WXIII 機動警察パトレイバーのレビュー・感想・評価
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こちらが『シン・ゴジラ』をリスペクト?
公開が2002年の様で、テロとして考えれば、現実の方が恐ろしい。
レコードを聞く部屋の椅子の置き方が間違っていると思う。
あり得ないスチームパンクにグロい話は無しにしてもらいたい。
残り37分で最後が分かってしまうが、まさか、と思いつつ。やっぱり、そうだと思いつつ、このアニメ二回目だと気が付いた。
韓国映画の『漢江の怪物』はこの映画をリスペクトしている。終わり方とかそっくりだ。アニメーターも韓国の人が多いなぁと思った。
アウトサイドストーリーとして見るなら秀逸
初見はかなりの昔で、肝心の特車二課の出番が少ない。ある程度結末へのストーリーが読める時点で退屈な印象しかなかった。かなり年数が経って見返すと、映画としてはかなり完成度が高いことに気づいた。
渋い人間ドラマ。緊迫感のある中盤のモンスターパニックに海自の追撃戦そしてクライマックス。
のめり込んで見てしまった。視点が特車二課ではなく、【刑事課からアプローチしたパトレイバー外伝】と考えるべきだろう。雑誌ならば、人気シリーズの【外伝読み切り長編】という立ち位置だ。
それならば、こういう形のアプローチは決しておかしくない。なじみの主役がほぼ出ない【外伝】なんてよくある話だ。しかしそれに文句つける読者はいない。オリジナルシリーズアニメ(パトレイバーはメディアミックスで、ゆうきまさみ氏のみが原作者ではない。彼はヘッドギアの一員だっただけだ)では、ただ、非常に珍しかっただけだ。
だからそれだけで酷評の対象になるのは少し勿体ない。
少ない時間の中でもオリジナルキャラ達のキャラ立てはしっかりしていて、全員完璧な人物じゃないからこそ、ある程度、「あるある」と感情移入できる作りになっている。久住・秦。どちら寄りになるかでも世代間で差がでる。ミステリアスな冴子は、黒幕の一人ながらも、かなり多面な顔を見せる女性キャラだ。科学者・非常勤講師・寡婦で母・・・そして女性。正気と狂気。虚無と生気の間を常に往来する。死んだ我が子の細胞を保管するまではまだ遺髪と同じく許容範囲でも、それを実際に培養し掛け合わせてキメラを生み出してしまった時点で後戻りできなくなってしまった。
なまじ遺伝子工学の科学者だったために起きてしまった悲劇だ。ネクロマンサーの一種だとしても子供はこんな生は望むまい・・・。
針の壊れたレコードプレーヤーの様な心理状態の彼女が唯一、前に進む兆しが見えていたのが秦との逢瀬の時間だっただけに、結末が見えていたから余計にやり切れない。喪失の三年間は彼女には長すぎた。もっと早い段階で彼と出会えていたら、まだ違っていたはずだ。(しかも出会ったのが、よりによって、墜落事故後日、深夜、海にニシワキトロフィンを密かに餌付けした直後の昼だったというのが、もう・・・・)
悲恋バートもさることながら、久住・秦を軸に、体制の上部と現場での齟齬・建前と本音。それを入り混じった捜査パートも面白かった。人間関係とそのやり取りから切り込んでいくベテランの久住。後藤もこちらよりの人間だ。一方、詰めの甘さと未熟さはあるものの、デジタル分野では明らかにベテランを凌ぐ秦(二課の若手もこちら側だ)。
実際、ポリティカルな分野でまんまと体制(一企業だけじゃなくて裏に米国軍部+自衛隊の関与国家の暗部が見え隠れしている)にしてやられた感のある現場の久住・後藤らだが、
現場に居合わせた名もなき若手世代が密かに一矢報いている。情報操作と物証隠滅を完全に図ったつもりが、ネットのアンダーグラウンドで密かに問題の事件映像が流出していた。某掲示板でまことしやかに語られている噂話。あれを密かに撮影してリークした者は誰か。それこそ体制が使い捨て可能と軽んじている現場だ。居合わせた警察関係者といっても、現場で命がけの大立ち回りしていた秦や野明ではないだろう。あそこで唯一それが可能だったのは、完全に石原一佐でもノーマークだった、現場の少し外側の、安全圏でトレーラーと待機していた特車二課整備班の若手だけだからだ。(実際にちゃんと待機している描写がある)誰の命令でもなく、完全にスタンドアローンでやったことだろう。何故かといえば、到底、現場は納得できないからだ。
