明治大帝と乃木将軍

劇場公開日:

解説

「明治天皇と日露大戦争」「天皇・皇后と日清戦争」につづく新東宝“天皇三部作”の最終篇。大蔵貢が原作を書き、「大東亜戦争と国際裁判」の館岡謙之助が脚色、「静かなり暁の戦場」の小森白が監督した。撮影は「九十九本目の生娘」の岡戸嘉外。

1959年製作/104分/日本
原題または英題:Emperor Meiji and General Nogi
劇場公開日:1959年11月1日

ストーリー

日露関係が風雲急を告げていた明治三十七年一月、明治大帝の苦心の打開策にもロシヤは一向に誠意を見せず、逆に旅順に難攻不落を誇る要塞を築き、名将ステッセルをそこに送ってきた。そのころ、乃木将軍は那須野ヶ原で百姓仕事をしていたが、西南の役で軍旗を奪われた罪をとがめなかった大帝の恩に報いようと非常に備えていた。ついに宣戦布告。朝鮮から満州へと進撃した日本軍は戦争の勝敗を左右する旅順攻撃へと向った。その任に当ったのは、大帝じきじきのお言葉で当時近衛師団長の乃木将軍。まず港口を封鎖し八月十九日から第一回総攻撃の実施となった。が、それに先立つ御前会議で、要塞内部にいる婦女子を戦禍から免れさせるようにとの決定があり、そのため攻撃はさらに困難となった。それにロシヤ軍は新兵器・機関砲を使った。第一回総攻撃は一万五千の犠牲者を出して失敗した。兵員を補充して新たな攻撃を試みたが、戦線は膠着状態。乃木更迭の声が高まった。しかし将軍を信ずる大帝は許さなかった。そして数カ月、旅順は陥落、海軍の勝利とともに戦いは終った。講和条約なって宮中に参内した乃木将軍は作戦指導の拙さを大帝に謝した。しかし実情を知る大帝はかえって労をねぎらった。戦争が終っても大帝の将軍に対する信頼は変らず、学習院の院長に任命した。やがて、大帝が病に倒れ、永眠した。寝食を忘れ、大帝に仕えていた将軍の悲嘆は大きかった。大帝崩御の一カ月半後この世に生きる意義を失った将軍は、夫人ともども、その後を追って自刃した。

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