弥次喜多道中双六
劇場公開日:1958年12月7日
解説
「弥次喜多道中記」の続篇で、今回は弥次喜多が大井川を渡り京へ着くまでを描く。原作・十返舎一九、脚色は「ひばり捕物帖 自雷也小判」の笠原良三、監督は「大番 (完結篇)」の千葉泰樹、撮影は「サザエさんの婚約旅行」の西垣六郎。小林桂樹・加東大介ら前作のメンバーに、鶴田浩二・八千草薫・団令子らが新しく加わる。
1958年製作/118分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年12月7日
ストーリー
弥次郎兵衛、喜多八は、府中の宿から女房たちの虎口を逃れ、大井川を渡って日坂の宿についた。同宿の巫女の御宣託に、両人の女房は大井川で水死したとある。そのとき、雨に濡れた女房たちが両人の室に飛びこんできた。あの世から迷って出てきたか。弥次喜多は腰を抜したのだ。女房たちに因果をふくめて帰した両人は袋井の宿へつく。旅人五太平の誘いで、賭場へ入る。お笛が勝負に熱中していた。両人は五太平のいう通りにしたが、さっぱり芽が出ぬ。お笛は美男の薬売り鶴太郎の云う通りにし、勝ちっぱなしだ。胴元が文句をつけ、大乱闘となった。両人は持金をすっかりイカレた。宿のおかみが、金持の後家さんの男めかけの話を持ちこみ、二人はそのおはまの家へ行った。弥次が採用になった。サービスこれつとめていると、薬売りの鶴太郎が来、弥次さんすっかりフラれた。女中のおふくと逢引の約束をし、あげくが猪騒動の一幕などある。--宮の海岸で、両人は五太平をつかまえた。桑名までの宿賃などみんな彼にタカルことにする。宮の旅宿で、お笛が泊り合せ、両人は忍んで行くが、お笛が部屋のかけ札をとりかえていたので、侍有馬一郎左衛門の部屋に入りこみ、大騒ぎとなる。桑名への船中で、五太平はトン死し、両人は死体を荒れ寺に持ちこむ。富田では“名物の焼はまぐりはクワナにて富田やけどをさせたはまぐり”の一幕がある。狂歌に感心した伊勢のかめ女に、弥次は十返舎一九と名乗る。家へ招かれたが、見破られて逃げだした。両人は伊勢に詣り、大阪へ入る。安治川筋の土手で、やくざ淀十の乾分蛸八に借金のかたにさらわれた町娘のお葉を救った。彼女をとりあえず「別嬪茶屋花水屋」に連れてきた。そこの女将おはなは元旅役者の花水多羅四郎だった。番頭の権太もおとらと名乗って現れた。訳を話して、お葉をかくまってもらう。淀十たちが彼女を渡せと押しかけてきた。店にいた鶴太郎が一計を案じ、お葉に扮したおはなを連れて淀十の案内で金貸し勘太夫の邸へ行き、おはなと引きかえに証文を取り戻した。偽者とバれて、大乱闘となるが、鶴太郎の活躍で収った。両人はやっと京へ着く。八坂神社でお笛に会ったが、鶴太郎に横どりされた。両人はガッカリし、境内にいた二人の女をからかうと、なんと両人の女房・おふつとおいもである。そばで十返舎一九が笑っていた。--二組の夫婦は祭りばやしに和して踊ったのである。