獣の通る道
劇場公開日:1959年2月24日
解説
中村八郎の原作を、「影なき声」の佐治乾が脚色し、「母と拳銃」の関川秀雄が監督したアクションドラマ。撮影は仲沢半次郎。
1959年製作/87分/日本
原題または英題:Beasts'Passage
劇場公開日:1959年2月24日
ストーリー
裏街に巣くう不良少年仲間の一人水原勉は、バーのクールで働く妹マリの心配をよそに、少年達を支配する黒眼鏡のヤクザ桑山にあこがれていた。彼は桑山にみこまれて麻薬密売の責任を任されていた。桑山はマリを狙っていたが、マリには意中の人、喫茶店エトワールのバーテン鹿沢がいた。そのエトワールのマダム圭子には、一人息子でやはり不良仲間の谷雄があった。谷雄は勉と、不良女高生の亜紀子をはり合っていた。桑山はエトワールを夜の女の取引場所に使って、鹿沢にわざと辛くあたった。鹿沢は故あって殺人の罪を犯したことのある保釈中の身で、更生を一途にはげんでいる男だった。あくどいネオンの街で亜紀子を中に、勉と谷雄は争った。傷ついた勉を鹿沢はマリのところにはこんだ。そんな鹿沢を、桑山はみんなの前で彼の前身をあばいて嘲笑した。夜、一人店に残る鹿沢の前に谷雄が現れ、はり合いの意地で、亜紀子の忘れた定期入れを、夜中に彼女のところにとどけてやるのだといって出ていった。亜紀子の豪壮な邸宅にしのびこんだ谷雄は、桑山一味に見つかって撃たれて死んだ。この邸は桑山の黒幕で亜紀子の父・黒木の家で、麻薬工場になっていたのだ。桑山は急いで勉を呼出し、拳銃を持たせて闘争心をかきたて、谷雄が決着をつけようと待っているといって彼を指定の場所に行かせ、そこに谷雄の死体と部下の一人を置いて勉に発砲させ、仮装殺人をでっちあげた。鹿沢は何かトリックのあることに気づいて亜紀子をさがし、英雄きどりの勉の目をさますため、真相を告白させた。星刑事も日頃から知っていた勉のために協力した。桑山はマリをさらって乱暴を働こうとしていた。鹿沢はその場にかけつけ、やがて素顔をさらした桑山は、なだれこんだ警官隊によって縛についた。勉もやがて更生するだろう。