバリトン歌手ばりにいい声だ。映画界の美男美女である、ヒュー・ジャックマンとアン・ハサウェイも歌が歌える俳優だとは本作まで知らなかった(^^ゞ自分の間合いで演技と歌を撮影しているので、明らかにミュージカル映画の撮影手法の歴史は変えた作品。だからこそ、監督賞にノミネートされてもよかったのではないだろうか。本作は単なるセリフの部分は非常に少なく、全編が歌に溢れている。この作品を映画館で堪能できて幸せだと思った。ミュージカル好きは感動すること間違いない。
レ・ミゼラブル レビュー~観終わって「IMAX」でやっている映画館を探してしまった程何度も見たい作品~
私が最初にレ・ミゼラブルを見たのはロンドンのミュージカルシアターでした。
実に今から四半世紀前、20歳になりたての頃だったかと思います。
その時の音の洪水や臨場感は今も記憶に鮮明に残っていますが
今回映画を見て、舞台に負けない迫力を感じ、
「あーもっと音の良い映画館を選べば良かった」と後悔したほど
ヒュージャックマン主演の「レ・ミゼラブル」は良い映画でした。
当然、四季のレ・ミゼラブルも何度か観ましたが
日本語版の歌詞より原版の歌詞の方が奥が深く、
また英語が苦手な私には、
今回の様な字幕が流れる方が「歌」と「筋」を切り離して楽しめました。
故に違う歌詞(セリフ)をハモらせて歌うくだりなんか
舞台の臨場感とは別の素晴らさを感じることができました。
もともとこのミュージカルは
例えば時間軸とか、場所とか、革命とか、
小さな舞台におさめきるのが難しい作品だと思っていましたが
この映画では実に見事に描き切っている様に思います。
なかでも特筆すべきは
ヒュー・ジャックマンの振り幅広い役作りと力鬼気迫る圧倒的な眼光、
そして表現深い美声だと思います。
まず役作り・眼光について。
彼はこの映画で短期間の間に-7kgから+8kgまでの体重増減を行ったそう。
舞台では袖であっという間に時を超える必要があるこの作品が
映画の、しかもヒュージャックマンならではの説得力で、
ジャン・バルジャンが背負った「人生の重み」を見事に描き切っています。
最初の囚人時代の「人を憎み切ったギラギラの奥目」と
最後の老人時代の「神に誠実であったかの自責に怯える奥目」との間には
実に何十年もの年齢層を感じさせます。
深みが、愛情や苦しみが、本当に丁寧に滲み出ていて
皺の一本一本までが演技をしているかの様に感じました。
そして次に歌声。
これにはもう本当に頭が下がりました。
トム・クルーズのトロトロなロックも凄いって思いましたが
彼の奥行きを感じさせる深い美声は何!?
凄すぎるよヒュー・ジャックマン、本当に痺れました。
本当カッコ良かったです!
さて、レ・ミゼラブルにおいて忘れてはいけない
主要キャラたちの押さえもしっかりしてました。
ラッセル・クロウの描く宿敵・ジャンベールもまた素晴らしい!
歌声ももとバンドのヴォーカルをやっていただけあって「星よ」とか、かなりのもの。
アン・ハサウェイ演じるファンティーヌの切ない「夢破れて」も良かったです。
コゼットを思う青年マリウスに片思いして歌うエポニーヌの「オン・マイ・オウン」も。
しかし、この映画、レビューを見る限り賛否両論の模様ですね。
ミュージカルの「歌って進むストーリー」に違和感を感じる人は
確かに全然感情移入できないだろうし、話の唐突感とか違和感や嫌悪感を感じるかも。
逆に舞台が好き過ぎて2Dの映画に浅薄さを感じてしまう人も
「これは舞台だから映えるもの」「いっそ普通の物語展開にしてほしかった」と
思うのかもですが、私は舞台の肉感をイメージして3Dに重ねて見てたので
心から楽しめました。
さて。
最後にネタバレなのですが
(といってもあまりに有名すぎる話なので「ネタバレ」もないけど)
ジャンバルジャンを負い続ける
ジャヴェールについて書きたいことを。
一応少し段を落とします。
最後、死んだ者たちが一堂に(天国で?)歌うの「民衆の歌」のシーン。
当たり前かもしれないけどジャヴェール警部はそこにいません。
あくまで価値観が違うから、あの場にいなかったのでしょうか
それともやはり「自死」というのは「殺人」よりも
キリスト教的観点において罪深いことなのでしょうか。
(衛兵を殺したであろう革命を目指した若者たちもいた気がするので)
あれだけ敬虔に神を信じ、パン一つの「盗み」をも背徳とするジャベール、
その彼が、
(おそらく不幸な生い立ちから這い上がってきたであろう)自分よりも
ジャン・バルジャンのそばに神が寄り添っている様に感じた時、
彼は「神に裏切られた」絶望を感じたのではないか、と。
そう考えると無性にジャヴェールが不憫に思えて来ました。
神に熱心に寄り添うべく正義を順守して来た彼よりも
神は罪を犯したジャンバルジャンに
やすやすと地位や名誉を与え、美しい娘を与え、仲間を与え、
「優しい心」を与えるのだから。
ジャヴェールが24601号を追いかけに追いかけ、奪いに奪っても
彼のもとに光は当たり、最後、そんな彼から命の施しを受ける。
ジャヴェールはいっそ、革命家の若者達に殺された方が
よほど魂が救われたのかもしれない、と。
主題のレミゼラブル「Les Misérables」(悲惨な人たち≒ああ無情)における
一番のミゼラブルな人はひょっとしてジャヴェールかもしれない…なんて
そんな風に感じてしまいました。
とにかくもう一回、見に行きたいと思いました。
特に音響の良い映画館で、もう一回見てみたいです。
とっても良かったです
恥ずかしながら
原作とかミュージカルについては
わかりませんが
キャストの歌声に感動しました。
久しぶりにいい映画を観たなと思いました。
オススメです。
是非、音響のいい劇場で観てください。
揺さぶられる歌の力
タイトルは知っていたのですが、
どんな内容かはよく知らないまま鑑賞しました。
ミュージカル形式という事も知らなかったので、最初は驚きました。
以前ミュージカル形式の映画を観たことがあったので、
免疫はあったのですが、
「え!ずっと歌ってるの?・・・最後までもつのかしら・・」
と心配になりました。
心配は杞憂に終わりました。
まず、曲・・・これは誰もが耳にした事のあるメロディ。
スーザンボイルでおなじみの「I Dreamed a Dream」
レ・ミゼラブルの舞台などのCMでよく流れていた「民衆の歌」
秀逸なメロディと壮大なオーケストラに、
まるでミュージカルの世界に入り込んだような興奮を覚えました。
そして、セリフはほぼすべてメロディが付いているのですが
なぜか違和感がありませんでした。
歌うように嘆き、歌うように笑い、歌うようにささやいて
見る人の心に旋律と共に鐘を打つのです。
ミュージカル形式でやるのなら、舞台でいいのでは?という
意見もあるでしょうが、
舞台では為しえない、ドラマティックな映像
そして役者の表情を覗き込むようなカメラワーク・・・。
自分も物語のその中にいるかのように、引き込まれました。
物語に関して言えば、色々と省略された部分もあったようで
原作をきちんと知らなかった私には、ツッコミどころもあったのですが、
この監督がやりたかった事を、よく凝縮した作品であったと思いました。
DVD買いたいな・・・いえ、もう一度劇場で観たい。
全396件中、281~300件目を表示