ホープさん

劇場公開日:

解説

「若人の歌」の藤本真澄の製作で、雑誌「オール読物」掲載の源氏鶏太の原作から、「夜の未亡人」の脚本の山本嘉次郎と「若人の歌」の井手俊郎とが共同で脚色し、「悲歌」に次ぐ山本嘉次郎の監督作品。撮影は「舞姫(1951)」の中井朝一。音楽はNHKの日曜娯楽版の冗談音楽で知られた三木鶏郎が受持っている。出演者は「戦後派お化け大会」の小林桂樹、宝塚雪組の高千穂ひづる、「東京河童まつり」の関千恵子、「天狗の安」の花柳小菊に、東野英治郎、志村喬、沢村貞子、石黒達也、伊沢一郎、井上大助などである。

1951年製作/89分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1951年10月19日

ストーリー

風間京太は慶法大学野球部の万年補欠選手だったという肩がものをいって見事昭和鉱業株式会社へ入社が出来た。入社早々寮で一枚看板の背広を盗まれた京太は仕方なく野球のユニフォームを着て出航すると、秘書課の茂木老人の娘で、京太と机を並べている若子さんが、亡き兄さんのかたみだという背広をくれた。京太は若子さんに一種の感情を抱くようになった。しかし日本製鉱との対抗試合に京太がピンチヒッタアで出て活躍、昭和鉱業が優勝すると、秋庭社長の令嬢惠美子は急に京太に関心を示し出した。そして京太は社長のお伴して新潟へ出張した。京太は社長夫人から旅先に於ける社長の監督を頼まれ、八方心を使った甲斐なく、社長は前吉川社長の馴染芸者ひょうたんと新潟でねんごろになり、東京のアパートに囲った。それが社長夫人の耳に入り大騒動となったが、折から吉川さんはパージがとけて社長に復帰、秋庭さんもひょうたんどころでなくなり、ひょうたんは佃煮のお土産をさげて淋しく新潟へ帰って行った。吉川社長は社内改革にのり出し、人員整理をするという噂に、サラリーマンの哀しさ、それぞれ自分の首に自信のない連中は街のビヤホールで名残りの宴を張った。京太と若子はその連中から抜け出し、公園ではじめての接吻を交わした。茂木老人に二人の結婚の許しを得ようと若子の家へ行って見ると、老人はクビになり、京太は老人に代って秘書課へ栄進していた。恋と出世が一度に来たが、京太は茂木老人のことを思うと他人ごとならぬ気がして、サラリーマンの哀しさをしみじみ味うのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く