後藤や久住の世代では思いつかない方法だろう。そして新しい形の抵抗手段でもある。
気づいた場所から次々削除に回っても、一度ネットの大海に放たれた情報は無限に増殖して消せない。
現実もそうなっているように。
陰鬱ながらレベルの高い、名作刑事ドラマ
本作は、二足歩行の作業用ロボット「レイバー」が普及した世界で、レイバー犯罪に立ち向かう警察官達を描いた「機動警察パトレイバー」シリーズの劇場版3作目である。
が、本作においてレイバーははっきり言ってオマケ要素に過ぎないレベルとなっている。レイバーを操るおなじみ特車二課の面々は最後の最後まで出てこないし、それ以外のレイバーすら作中ではほとんど顔を見せない。the movie2の時点でレイバーの出番はだいぶ少なかったが、正直ここまでくるとパトレイバーである必要性がない、というのは確かに最もな指摘ではあると思う。しかも、その代わりに出てくるのは異形の怪物である。まあ、これ自体は劇場版の前日譚であるOVA版にも似たようなエピソードが出てくるのだが、なまじ前作がリアリティ溢れ、評価も高い作品であるためこの点が不評になることも致し方ないとは思う
しかし、それでも本作は面白い映画だ。作中を通して漂う陰鬱な雰囲気のなかで繰り広げられる刑事達の捜査パートは映像的な派手さはないが面白い。黒幕が誰なのかは序盤の方で十分察しが付くのに、事件そのものの姿が見えてこない、その謎をじわじわと解き明かすストーリーは、恐怖感を与える演出も合わさって非常に面白いものとなっている。オリジナルキャラクター達も十分キャラが立っていて、何ともあまり好きになれない人間臭さを持っていて面白い(というにはラストを含めあまりにも陰惨すぎるが)これらの要素が、2000年前後のアニメーションに乗って展開される本作は、1,2と方向性は違うながらも負けず劣らずの魅力を持っている。レイバーの活躍を見たいのであればおすすめはできないが、そうでないならこれも一つのパトレイバー作品としてアリだと思う
パトレイバーシリーズにとどめを刺した廃棄物。
『機動警察パトレイバー』シリーズの劇場版第3作。
城南警察署に勤務する刑事2人が、湾岸作業中のレイバーが連続して襲われるという事件の解決に挑む。
本作は『機動警察パトレイバー』シリーズの9年振りの新作。そして、短編を除いては今現在最後のアニメーション作品となっている。
はじめはOVAとして企画されており、『機動警察パトレイバー2』の後で特車二課の物語は作れないということから、新キャラクターによるスピンオフ作品として制作される予定だったらしい。
それが紆余曲折の結果、劇場用アニメとして製作されることになり、劇場版第3作にしてスピンオフであるというよくわからない作品が誕生することとなった。
スピンオフだろうが正統派な続編だろうが、面白ければなんの問題もなかったのだが、生み出されたのは廃棄物13号に勝るとも劣らない怪物であった…
そもそも、この作品の原作はゆうきまさみ版『パトレイバー』の傑作エピソード「廃棄物13号」編である。
週刊連載されていた漫画のエピソードの1つなので、もちろん映画用に脚色する必要はある。
とはいえ元々の内容が現代社会に怪獣が現れた場合警察という組織がどう行動するのかを描いた非常に映画向きなものであるため、ある程度忠実に映画化すれば名作になることは間違いないはずである。
それなのに、この映画の製作陣は不要なオリジナル要素を継ぎ足し、全く魅力のない新キャラを主役に据え、押井守の出来損ないのような真面目な脚本を書き、パトレイバーの持ち味である明るさを捨て、それとは全く真逆な陰惨な雰囲気を持つ作品を作り上げてしまった。
『パトレイバー』でありながら98式の出番を極限まで抑えるというシナリオは、『パトレイバー2』の真似事をしたかったのだろうが、あれは全盛期の押井守という天才だからこそなし得た偉業なのであって、凡人がやってみたところで上手くいくはずがない。
