脳男のレビュー・感想・評価
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誰も救われない・・・
グロイ・・・それに爆破しすぎ。
見終わったときの、疲労感がハンパない。
脳男がそのまま生き残るラスト。
だれも救われてないじゃん!!
ラストカットの画で気も抜けた。
色々考えさせられる部分もあるけど、映画として何が言いたいのか不明。
今までにない日本映画ともいえるけど、二度と見たくない。
次回作は、頭脳戦で見たい。
並はずれた知能と鍛え上げられた身体能力を持ちながら、感情を一切持ち合わせない美しき殺戮者、脳男。
そんな彼を、本当に美しい生田斗真君が好演。
必要なことしか喋らない。
機械のように正確。
正義のためとは言え、躊躇いもなく殺人を犯す。
そんな彼の生い立ちを説明してくれたので、なぜこうなったか納得できたのが、良かった。
冒頭のグロさに、目を閉じそうになったけれど、最初だけだったので、苦手な人もそこだけ我慢を。
サスペンス仕立てのアクションは、良かった。
ラストのカーアクションも、引き金があれだけなのに、あんなに大きくなるなんて。
一人の人間がした、一つの行動が引き起こすことの大きさを、まざまざと思い知らされた。
爆弾魔の緑川紀子。
彼女の生い立ちをもう少し詳しく知りたかった。
演じた二階堂ふみさんは、監督から「不健康に痩せて」と言われたそうだが、そこは青春真っ盛りの18歳の少女。
なかなか痩せるのが難しかったとか。
でも、緑川の狂気はすごく良かったよ。
精神科医・鷲谷真梨子。
もし私が彼女の立場だったら、二度と医師には戻れないかもしれない。
辛すぎる。
茶屋刑事。
彼の立場でも、辛すぎる。
ううぅ~~~。新米~~~。
で、一言だけ。
クライマックスで、病院を訪れた鈴木一郎。
彼のスーツが、何であんなにヨレヨレだったのか、不思議。
彼の生い立ちを考えれば、高価で清潔なスーツを選びそうなんだけど。
脳男がどのような男かわかったので、ぜひ頭脳戦での彼を見てみたい。
次回作をお願いします。
“違和感”の正体は・・・。
原作は読んでいないので「原作ファン」ではありません。
ではなぜ初日に観に行ったかというと、
「クリムゾン」の曲を主題歌に取り上げてくれ、今、あらためて「脚光」を浴びさせてくれたから。ある意味感謝の気持ちを込めて。(設定も興味深かったので)
学生時代に聴いて、はまりまくった「クリムゾン」。
今回主題歌に使われた曲は、曲名からも本作に通じるという点では使われる要素はあったとは思いますが、一般受けする、いわゆる日本では“メジャー”なバンドではないので、そういう意味では制作側の強い意志が感じられ、嬉しかったわけです。
特に、バンドとして一番キレていた時代の曲なので、この曲をきっかけにクリムゾンの曲を聴き始める人たちが増えてくれるとうれしいです。ホント、聴きがいがありますから。
特にお勧めは、「深夜想曲3部作」と勝手に銘打った、「エピタフ」「ムーンチャイルド」「ナイトウオッチ」の3曲。本映画の主題曲とは真逆の「美しい曲」です。是非御一聴を!
曲に関する話が長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
「ドラマ」としては良かったです。
話の流れも無理なく進んでいって好感でした。
もちろん普通につっこみどころもあります。
ラストのクライマックス部分。
映画として“派手に”したいのもわかりますが、病院(作中では医療センター)を爆破しすぎかと。テロ?ですかという感じ。
それと、主人公が車で思い切り轢かれたシーン。
「無痛」というのと「不死身」とは意味が違います。
普通、骨、バキバキで立ち上がれないのでは?
まあ、映画ですから、そこはまあいいです。
問題は、観ていて感じた「違和感です」
これにより、もしかしたら「名作」になり得たのでは?と思えたのに、「惜しい」作品になってしまったかもしれないので。
それは、「江口洋介」を“立てすぎた”から。
準主役扱いの役としている担当刑事に、主役級の著名役者を使うのはもちろん“あり”だし、江口洋介の起用自体が悪いというわけではない。
いけないのは、あくまで映画作品として大事なのは「作品」そのものであり「説得力ある話」であるという大前提を“崩して”しまったから。
この映画の主題・魅力は、あくまで、鍛えられ完成された「殺人ロボット」としての主人公の“ダークヒーロー振り”であり、その意味で、もっとその「体技の強さ・凄さ」は際立っていて良いのではと思うのです。
したがって、病院内での江口刑事との“格闘”シーンは、すんなり主人公がケリをつけて欲しかったですし、ラストの敵キャラも江口刑事が片づけてしまうのも「おいおい」という感じで、そこに「違和感」を感じてしまうのです。
この設定は、想像するに、とても“自然な”話の流れではなく、「江口洋介」としての“見せ場”を確保しただけ、という風にしか見えません。それが、この映画を「惜しい」と思わせると同時に「違和感」を抱かせてしまうこととなったと確信します。
ホント、思ったより「良かった」だけに、この「違和感」さえなければ、それこそ「名作」になり得たかもと、「惜しい」なと感じました。
ので、あえて「お薦め」はしませんが、興味がある方はどうぞ。
それなりに観終ったあとの満足度は高いかと思います。
そもそも人間なんざぁ他人の血肉の破裂を望む生き物
怪物的な頭脳と身体能力を武器にいとも簡単に殺戮を繰り返す男の冷静沈着な血塗れぶりは、若き日のレクター博士を追う感じかなと気楽な了見で出向いたが、想像を絶する地獄絵巻が爆発していて面白かった。
一切の感情が麻痺し、殺人でしか人生価値を見いだせない青年と、彼に人間らしい感情を呼び覚まそうと叫ぶ女医との関係性は、浦沢直樹の『MONSTER』におけるヨハンとDr.テンマの距離感に近い。
死体が飛び交う凄惨な場やからこそ親子のような絆が産まれ、裏切られていく綱渡りの恐怖がスクリーンより突き刺さってくる。
『MONSTER』とは違う唯一の救いは、松雪泰子演ずる女医が、生田斗真に「死ね」ではなく、「生きろ」と呼び掛け続け、彼も逃げずに向き合っている事。
しかし、彼を最大の理解者・アンナのように寄り添うべき二階堂ふみは、生田斗真を遥かに凌ぐ殺人快楽主義者なのが、今作最大の悲劇であり、魅力へと着火する。
これ以上説明するとネタバレになり、通りすがりの読者にまたお叱りを受けるため、いつもの如く立川談志師匠の御言葉を引用させて戴く。
「そもそも人間なんざぁ、グロテスクな犯罪を望んでいる。ニュースで異常な事件を見て、驚く事で己の狂暴性を自覚し、理性を保つ生き物なんだ。だからガキが母親の首をノコギリで切って警察に持ってきたりするんだよ」
しかし、人間はなぜ血に興味を持つのか根本的な理由は何一つわからない。
家元曰わく、
「人間は思考をストップする生き物だから」
理由も何もただ一つ
“面倒くさいから”
今作の世界観も現実の浮き世も、つまりそういう事なのである。
では最後に短歌を一首
『火を舐める 兎の舌は やわらかく 駕籠に波打つ 贖罪の棘』
by全竜
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