洗濯機は俺にまかせろ<ディレクターズ・バージョン>
劇場公開日:1999年7月3日
解説
先に公開され、好評を博した「洗濯機は俺にまかせろ」のディレクターズ・カット版。先に公開されたヴァージョンより6分ほど長く、劇場公開が決定する以前の映画祭などで上映されていたものである。
1999年製作/108分/日本
配給:ボノボ=スターポート
劇場公開日:1999年7月3日
ストーリー
漫画家を目指して上京してきた青年・木崎は、今は下町の商店街にある片桐電機店の支店である中古電機店で店番と修理を任されている。そんな彼の元に、ある雨の日、社長の一人娘で仕事にあぶれたDJ・節子が出戻ってきた----、それから一ヶ月後の月曜日。節子は手伝いをするでもなく、なんとなく店にやってきては適当に木崎をからかう毎日を過ごしていた。一方、木崎はそんな節子の存在が気になりながらも、向かいのパン屋の秀子といい感じだ。火曜日。木崎は、秀子に洗濯機の修理の依頼を受けたことで、ついでにデートの約束を取りつけた。ところが、水曜日。木崎は、節子にデートに誘われてしまう。しかも、秀子と同じ木曜日に。困った木崎は、社長が楽しみにしている草野球を済ませた後、4時までならという約束で節子の申し出を承諾する。木曜日。長引いてしまった試合を終えた木崎は、慌てて節子との約束の場所に急ぐが、既に節子の姿はそこになかった。仕方なく4時までの時間を潰し、秀子と食事をする木崎。その後、秀子の家へ洗濯機を直しに行こうとして商店街を横切っていく節子の姿を見かけた彼は、無性に節子のことが心配になりだし、秀子との約束をキャンセルして、節子の元に走るのだった。そしてその晩、木崎と節子は酔っ払って今までになく親密な関係になっていった。金曜日。かつて店で働いていた今はタクシー運転手の大紙を、借金取りの取立から助けた節子。彼女は、以前から抱いていた彼への想いから彼と路上で抱き合ってしまうが、それを秀子の洗濯機を直しに行く途中の木崎に目撃される。その夜遅く、木崎の元を訪れた節子に、しかし木崎は冷たい言葉で彼女を追い返した。土曜日。木崎は、節子のことが気になりながらも、老婆から古い洗濯機を譲り受けたり、裏ビデオの宅配のバイトをして警察に捕まった友人の吉田の身元引受人になったりして、何かと忙しい。日曜日。今日は店の大売り出しの日だ。店内は大勢の客で大混雑。ところが、カップルの客が一台の洗濯機を見て、自分たちが粗大ゴミに出したものだと言い出した。中古とはいえ、ゴミは扱わないことにしていた木崎は断固としてそれを否定したが、結局は客の言うとおりで、店の信用はがた落ち。だが、後になってその洗濯機を持ってきたのが大紙であることが判明。彼のアパートに乗り込んだ木崎はそこで、大紙が拾ってきたゴミを修理しては、それを売った金で借金を返済していたことを知る。今まで少なからず尊敬していた大紙の落ちぶれように複雑な想いの木崎。彼は、貸していた金を返して貰うことや、今回の一件をチャラにする代わりに、大紙に一発平手打ちを喰らわせるのだった。そんな木崎が店に帰ってくると、急に決まった長野でのDJの仕事の為に、節子が東京を出ていったと社長が話して聞かせた----、それから数日後。ラジオ番組で洗濯機がないことを話している節子の為に、木崎は直したばかりの洗濯機をトラックの荷台に乗せて、長野へと走り出すのであった…。