本当に何故こんな作品を作ってしまったのか製作陣を問い詰めたい。結局この後、実写版を除いてパトレイバーは作られなくなってしまった。
もし、この作品がヒットしていれば…数字的には失敗しても『パト1』や『パト2』のように長く語られる名作だったとしたら、違う未来もあったのかもしれない。
作画のクオリティは素晴らしいのに、本当に勿体ない。
どうしてもスピンオフとして本作を作るのであれば、主役をあんな新キャラにするのでは無く、松井さんと部下の片岡にしていれば、パトファンとしては文句も少なくなったのだが。
はっきり言って観る価値はない。完全なる蛇足です。
母性が生んだ怪物
「機動警察パトレイバー」劇場版シリーズ第3作。
DVDで鑑賞。
原案は既読です。
正直、面食らいました。全然パトレイバーが出て来ない…。レイバー連続襲撃事件を捜査するふたりの所轄刑事の活躍が主体でした。特車二課をメインに据えないのならば、パトレイバーの世界観である意味無いのでは? ―と云う疑問が過ぎりましたが、それを払拭してしまう魅力に気づかされました。
その魅力とは、本作が怪獣映画の形を借りた王道の悲劇であると云う点です。母性故に怪物を生み出してしまった薄幸の美女、その美女を愛したために守ろうとする男、そして女の業を背負わされた怪物…。このトライアングルは、古典的悲劇の王道パターンを踏襲した関係性じゃないかなと思いました。
真相が明らかになるにつれて、悲劇は否が上にも加速し、壮絶な破局を伴った結末へとノンストップで突き進みました。クライマックスの舞台は湾岸のスタジアム。さながら舞台のようで、秦と冴子の様子と怪物殲滅作戦が交互に描かれ、悲壮なラストを盛り上げる演出に胸が締め付けられました。
このクライマックスで特車二課が本格的に登場し、怪物殲滅作戦において迫力のバトルを展開してくれました。ですが、出番の少なさは否めず、番外編にしてもこの扱いはもうちょっとどないかならんかったんかなと思いました(笑)
※リライト(2021/02/14)
※鑑賞記録
2021/02/14:DVD
なんか救いないね、これ
パトレイバーシリーズは劇場版二作目は劇場でみた。初見では意味がよくわからなかったものの、度肝を抜かれたものだ。
二作目の感想はいずれ書こうかと思っているが、最近パトレイバー全作見直して、あらためてなんだったのかな何が魅力だったのかなと考えている。
全作といっても実写の方は完全無視。なんか見る気しないんだよなあ。
やっぱり自分は後藤隊長以下第二小隊の面々や南雲などキャラクターに魅力を感じてたんだな、と。ロボットアクションよりもね。
んだから、時代もメンツも違う実写版なんか興味もてねー悪いけど
そういう意味じゃ本作、スピンオフとも言っていいのかよくわからない内容ですな。後藤だけは思ったより要所要所出てくるけどね。
とにかく気が滅入る話だねこれは。あまり面白いとも思えない。
それに人が死にまくること
テレビシリーズやOVAはギャグ要素も多いせいか不自然なくらい人が死なないが、これはそれまでの流れ無視だよな。劇場版三作目とはとても言えない気がする。
それでも面白ければ文句ないけど、うーん…つまんない。
パトレイバーってのはちょうどアニメが世間にそっぽ向かれてた時代にいつの間にかやってた感じだよな。今でもコアなファンはいるみたいだし、「踊る大捜査線」の本広克行は大ファンらしい。
そりゃ踊る〜シリーズみてりゃ一目瞭然だが設定とかノリとか
あたしゃ大学生でクソ暇なときにレンタルビデオで後追いでみた。その後劇場版二作目があったんだけど。まあ、時代が悪かったのかな、とても大盛況の入りじゃなかったな。
でも、こうして三作目も作られたのは求める人たちがいるわけか。
しっかし、嫌な内容だなという以外あまり語ることもないなあ。
一応、今まではまった作品のひとつとして、昔は無視してた、原作マンガを今頃読んでるが…読みづれえ(笑)。
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